とある日のプラネテューヌ。
ギルドにパーツ探しのクエストを依頼して、既にいくつかのエナジースフィアが見つかっていた。
マホロアは相も変わらずローアで修理を続けていた。
メタナイトはゲイムギョウ界のモンスターと何度か交戦し、歴史や技術方面での書物を探す日々を過ごしていた。
意外にもデデデはパーツ探しに躍起で、ワドルディを連れてクエストをこなしながらパーツを探していた。
ワドルディは、稀にスライヌの亜種と勘違いされることもあったが、その槍裁きや家事能力に、よくネプテューヌの世話をする人を中心に、密かに人望を集めている。
そしてカービィはというと…
「…………………ネプテューヌさん! 全然女神の仕事してないじゃないですか!」
ゲームに勤しむネプテューヌと、その後ろでソファに寝ているカービィの姿があった。
辺りにはカービィが食べたと思われる菓子類の袋が散らばっていた。
カービィはネプテューヌのぐうたらな部分と気があったのか、部屋で食っちゃ寝していることが多かったのだ。
それでも持ち前の正義感からか、何度かパーツ探しには出ているらしい。
「聞いてるんですか!?」
「んー? まぁ…いわゆる一つの……平和ボケ?」
「ネプテューヌさん、女神には色々お仕事が「お姉ちゃーん、お茶入ったよー」…!?」
イストワールがネプテューヌに説教している途中、ネプギアがお茶を持って部屋に来たことに驚く。
「ネプギアサンキュー! 対戦プレイやろっか!」
「うん!」
ネプギアがネプテューヌの隣に座り、一緒にゲームを始めようとする。
「ネプギアさんまで………」
その状況に怒りに震えるイストワール。
「いい加減に…………してくださーーい!!」
「ねぷっ!?」
イストワールの怒りがとうとう限界に達し、ゲームの電源コードを勢いよく引っこ抜いた。
「それだめって説明書に書いてあるのに!」
※※※
「シェアクリスタルを見てください!」
「…シェアクリスタルがどうかしたんですか?」
一面真っ暗で、文字のようなものがリング状に広がっている不思議な空間に、ネプテューヌら(カービィも含め)は居た。
「クリスタルに集まる我が国のシェアエナジーが、最近下降傾向にあるんです」
シェアクリスタルとは、女神の力の源であり、その国の国力を示すものとしても知られている。
「まだたくさんあるんでしょ? 心配すること無くない?」
「無くないです! シェアの源が、何かご存知でしょう!?」
「は〜…………」
「国民の皆さんの、女神を信じる心、ですよね?」
ネプギアが答える。
「そう! この下降傾向は、国民の心が、ネプテューヌさんから少しずつ離れているということなんです!」
イストワールがそういうも、当のネプテューヌは…
「えー…? 嫌われるようなことした覚えないよー?」
これである。
するとネプギアが、
「んー……好かれるような事も、最近してないかも?」
「うっ」
痛いところを突かれたとばかりに、ネプテューヌはたじろぐ。
するとアイエフとコンパが部屋に入ってきた。
「ネプギアの言う通りでしょ。パーツ探しの件だって、言い出しっぺは貴方でしょうが……」
アイエフがネプテューヌにそう言う。
「すいませんイストワール様。話が聞こえたもので」
「アイエフさんとコンパさんなら別に……」
謝るアイエフにイストワールは気にしていないと言う。
「あいちゃんまでー! いーすんの味方するのー? コンパは違うよね?」
「ねぷねぷ、これ見るです」
コンパを味方にしようとするネプテューヌに、コンパはあるビラを見せる。
「え…? 女神……要らない………」
「がっ!?」
ネプテューヌが紙に書いてある文字を読むと、イストワールが衝撃を受ける。
「こういう人達にねぷねぷを分かってもらうには、お仕事をもっと頑張らないとです!」
「うわわっ! これぞ四面楚歌!? 私大ピンチ!?」
いつもと打って変わって凄みのある顔で告げるコンパに、ネプテューヌはたじろいだ。
その言葉にイストワールが続ける。
「ピンチなのはこの国の方です! そもそも女神は、常に国民のために努力しなければならないんです! 女神が大きな力を持っているのは、そのためなんですよ?」
イストワールの説教が始まり、ネプテューヌは退屈そうにしている。
(あ〜あ。お説教やだな〜………どうにかして逃げられないかな~………あ! そうだ!)
