機動戦士ガンダム·プレデターズ   作:ルシェラ

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機動戦士ガンダムプレデターズ 第三話 胎動

ルフス達が出発した頃、元BEYONDheaven本部であり今は反逆人機体達の根城となっている機構世界=マシンワールドでは反逆人機体の幹部会議が開かれていた。

機構世界の深部にある広くて鋼鉄のドーム状の会議の広間には、参謀班班長であるクロナードと副班長アスター、シュピール。

観測班班長ノートと副のバタフライ。地球機構化計画班長ツェーンとダウナー。殲滅部隊班長のカストルと副のポルクス。そして広間の一番奥...階段の上に設置された巨大な椅子に座る統率機(リーダー)であるフォールンと彼の秘書を務めるアメノハバキリが隣に立っている。

広間入口にはフォールンの近衛兵であるグレス=ラゼル、ヴェルフェジオ、A=2(エーツー)、ディスガード=リュボラが毅然として立っている。

会議の内容はズバリ、

[共存人機体及び全人類の処分]

である。

暗めなカラーリングとバックパックに巨大な金色のリングを持つフォールンは威厳のある声で会議を始めた。

「.....これより会議を始める。」

一斉に周りが気をつけの姿勢を解き、直後床が開いて浮遊してきた座席型のユニットにもたれる。

「...それでは観測班、報告を聞こう。」

班長のノートは素早く起立して答える。

「はい。現在地球全体の支配率は我々リベリオン(=反逆人機体サイド)が77.8%とほぼ全てを掌握しています。敵対勢力である人機体と人間の支部は徐々にではありますが減少の方向に進んでおり、1年前には約二十あった支部も今では半分の十程に減少しております。残存勢力も可及的速やかに壊滅をするよう殲滅部隊には常に索敵をさせております。....しかし、人間どもは支部間の連絡をこちらに探知されないようにしつつ独自の方法で互いに接触をしている模様です。衛星からの映像も確認しては居ますが..... ゼロの影響による物なのか奴らの足取りを掴むのが困難な状況です。機構世界近辺の地域に関しましては特に問題はございません。以上になります。」

「......ご苦労。」

報告を終えたノートは再び着席した。

「......ゼロの奴....」

フォールンは深いため息をついた。

人間と共存人機体達にゼロが居ることは彼らリベリオンにしてみれば想像以上に面倒な事なのだ。

もしゼロがリベリオンについていたらゼロの支配機であるが故の索敵能力であっという間に居場所を炙り出し、とっくに地球は奪えていただろう。

リベリオンの人機体達はゼロからの監視通信や支配通信をカットしたはいいものの、彼の索敵能力に干渉したり擬似システムを作ることは不可能なのである。

人間達から見れば衛星の映像に姿を映さない様にして索敵を逃れたり、支部間の連絡が取れたり出来るのもゼロのお陰なのだ。

.....だからこそある意味この戦いは延びているのだが。

フォールンは会議を続ける。

「.....では次に地球機構化計画班、報告を聞こう。」

班長のツェーンが起立する。

「はい。機構化の構想制作は順調そのものです。早ければ構想の完成は一週間、建設自体は約3年で完成するでしょう。」

「.....万能因子の増殖生造は?」

「はい。現在副班長であるダウナー立会いの下、生成加速の研究は順調に進んでおります。ですが、構想案の完成と敵対勢力を退けてからの生造ですので、生成と計画の完遂までには少々お時間を頂きます。申し訳ございません。」

「......いいだろう。ご苦労だった。」

座るツェーン。

生成予定の万能因子は地球の自然を復興させる為に使われるものだ。

地球全土を覆うくらいの量が必要なので生成の加速を急がせている。

リーダーであるフォールンにとっては人間どもの排除も大事だが機構世界の完成を急ぎたい気持ちもあったのだ。人機体の為に、なんとしても。

「.....では殲滅部隊班、報告を。」

カストルが立つ。

「では報告を。先日フォールン様に報告させて頂いた[ワンダ計画]についてですが、昨日機体の製造に成功する事が出来ました。」

一斉に歓喜の声と拍手が起こる、が秘書のアメノハバキリが静粛に!と場を沈める。

カストルは軽く会釈をすると報告を再開した。

「ワンダは皆様もご周知の通り大量製造が可能且つ汎用性の高さが持ち味です。機体が完成したので大量製造をしつつ戦況に合わせたカスタム機やオプション装備も随時製造して

いき、行く行くは哨戒中の殲滅小隊にワンダを編成させる予定です。報告は以上です。」

フォールンは少し笑みをこぼした後、参謀班からの諸連絡を聞き、会議を終了させた。

 

リベリオンの会議とほぼ同時刻、ルフス達は中東支部に向けての旅路の中にいた。

ホムラは大っっ嫌いなトリップスケジュールを渋々読み終えると直ぐに飯を食べ始めた。

キャラバン内では充実した食事はある程度取れるが彼らにキャラバンの食料製造機を持たせる訳にもいかないので予め人機体に内蔵されている万能因子をコクピットにある変換器で食べ物に変換して済ます様にしている。使用する万能因子の貯蓄は直接供給するか若しくは万能因子を含有している物体を変換器に入れればある程度溜まるし時間経過でも少しは補える。とはいえ内蔵されている分は食事以外にもつかう上にレパートリーもあまり多くないのでお腹いっぱいとまではいかず、加えて旅路に飲食店などないので多少は我慢をせざるを得ない。

