00:45:54
『各人機体、並びに居住区にお住まいの方々は係員の指示に従ってシェルターに至急避難して下さい。繰り返します……』
「子供や女性の方を優先してシェルターへ!!力仕事の出来る方は係員を手伝うかお年寄り方々を誘導してあげてください!!」
「何が起きてるんだ?!」
「急に避難しろったって……。」
「どうやら爆弾が持ち込まれていたらしい……。」
「おい押すなよ!」
「パパーーー!ママーーー!」
混乱の中レオディルとウィリアハートが率先して住人を避難させ、エイミーは各避難情報等をまとめ、アズールは子供達を誘導し、アモンとソラはキャラバン内の安全確認及びキャラバン外の警戒。ジンは整備班のメンバーを纏めて人機体の安全確保。ホムラは病室の患者を医療スタッフと共に避難させていた。もちろんルフスも。
鹵獲したリベリオンの人機体「アスター」が自爆プログラムを作動している事がゼロの解析によって判明。爆発の規模を計算した所、【キャラバンを蒸発させる可能性大】との結果が出た為、避難勧告がキャラバン内に出された。タイマー停止はシステム侵入に手こずった件もあり断念。よって安全な地上へと運び、キャラバンから離して爆破させるという結論に達した。
クラウドボックスは冷蔵庫並の大きさがある為、大の大人5人程で台車を使って地下の研究室へと搬入していた。研究員は一旦落ち着き、丁重にクラウドボックスを台車に載せて搬入用のエレベーターへと向かったが……。
「エっ…………エレベーターが作動しない!!!」
と同時に館内の明かりが消え、非常用のライトがつく。
「どうなってるんだ一体!!」
「このラボは丁度キャラバンの中心付近に位置している……こんな所で爆殺でもされれば…!!」
アスターのクラウドボックスは解析中様々な機器やケーブルに接続されていた。これを上手く利用しアスターは電源を統括しているコンピューターに逆侵入してウイルスを流し込み、電子機器類に過電流を流すようプログラムしたのだった。その症状がここに来て発生している。しかも最悪な事に、過電流によって各廊下に設置されている防壁用の扉を制御するプログラムが破壊されてエラーを起こし、避難途中の人々や研究員らはそれぞれが居るフロアで孤立状態にさせられてしまった。他にも様々な障害が発生している。
「おいおいおいおい…………どうなってるんだよ……。」
「オレたち、閉じ込められたのか……?」
「エレベーターはまだ動かないのか?!」
混乱する研究員達をゼロが落ち着かせる。
「うるさい!!!まずは落ち着くんだ。タイムリミットまではまだ時間がある。パニックになってはいかん。冷静になり、現状報告をしろ。」
弱腰の研究員達はゼロの一喝で沈黙し、落ち着いて今現在置かれている状況を再度整理する。
00:32:49
「今我々は地下8階に居ます。安全な場所で爆破させる為には地上に行くしかありませんが、エレベーターは止まり、非常階段もそこへ通じるルートが防壁で塞がれてしまい、身動きが取れない状況です。恐らくこの人機体がシステムに侵入したのかと……。現在はクラウドボックスの電源をオフにしてますが、爆破プログラムは動き続けたままです。」
機器類を切断した事でアスターが直接館内のシステムに侵入する事はなくなりウイルスも過電流を流すよう仕向けるのみのものだけだっので、更なる災禍は起きない。
「ゼロさん、なんとか電源を復旧させる事は出来ませんか?」
「……無理だな。統括システムがダウンして各ケーブルやブレーカーも完全に落ちている……。防壁を開けることは無理か?」
「無理ですよ……2トンもあるんですよ?」
「違うそうじゃない。壁に穴を開けられるか?と言う事だ。動かせない事くらい画面越しからでも分かる。」
即座に無理と返答が来るが、ラボの入口のすぐ角にエレベーターがあり、そこには防壁が幸いにも設けられて居ないことに気付くと、ラボにある道具を片っ端から持って来た。
「開けられない事はないですが、かなり時間が掛かります……。防壁が非常階段まで四つ、通れるくらいの大きさを開けるのに……。」
と研究員の一人が暗算をし始めると
「計算してる暇はない!!とにかく開けるんだ!!」
と他の研究員に連れていかれ、レーザーカッターと溶接用のフェイスガードを渡される。ゼロはその間にドックにまだ居るであろうジンのケータイに連絡を取る。
「ジン?聞こえるか?」
「ゼロ?なんだどうした?こっちはやっと避難が終わったから機材の搬入に入る所なんだが。」
「用意しておいて貰いたい物がある。」
「えーっと、用意出来るかは置いといて何だ?言ってみんしゃい!」
00:22:09
研究員達は非常階段へのルートにある5個の防壁の内2つを突破し、3つ目の突破の準備をしていた。しかし、
「ダメです!コードの長さが足りません!」
「延長コードは?!」
「全部使いましたよ!元々こんなに伸ばすつもりじゃなかったんですから!」
