純粋な愛が歪んだ   作:mimi@ロー推し

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前話ぐらいから加筆中
本当にビッグ・マムの口調が分からない。




激情

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ペロスペローside

 

 

彼女を見たとき、年甲斐もなく見惚れてしまった。

ドンキホーテ海賊団の船長、ドンキホーテ・ドフラミンゴの実妹であるドンキホーテ・メイリアが同盟の証に嫁ぐことになって話が纏まり次第、直ぐ様迎えに行くことになった。

が、ドレスローザはドフラミンゴが納める国であるため、警戒するに越したことがないということでカタクリが迎えに行くことになった。

それにフランペ辺りが騒いでいたが、ママの命令なので拒否権はない。

同盟の話が纏まり、カタクリがドンキホーテ・メイリアを迎えに出て、1週間。

カタクリが乗っていった船が港に戻ってきた。

それを聞き付けた弟妹達が一目見ようと飛び出していったのを呆れながらも追い掛けた。

そしてついた時、カタクリに抱えられて彼女はこの国に降りて来た。

またフランペ辺りがうるさかったが、私は何にも言えなかった。

それほどまでに彼女は美しかった。

太陽の光でキラキラと輝く綺麗な金色の髪の毛、グラデーションがかかった赤色と水色のオッドアイ、まるでお人形みたいに真っ白な肌と食べてしまいたいと思ってしまう赤色の唇。

全てが綺麗で欲しくて堪らなかった。

それに加えて彼女は恐ろしいほどスタイルがいい。

流石ドンキホーテ・ドフラミンゴの血筋とでも言えようか。

ふと我に返り、周りを見渡せば男女問わず弟妹達も彼女に釘付けだった。

あのフランペでさえ、顔を赤くしている。

それを横目で見ながらも私は、ゆっくりとカタクリの前まで行く。

 

「カタクリ」

「嗚呼、ペロス兄」

 

声をかければ、カタクリがこちらを見て、ゆっくりと抱えた彼女を私の目の前に下ろした。

ふわり、まるで天使が降りてきたみたいに綺麗な髪が揺れる。

 

「初めまして。ドンキホーテ・メイリアです。」

 

ドレスの裾を持って一歩足を引き、ふんわりと頭を下げる様は正しく淑女と言えるほど美しい。

 

「....初めまして、長男のシャーロット・ペロスペローだ。」

 

動揺する気持ちを抑え、いつもみたいに愛想良く笑いかければ、彼女も笑った。

嗚呼、本当に彼女が欲しくて欲しくて堪らない。

 

「歩けそうか?」

「ええ、何とか....」

 

カタクリが彼女に問いかける言葉に首を傾げる。

彼女はもしかして何処か....足が悪いのだろうか?

 

「何かあったのか?」

「いや....あまり船に乗ったことがないらしく、足下がふらついてるみたいだ。」

「は....」

 

あまり船に乗ったことがない?

ドフラミンゴの元に居て、そんな事有り得るのか?

いや、待て。ドフラミンゴは大層彼女を溺愛していたに違いない。

きっと彼女はそれ故にドレスローザがあまり出たことがないのだろう。

 

「みっともない所をお見せして申し訳ありません...ですが、もう大丈夫ですので。」

「気にしなくていい。それよりペロス兄、ママは?」

「ママならもう謁見の間の所に居る。」

「そうか。」

 

カタクリは頷くとまた彼女を抱え直す。

 

「カ、カタクリ様っ....!」

 

それに対して彼女は顔を真っ赤に下ろしてほしいと言うが、カタクリは気にせずそのまま歩き始めた。

....カタクリも俺と同じように彼女に惹かれたのかもしれない。

いや、彼女を見てしまえば欲しいと思うのは当たり前のことだ。

このドロドロとした感情をカタクリにぶつけてしまいたいくらいには可笑しくなっている。

この激情を抑え込んで私は彼女のことを何時までも見つめていた。

 

■■■

 

 

「ハーハッハハハ!よく来たねぇ!」

 

謁見の間に入れば、ご機嫌なママがそこに居た。

カタクリは彼女を下ろし、壁の方向へと向かうので私も同じように向かう。

何故か男ばかり集まっている。

ママの目の前には小柄な彼女だけ。

 

「お目にかかります、ドンキホーテ・ドフラミンゴの妹、ドンキホーテ・メイリアです。」

 

私の時のようにドレスの裾を持って一歩足を後ろに引き、お辞儀をする彼女を見て、ママは先程よりもっと機嫌が良さそうに笑った。

 

「歓迎するさ...といってもまだ相手は決まってないがな!」

「....決まってないのですか?」

 

きょとんとする彼女にママは笑う。

 

「ここまでだとは思いもしなかったが....そうだな、好きなのを選ばしてやろう!」

「え、」

「結婚式は1か月後だ!」

 

ママの言葉に呆然とする彼女は大層可愛らしい。

....しかし、まさかママが結婚相手を選ばすなんて思いもしなかったな。

 

「もう下がっていい!」

「....失礼します。」

 

ママに言われるまま、彼女は謁見の間から出ていった。

それをカタクリが追い掛けようとしてママに止められる。

 

「ハーハッハハハ!さて、ここになんで集めたか分かるかぁ?」

「まさか、」

 

ここに息子だけが集められている事実....そう言うことだったのか。

 

「1か月後までに落としな」

 

ママは彼女が選んだ息子と結婚させる。

だから選択肢を増やすために息子だけ呼んで彼女と会わせた。

あの容姿を欲しいと全員が思うから。

実際にママの言葉に目を光らせる者や楽しそうにしている者が居る。

だが、それは私も同じ。

ここに居る全員にチャンスを与えられた。

 

抑え込んだ激情を思い出して私も他の兄弟と同じように笑った。

絶対に彼女を手に入れて見せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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