食事に人一倍気を使うホムラは量の少なさに加えて食べ物自体の製造の時間の長さにイライラし始め仕舞いにはもういいや、と不貞腐れてしまった。

「あーーもう!これだから支部訪問は嫌なんだよーー!」

愚痴るホムラに睦月が「気長に待てばいいのにホムラさんてば製造自体を止めちゃうからダメなんですよー。長いのに腹立つのは私も同じですけどどうせならそのまま待てばいいのにー。」

すかさずホムラは

「もういいよ、別に食べなくても生きていけるっしょ。そうだ、きっとそうだ。」

と開き直った、、、途端にお腹が鳴りバツが悪そうに製造機のスイッチを再び押した。無線から睦月が大笑いする声が聞こえてくる。

そんな茶番をよそにルフスは獣の様な姿のフェンリルのコクピットハッチを開けて外の景色を生で味わっていた。

このご時世キャラバン外の地域を肉眼で見ることはこういう機会を覗いて滅多になく、さらに人機体の戦争でかつて人が生活していた街や建物が段々と自然に侵食されていく風景はどことなく懐かしさや非現実さを感じさせるものがあった。

ルフスは風を感じつつ製造機で作ったおつまみを食べながらしばし仮眠をとった。

アモンとソラはルフス達の上を飛行しており、ソラは食事をしつつ常に周りへの索敵を行っていた。

もし敵の反応があったり何か異常があった場合はいち早く伝えるのが日頃から彼らの仕事でもあったので最早仕事というよりかは生活の一部となっていたので彼らは全く不公平感や面倒くささはなかった。

 

キャラバンの周りの森林を抜け大河を渡り、東南支部から50kmほど離れた地点で丁度日が落ち、彼らは進行を中断した。

初日は特に問題はなかったが、まだまだ先は長い。アモン達が発見した敵の部隊に遭遇する可能性もあるので夜でも交代でルフス達は周りを見張る様にしている。

また、支部訪問などでキャラバンを離れる際はお風呂代わりにクリーンライトと呼ばれる

身体の雑菌や汚れを落としてくれる装置を交代で使用して清潔さを保つようにしている。

外の世界は既に荒れ放題になっているのでどんな病気にかかるかも分からないので衛生面の管理は重要なのだ。

その後は各自で食事を済ませたり見張りのシフトまで寝たりして彼らは朝を待った。

ルフス達がいなくなったキャラバンではジンとレオディル達がドックで晩飯を待っていた。

食堂と彼らの仕事場であるドックは少し距離がある為、食事を直接ドックから注文してなるべく無駄な移動時間を減らす様にしている。

発注から数分後、ロボットで飯が届けられた。

ジンはん---っと身体を伸ばすと届けられた食事のトレイをレオディルの分も持って彼に渡した。

因みにメニューは二人ともカツカレー。

ジンはニヤけながら

「ほな、いただきます。」

と言うとカレーをひょいひょい口に入れていく。

レオディルは暑かったのかセットの水を先に飲むと「いただきます。」と食べ始めた。

「訪問チームどうしてるかね。」とジンはわざと咀嚼中のレオディルに聞く。

「.....ん、まあ...んん、何回か行っているし...大丈夫じゃないんですかね、うっ。」と少し苦しそうに答える。

「まあ、ウチらも大変だけど彼らはウチらと違って危険だから心配だけどね。」

整備班の一日は長い。加えてキツい。しかし、周りからは頼りにされるしある程度の恩恵は受けられる。

カツカレーだって整備班の特権で特別早く作ってもらった物だ。

その後雑談をした二人は整備の道具をあらかた片付けて食事のトレイをロボットに渡し、その場を後にした。

 

 

城壁の見張りをしていたアズールとエイミーは定時になると自室に戻ってシャワーを浴び、食堂で晩飯を頼んで受け取り、アズールの部屋で食べることにした。

「ねえねえエイミー、思ったんだけどさ。」

エイミーが首を傾げる。

「見張りの時暇潰しに絵を描くのも良いけど、それだけだと退屈じゃない?」

整備班と違って見張り役は一定時間ごとに監視塔を周ったり、その都度報告をするくらいなので何も起きない時は呆れるくらい暇なのだ。

「何か退屈しのぎになるのないかな。」

するとエイミーはタブレットに

 

[監視をもっと頑張れば退屈しないと思うけ

ど......]

と書いた。

微妙な表情のアズールはそういう事じゃない的なことを言いたそうな面持ちだったが暇なのは今に始まった事ではない、むしろ暇なくらい平和な時が過ごせている事に感謝しなきや、と気持ちを切り替えた。

エイミーもそれを察したらしく、笑みを浮かべると再びスプーンを口に持っていった。

 

 




こんにちは(о´∀`о)
シーチキンって美味しいよねとここ最近感じるルシェラです。
いよいよ外に出たルフスくん達。
その先で彼らを待つものとは…!みたいな事言っときます()
拙い文は寛大に読み取って…さあ…。
あああと、Twitterにあげた物とは少々校閲をしてるせいか文や表現が違ってますのでよろしくマンボ。

機体、キャラクター投稿希望は不定期ではありますがたまに募集しています。
作品に関する事や関係者の方々への質問は受け付けていないのでよろしくお願いします。
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