記憶を失ったフリをしてみた結果   作:あばずれ

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色々手こずって遅れました……本当に申し訳ないです。

前回までのあらすじ
作者の私も忘れました。


7. ごめんなさいさなんめご

「で、では……私がご案内しますね、提督」

 

「は、はい……よろしくお願いします」

 

 色々とツッコミどころが多過ぎて、何が起きたのか忘れる所だったよ。

 

 くそっ……どうなってんだこの鎮守府は……! 

 くそっくそっ……! 

 ごちゃごちゃし過ぎて訳分からなくなる!! 

 

 そういえば加賀さん、エラい変わりようだけど……。

 あ、前の話で何か殺されそうだったんだっけ。

 

 もうぶっちゃけどうでもいいっすわ。

 この照れ加賀さん見ただけでもう世界とかどうでもいい気がする。

 

 

 ……この世界、価値低過ぎね? 

 

 

「提督、駆逐艦寮はもうご存知ですか?」

 

「あ、はい。先程霧島さんに案内してもらいました……そういえば霧島さんはどこへ……」

 

「私は見ていないので分かりませんね……案内ついでに捜索もしましょう!」

 

 めっちゃ感情豊かだなぁ加賀さん。

 さっきは殺されそうとか言ってごめんね。

 

(提督と二人きり……! このチャンスを逃がすわけにはいかないわ! ちゃんとアピールしないと!)

 

「ん……あれは……?」

 

 何か遠くに見えてくる……あれは時雨達か? 

 

「あっ提督……──ふっふっふっー……よくここが分かったね」

 

「私達に話し掛けるとは提督も墜ちたものっぽい……!」

 

「一番に気付けなかったのは重罪だよ!」

 

「全くお茶目な提督なんだから!」

 

「うぅ~恥ずかしいです……」

 

 何だ何だ、何が始まってるんだ。

 何をしてるの? 

 

「「「「「我ら!! 白露型特戦隊!!!」」」」」

 

 それどっかで見た事あるポーズ!!! 

 

 リーダーが心と身体入れ替えちゃう奴のタイプだよ!! 

 

(……ちょっとかわいい)

 

「おのれ提督、記憶喪失で私達の事を忘れるとは!!」

 

「これは重罪に等しいね!」

 

「万死に値します!」

 

「身の程を知れっぽい!!」

 

「誰か止めて~」

 

 何か春雨だけ泣いてる……。

 嫌々付き合わされてるなコレ。

 

「だ、誰なのか……名前を教えて欲しいんですが……」

 

「あ、私は白露型の一番艦の白露だよ」

 

「僕がその二番艦の時雨だよ」

 

「私が夕立よ~」

 

「いや夕立が夕立っぽい!!」

 

「いや私が夕立よ! 何よ『ぽい』ってハッキリさせなさいよ!」

 

「夕立が夕立なの~!」

 

「いや私が夕立~!」

 

「いい加減にしてっぽい!! 夕立が夕立なの!!」

 

「じゃ、じゃあ私が夕立……」

「「「「どうぞどうぞ」」」」

 

 何やってんだよ!!!! 

 

「あ、ごめんね提督。色々立て込んじゃって」

 

「い、いや大丈夫ですよ……えーっと、貴方が夕立さんで……貴方は?」

 

「私は村雨、白露型の三番艦よ。よろしくね」

 

「わ、私がその五番艦の……春雨です……! よろしくお願いします!」

 

 な、何でこんな事をするようになったんだ……この娘達は……。

 前はこんな性格だったっけ? 俺が記憶喪失してるから変わっちゃったのかな。

 

「いやいやごめんね~提督。これがいつもの会話だからさ~」

 

 いやそんな会話初めて聞いたんだけど。君達よく揃って執務室に来ては遊んでくるのにそんな会話なんて記憶に無いんだけど? 