ネプテューヌは閃いたとばかりに手を打つ仕草をすると、
「私、女神の心得を教わってくるよ!」
と言い放った。
「…………へ? 教わるって、誰にです?」
「えっと〜、ノワール!」
「「「えぇっ!?」」」
「ラステイションの、ノワール!」
皆が驚く中、ネプテューヌはそう言った。
「なるほど。話は聞かせてもらった」
するとちょうど、部屋の外から男の声が聞こえてきた。
プププランドが誇る仮面の騎士、メタナイトである。
「あっ! メタナイト!」
ネプテューヌはメタナイトを見て声をあげた。
「他の国の女神に会えるまたとない機会でもある。私たちも同行しよう」
「そういえば、まだ他の国のギルドまでパーツ探しのクエストの依頼は出していませんでしたからね」
メタナイトの言葉に続いてイストワールが付け加える。
そう。カービィたちの現状を知っているのは今、プラネテューヌのみである。
各国へ連絡が遅れた理由の一つに、ネプテューヌがサボっていたこともあるのだが、それは置いておく。
「よーし! そうと決まれば早速出発だー!」
こうしてネプテューヌらはラステイションへと発ったのだった。
※※※
軍艦の艦橋のようにも見えるラステイションの教会。その展望デッキに彼女たちはいた。
「ねぇ…………よくわからないんだけど………………」
ラステイションの女神、ブラックハートことノワールが苦笑したような顔で言う。
「どうしてお隣の国の女神がうちの教会で寝てるのかしら!?」
ビーチチェアに寝ているネプテューヌに対して講義をするノワール。
一方のネプテューヌは悪そびれた様子もない。
その隣でカービィもすやすやと眠っている。
「んあ? 構わずにお仕事して〜……私気にしないから〜…………」
「私が気にするわよ!」
「ごめんなさいノワールさん………お姉ちゃ〜ん」
「いいじゃ〜〜ん……………」
ネプギアがネプテューヌを起こそうと体を揺するが、一向に起きる様子はない。
「女神の心得を聞くんじゃ……」
「悪いけどお断りよ。私、敵に塩を送る気なんてないから」
ノワールはネプテューヌと馴れ合う気は無いように、強い言葉で突き放す。
「あ〜、敵は違うでしょ〜? 友好条約結んだんだから、もう仲間で…」
「シェアを奪い合うことに変わりはないんだから、敵よ。それに、さっきからそこにいる変なのの説明も早くして欲しいんだけど」
ノワールは痺れを切らして、カービィたちの説明を求める。
「そうそう! この子達のことも説明しなきゃねー! この子はカービィ!! 可愛いでしょ〜!」
「ぽよ!」
「……えぇ、そりゃ、可愛いのは確かだけど………」
ネプテューヌに掴まれ、ノワールに顔を向けられたカービィは愛くるしい笑顔をノワールに向ける。
ノワールは一瞬怯む。
「ボクはマホロア! ネプテューヌたちニハ、ボクの船、ローアのパーツを集めてもらってイルンダ。ホ〜ント、感謝ダヨォ!!」
「わしはデデデ大王だ!」
「ぼくはワドルディです」
「私はメタナイトという。突然の訪問になって申し訳ない。元の世界でマホロア殿の協力をしていたところ、何故かこのゲイムギョウ界まで転移してしまったのだ」
「そうなのね…。大変だったでしょう。何かできることがあれば、私も手伝わせてちょうだい」
「あれ〜? なんか私と対応違くな〜い?」
ネプテューヌが不満げに言う。
「あなたと彼らじゃ事情が違うでしょ!」
「お姉ちゃん、この書類、終わったよ」
その時、エレベーターの扉が開き、中からノワールの妹、ユニが現れた。
「あ、お疲れ様ユニ、そこに置いといて」
「あ、あのね…」
「?」
一言言ってネプテューヌたちに向き直ろうとするノワールを、ユニが引き止める。
「今回、早かったでしょ? 私、結構頑張って……」
「まあそうね。……………普通レベルにはなったわね」
ノワールは素っ気ない返事をして、ネプテューヌたちに向き直った。
ユニはガッカリし、書類を置いてエレベーターに戻っていった。
そんなユニのことが気になって、ネプギアはユニを追って行く。
「あなたたちも災難ね。転移して着いた場所がネプテューヌのところで」
「えー! それはどういう意味!?」
「自分の胸に聞いてみなさいよ」
二人は口論を始めるが、メタナイトがやんわりと収めた。
「ネプテューヌ殿には住まいの提供やパーツ探しの全面的な協力をしてもらっている。決して悪い扱いは受けていません」
「そう。ならよかったわ」
「ふふーん! 私だってちゃんとやるんだもんねー!」
「どうせ、他のみんなになんとかしてもらってるんでしょ」
「うぐっ……………」
「あはは…………」
図星だと言わんばかりに、反応に苦しむネプテューヌ。
そしてノワールの返答に苦い笑みを浮かべるアイエフ。
そしてなーんにもわかってなさそうなピンク玉が一人。
「………………ほよ?」