純粋な愛が歪んだ   作:mimi@ロー推し

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第1章
誰よりも愛してたの


 

 

 

 

 

 

 

ドンキホーテ・メイリア

それが私の名前。

お兄様が二人いて、どちらのお兄様も一番大好き。

お兄様達も私の事を大切にしてくれる。

毎日が楽しくてお兄様と居れるだけで満足だった。

それは今日、終わりを告げる。

 

「結婚...?」

 

お兄様であるドンキホーテ・ドフラミンゴに呼ばれて部屋に入れば、直ぐに言われる。

ソファーの上にはもう一人のお兄様、ドンキホーテ・ロシナンテも座っていて、頭を抱えているのが見える。

 

「ああ....結婚だ。」

「だ、誰が?」

 

いや、そんなことを聞かなくても何となく分かっている。

ここに呼ばれたのならば、きっと.....

 

「メイリア、お前のだ。」

 

ほら、やっぱり私だ。

お兄様達のどちらかの可能性は合ったけど、それならワザワザ私を呼ばないだろう。

 

「私の......」

 

それでもやっぱり直ぐには受け入れずに私は固まる。

結婚はいずれはしなければいけないものだと思っていた。

それでも何時までもお兄様達と楽しく誰も欠けることなく過ごせると思っていた。

 

「メイリア、嫌なら断っても.....」

 

ロシナンテお兄様が慌てて言ってくるけど、それを止めたのはドフラミンゴお兄様だった。

(以後ドフィお兄様とロシーお兄様と呼ばせて頂く。)

 

「駄目だ」

「ドフィ....!」

「ロシーだって分かっているだろ?」

 

分からない。

私には分からないけど、ドフィお兄様の言葉にロシーお兄様は泣きそうな顔をした。

 

「....お相手は?」

「ーーーービッグ・マム海賊団」

「っ」

 

ドフィお兄様の言葉を聞いて息が詰まった。

あまり海賊とか世間の事とか詳しくない私でも聞いたことがある海賊団だった。

四皇ビッグ・マムと言えば、政略結婚でも有名な海賊団なのも私でも知っている。

 

「....分かり、ました」

 

ビッグ・マムが相手ではいくら悪のカリスマと呼ばれるドフィお兄様でも断ることは難しいのだろう。

だったらせめて普段から役立つで何も出来ない私がドフィお兄様達の事を助けるために結婚をする。

ふんわりと微笑んでお兄様達の事を見ると既にロシーお兄様は泣いていて、ドフィお兄様も泣きそうな顔をしていた。

 

「....言って参ります、お兄様」

 

何時までも甘えているわけにはいかない。

仮面を被って私はお兄様達に別れを告げる。

 

「....愛してました」

 

 

■■■■

 

 

どうやらビッグ・マムの方はこのドレスローザまで迎えに来てくれるようで、港で待っているだけでいいと言われた私は一人荷物を持って佇む。

最後の最後までお兄様達は泣きそうな顔で私の事を見ていて、この年になったら絶対に無かった添い寝を三人でして過ごした。

愛してた。お兄様達が私の事を愛してくれただけ私もお兄様達の事を愛してた。

もしかしたらもう2度と会えないかもしれない。

だから最後に私は精一杯お兄様達が可愛いと言ってくれた笑顔でさよならをした。

 

「....あの船、ですね。」

 

お菓子が本当に船になったような見た目でまるで生きているかのように動いている帆。

全部が不思議だった。

深く帽子を被ってこちらにつくのを待っていれば、数分後に港に船がついた。

そしてそこから一人、降りてくる。

目の前で止まったのを確認して私は帽子を取り、淑女に見えるようにお辞儀をした。

 

「ドンキホーテ・メイリアと申します。」

 

ドキドキと心臓がうるさいくらいに鳴っている。

怖い。お兄様....怖いです。

そう思いながら相手の動きを待つ。

 

「大丈夫だ。そんな固くならなくていい。」

 

顔を上げれば、そこには背が高すぎて顔が見えない男の人が居た。

ファーを巻いているから余計に見えないが、身長差が有りすぎる。

 

「あ、あの....」

「どうした?」

「お、お顔がよく見えないのですが.....」

「これは取れない。」

「いえ、それを取って欲しいのではなく、あの...1度屈んで下さりませんか?」

「....ああ。」

 

そこまで言ってようやく男の人が私の言いたいことが分かってくれたみたいで地面に....あれ?

屈んでくれるのかと思いきや、いきなり抱き上げられてしまった。

 

「あの?」

「これなら見えるだろ?」

「そうですけど.....、」

 

まさか抱き上げられるとは.....でも、これで良くお顔が見えるようになった。

 

「か、カッコいい....」

「は?」

「!申し訳ありませんっ....」

 

男の人が驚いたように少し目を見開いているのを見て、しまったと口を塞ぐ。

まさか口から出てるなんて思わなかった。

どうしよう....不愉快にさせちゃったかな?

これでもし、もしお兄様達の方に影響しちゃったどうしたらいいの?

 

「....怒ってない。だからそんな顔をするな。」

「....本当に申し訳ありません!」

 

謝れば、何故か頭を撫でられる。

 

「あの...?」

「お前は妹に似ている」

 

妹に似ている?

どこら辺がだろうか?

不思議に思いつつも、大人しく頭を撫でられていれば、そのまま目の前の男性は私を抱えたまま歩き始める。

 

「下ろしてください!」

「気にするな」

 

私が訴えかけるもそのまま船の中まで抱き抱えながら連れてかれてしまった。

連れてこられた部屋は海賊船では珍しいお姫様仕様の部屋だった。

 

「何日かかかる。ここで過ごせ」

「は、はい」

 

私を下ろした男の人は何事もなかったように部屋から出ていこうとするので慌てて呼び止める。

 

「あの!」

「なんだ?」

「お名前を教えて貰っても宜しいでしょうか?」

 

私の言葉にまた驚いたように目を少しだけ見開いたが、直ぐに元に戻る。

 

「シャーロット・カタクリだ。」

「カタクリ、様....」

 

そして今度こそ部屋から出ていってしまった。

カタクリ様....もしかして彼が私の結婚相手なのだろうか?

可愛いピンク色のソファーに座り、小さい窓の外を見つめる。

ドレスローザ....たった数年しか過ごして居ないけれど色んなことがあった。

私達は元から天竜人で貴族であったけど、いきなりドフィお兄様に連れこられてドレスローザの王になると聞かされた時は心底驚いた。

そしてドフィお兄様が王ならば、私は王女...お姫様になるということで。

楽しかった。

ファミリーの皆とご飯を食べてお茶会をしたり、恋ばなをしたり、悪戯して怒られたり.....本当に楽しかった。

もう2度と戻ってこれないかもしれない。

だからこそ、私はドレスローザを目に焼き付ける。

例え2度と戻ってこれなくても、国が見えなくても何時でも思い出せるように。

そして大好きで堪らなかったお兄様。

 

「......愛してたの、お兄様」

 

誰よりも、貴方の事を。

 

 

 

 

 

 

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