まだ壁は3枚もある。こう話している間にも時間はどんどん過ぎていく。突破は不可能と判断したゼロは研究員の一人にキャラバンの見取り図を見せるよう要求する。
「キャラバンの見取り図を寄越せ。確かPDFであったと思う。」
ゼロが映るパソコンのファイルにある見取り図をゼロに送信する。因みにパソコンは内部バッテリーで稼働させていた為アスターのウイルスの影響は受けなかった。
送られてきたPDFを確認し、ゼロは再びジンに電話する。
「ジン?聞こえるか?」
「はいはい聞こえてますよ!アレの準備は完了。ウィリアハートは何時でも行けるよ!」
ゼロは研究員達をクラウドボックスから遠ざけ、反対側に集める。
「OKだ!やってくれ!」
「了解!」
といつの間にか人機体に搭乗したウィリアハートは研究員達の居る場所をゼロ本体から展開されている回線を辿って探知し、その真上へとウィリアは移動する。
「ソードユニット展開!」
背部のソードビットが宙を舞い、床に突き刺さっていく。クラウドボックスが入りそうな程の大きさの円を描きながら下の階、更に下の階へとソードビットは床を切り裂きながら下がっていく。
そしてゼロらが居る地下8階まで到達し、地上から続く長い縦のトンネルを造った。デカいマンホールの蓋の様な床が上の階の分も含めてガコンと音を立てて研究員達のフロアまで落っこちて来る。
上からウィリアとジンは協力してドックにあったフェンリルのグレイプニールに内蔵されたワイヤーを外して地下に垂らす。地下8階にまで垂れたのを確認すると研究員を呼んでクラウドボックスを台車ごとワイヤーで縛らせる。ワイヤーの長さはかなりあるので大きなクラウドボックスを頑丈に縛るには十分だ。
5分後縛り終えて固定を確認すると、ウィリアハートがワイヤーを地上から引っ張る。落として刺激を与えたか何かで起爆したら洒落にならないので慎重に引き上げる。ワンフロアの高さは5m程なので実に40m程引き上げる計算だ。下から研究員とモニターに居るゼロが引き上げる位置などを正確に伝える。
「よ〜しそのまま……ゆっくりとね…。」
「揺れてる揺れてる!!」
「OKOK……そのまま。」
指示を聴きながらもあるので引き上げにはかなり時間が掛かっていた。どんどん減っていくタイマーの数値がウィリアを、周りの人々を焦らせる。
「あと何分ですかっ?!」
「あと10分程しかないぞ!!」
あと10分で全部吹っ飛んでしまう。そんな恐怖から抜け出そうとウィリアは引き上げる速度を速める。が、その瞬間にワイヤーの一部が切れてしまった。
「ああっ!!」
周りも頭を抱えながらあわてる。切れたのは地下3階フロアを通過した直後。ジンはすぐ様穴に飛び込み器用に飛び移りながら辛うじて垂れ下がっているクラウドボックスに近づく。固定させる為にわざとねじらせながら巻いたせいか、千切れた部分は幸いにもねじれたワイヤーに引っかかって止まっている。
簡易ではあるが携帯型溶接工具を使って切れた箇所を周りの引っかかったワイヤーに溶接する。その間にも刻々とタイマーは減っていき、遂に爆破まで5分を切ったその時、
「切れたワイヤーは直した!!早く上げてくれ!!」
合点承知ィ!とウィリアは素早く且つ安全に再び引き上げ始める。その間ゼロはジンに三度連絡をし、予め待機させておいたインパチェンスのバックパックにドック内にあった在庫の大型ミサイルとその発射台を取り付けさせる。インパチェンスの高度な汎用性を活かしたのだ。
あと2分。引き上げたウィリアは傍に居たインパチェンスが背負ったミサイルの弾頭部にあたる位置に支部内に余っていたワイヤー類をあるだけ使って固定する。手先が器用なのもあってお祭りになる事はなかった。
「固定しました!!!!」
その声と同時に支部の天蓋が轟音と共に開き青空を見せる。その虚空に向かってインパチェンスは飛び立ち、自身のブースターの加速と背負ったミサイルのブースターによる後押しで一気に上昇していく。
「インパチェンス、爆発まで10秒になったら知らせる!その時になったらミサイルを発射して全力で急降下しろ!」
音速に近い速度で天に昇りながら指示を聞きつけてその時を待つインパチェンス。下ではエイミーも手を合わせて祈っていた。
17、16、15、14、13、12、11……
「今だ!!!!」
背中からミサイルが射出され、直後インパチェンスは大陸間弾道ミサイルの様な起動で再び大地へと突進する。一次関数のグラフを描くミサイルを見ながら10秒後、爆発を見届けた。
こんにちは!最近はリアルが忙しくて中々書けていませんでした……(;´д`)トホホ…。ようやっととりあえず急ぎ足で書いてみました。最後のシーンはもっと細かく書けば良かったかな……。テスト期間もそろそろ終わるので近いうちにまた出るかも……?
あと、前書きにキャラクターの簡単な紹介を書こうか迷っています……。書くかもしれんけど、時間があればね。