 

「そういえば提督は記憶喪失だったよね」

 

「そうね、やっぱ印象には残ってくれたみたい」

 

 いやまぁ、そんな事されたら誰でも印象に残るよね。

 

「加賀さん、提督の体調は大丈夫なの?」

 

「えぇ大丈夫よ。心配する事は無いわ」

 

「何か加賀さん、雰囲気変わったぽい?」

 

「あ、ほんとだ。何か変わってる」

 

(何か変わってるってド正直に言うわねこの娘達……)

 

「ま、まぁ色々あるのよ。それで、霧島さんを見掛けませんでしたか?」

 

「え? 霧島さん? んー見てないなぁ、私達さっき部屋から出たばかりだし」

 

「部屋を出た時にちょうど提督と加賀さんに会った感じです……」

 

「んー……そうですか……ありがとうございます」

 

 誰も見掛けてないのかぁ。

 んー何か怪しくなってきた。大和や武蔵、金剛の企みもまだ来てないし、そろそろ警戒した方がいいのかもしれない。

 

「何か提督が敬語って似合わないっぽい」

 

「私達に敬語はいらないよ、気楽に話して?」

 

「そ、そうで──じゃなくて。分かった、ありがとう」

 

 言っておくけど俺は今、記憶喪失のフリをしているんですよ。この演技力、素晴らしいとは思いませんか? 

 

「何でそんなドヤ顔なのさ提督」

 

「あ、いや……本当に何でだろ……」

 

「無意識ですか……全く提督は、一番艦である私の事を忘れるなんてダメダメっぽい!!」

 

 ……っぽい? 白露さん、夕立の口調伝染ってない? 

 

「本当にだよ……忘れてるなんて一人だったら何してたか分からないやっぽい」

 

 え? また、っぽい? 

 って言うか時雨さん、お願いします。目のハイライト消さないでください。中指も立てないでください。俺の事見続けないでください!!! 

 

「また思い出させないとね~っぽい」

 

 ね~っぽいじゃないんだよ村雨。無理矢理過ぎるって、不自然過ぎるって。

 

「何でこんな事に……っぽい」

 

 春雨は恥ずかしいなら言うのやめろよもう!! 

 

「提督も色々事情があるんです。あまり責めないでっぽい」

 

 加賀さんまでェェ!!? 

 

「でもどうして記憶喪失なんかになったんだい? と聞いても記憶が無いんじゃ聞いても意味無いか」

 

 ネタばらしというか、明石と色々な交換条件を元に結託して俺が何かにぶつかって気を失った所に明石が駆けつけ、容態を明石が調べる事で記憶喪失のフリが出来たんだけどね。

 

 まぁその明石本人は俺そっちのけでどっか行ったけど。

 

「そういえば大きいカブトムシを見たような気がするっぽい!」

 

「大きいカブトムシ? そんなのこの世界にいる? 普通」

 

 因みに気を失った理由は明石が開発した兜虫型非殺傷兵器、通称「あたしはカブトムシ」っていう変なネーミングセンスした兵器で強制的に気を失わせるモノでやられたんだよね。

 

 まぁ単なるリモコン操作の自立型スタンガンなんですが。

 

「何かの見間違いなんじゃないの? 大きなカブトムシなんている訳なくない?」

 

「えーでも本当に見たっぽい~」

 

「見たのか見てないのかどっちかにしてよ」

 

「んじゃ見てな~い」

 

 自由過ぎるよ、この娘……。

 

「でもこの前~、提督の下にあるカブトムシは見た~」

 

「!?」

 

「!?」

 

「!?」

 

「!?」

 

「え?」

 

「……」

 

 What!!!!??? 

 

 どどどどどどどどういう事だか教えてもらえませんか夕立さん……!! 

 じゃないと視線が物凄くて今すぐにでも殺されそうなんです!! 

 

「ど、どういう意味かな? 夕立」

 

「意味もナニも~、提督さんの○○○を見た事が~、あるっぽい~」

 

「何で!!!?」

 

 アアアァァァァァァ!!!!! 

 全員して蔑む様な目で見てこないで!! 

 俺、本当に知らないんだってー!! 

 

 つーか、いつ見たんだ俺のブツを!!! お前に見せた記憶なんて一つも無いぞ!! 何言ってるんだお前ェ!! 

 

「うううううう嘘だよね……? 夕立……?」

 

「嘘じゃないっぽい~、お風呂で見たっぽい~」

 

 あ、風呂か。まぁそれなら見られる可能性もある訳だ、うん。

 

 

 

 ……いや何で? 

 

 

 

 いつも風呂は一人なんだけど。

 皆が就寝頃に一人で入ってるはずなんだけど。

 

 いやだって仕方なく無い? 

 自室に自分の風呂無いんだよ? こうするしか方法無くない? 

 

「提督……って聞いても忘れてるから意味無いわね。夕立、いつ提督とお風呂なんて入ったの?」

 

「記憶を失う五日前ぐらいに~、偶然提督がお風呂入ってる所見て~、覗き見したっぽい~」

 

 何か視線感じるなと思ってたけど、犯人お前かよ!!! 

 

「覗き見なんて駄目じゃないか夕立、そういうのは──」

 

 そうだぞ夕立。時雨の言う通りだ──

 

「──僕も混ぜてよ」

 

 あぁもう言うと思った!!! 

 はぁ……とりあえず注意だけしておこう。

 

(……少し混ざりたいと思ったのは内緒よ)

 

「だ、駄目だよ? 覗き見なんてしちゃ。さっきのように誤解を持たれても困るからさ」

 

「そうだよ時雨。する時は白露お姉ちゃんに言わなきゃ!」

 

 いや言わなくていいんだよ!! 

 何で白露まで混ざる気満々なんだ!!! 

 

「ま、私は元々覗いてたけどね」

 

 いや村雨、お前それ自慢する事じゃないから!! 

 明らか犯罪だからなソレ!! 

 

「は、春雨だって! みみみみ見てましたよ!!」

 

 いやだから春雨ちゃん、ソレ堂々と言える事じゃないんだって!! 

 

「提督の~太い○○○は~カビだらけ~」

 

 ぶっ飛ばすぞ!!!!! 

 

「ちょっと夕立、それは言い過ぎよ。提督のはそろそろ剥けてるわ」

 

 生々しい事言わないで下さい死にたくなってきます。

 

「っていうか何で皆、堂々と覗いてた事喋ってるっぽい?」

 

 お前が最初に言い出したんだろうがァァァァァァ!!!!! 

 

 

 

 ――二分三十四秒後。

 

 

 

「そそそそれでもやめてね? 覗くのはさ……少し危ないからさ」

 

「そうよ皆、覗くのはやめにしなさい。提督に迷惑が掛かるわ」

 

(ここはすかさずフォローして好感度アップよ!)

 

「第一に覗く事自体、してはいけない事なのよ。私達艦娘といえど罪に問われる事なんて有り得ない事じゃないんだから、ね?」

 

「分かりました……」

 

「分かったぽい……」

 

 流石加賀さん……! 

 こういう場面でも冷静沈着に対処出来る所が羨ましいぜ! 

 

「さぁ皆、一度提督に謝りましょう。記憶喪失ではあるけど、きっと許してくれるわ」

 

「うん……提督、ごめんなさい」

 

「「「「ごめんなさい」」」」

 

 まるで加賀さんが白露型の保護者みたいになってる……。

 何か母性というか、親性という何かを感じる。

 

「まぁ……色々僕は覚えてない訳だし、君達の事を忘れてしまった僕にも悪い所があるから、互いに帳消しって事で。だから頭を上げて?」

 

 正直な話、覗かれた事に関しては怒るまでもない事だと思ってるし、皆がちゃんといい娘達だってのは分かってるから普通に許せるよ。途中色々ツッコんだけどさ。

 

(とは言ったものの私も一回覗いたので謝らなきゃならないわ。記憶喪失なんて関係ない、今ここで謝る事に意味があるのよ)

 

「さて私も……一回覗いたのでここで謝ります、すいま()()()でした」

 

 加賀さん??!!! 

 

(思わず噛んでしまった……)

 

「あれ、でもこれ記憶喪失してるから謝っても忘れるんじゃ……」

 

「でも白露、記憶思い出しても今の記憶は残ってるから駄目なんじゃないかしら?」

 

「あ……そうだった……」

 

 馬鹿だった──!!!

(馬鹿だった──!!!)

 

「だがそんな事だろうと私達は挫けない!!」

 

「だって僕達は!!」

 

「ギ○ュー特戦隊!!!」

 

 もう言っちゃってんじゃねーかァァ!!!! 

(もう言っちゃってるじゃないのソレ!!!)

 

「何がなんだろうと提督の記憶、この村雨達が思い出させてやるんだから!!」

 

「あの手この手で提督を目覚めさせてあげるよ!!」

 

「覚悟しておく事だっぽい!!」

 

「司令官……その……頑張ってください!!」

 

「って事で私達はこれから遠征だから!! じゃあね~!!」

 

(白露型特戦隊はそのままどこかへ行ってしまいました……)

 

 

 

 

「……提督……大丈夫ですか?」

 

「いやうん……大丈夫」

 




個人的には春雨が好きだったりする。
まだネタはあるので頑張ります。
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