女神と虚言の魔術師   作:ポニすけ

3 / 3
第3話 まだ見ぬ敵影!?

 一悶着あった後、ネプテューヌにモンスター退治の依頼をこなしながら女神の心得を教えるという方向で纏まった。

 一同は、プラネテューヌとラステイションの国境付近で発生したモンスターの群れを討伐しに向かっていた。

 

 

「今回のモンスター退治は2ヶ所。ラスーネ高原と近くのトゥルーネ洞窟。どっちも難易度はそう高くないんだけど………」

 

「お姉ちゃん……」

 

「何?」

 

 

 ノワールが話す中、ユニが口を挟む。

 

 

「メタナイトさん以外、誰も聞いてない…………」

 

「えっ!?」

 

 

 振り返れば、歩き疲れて座り込んだコンパを気遣うアイエフとカービィ。看板をみていつものおふざけを全開でかますネプテューヌに突っ込むネプギア。林に食べ物を求めて走り出すデデデを追いかけるワドルディ。そして素で話を聞かずに飛び回るマホロアの姿があった。

 

 

「……………」

 

 

 メタナイトは気まずそうに顔を逸らす。

 

 

「ちょっとぉぉぉ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いぃっ!?」

 

「ペース落ちてる」

 

「も〜、ノワールってば真面目なんだから〜」

 

 

 最後尾についたノワールは、ネプテューヌを木の枝でつついて進ませる。

 

 

「悪い?」

 

「いっつもそれだと、疲れちゃわない?」

 

「疲れることぐらいなんてことないわ。私は、もっともっといい国を作りたいの」

 

「そりゃあ、私もいい国作りたいけど〜、楽しい方がいいな〜」

 

「あなたは楽しみすぎなの!」

 

「ガハハハ! わしも楽しいのは良い事だと思うぞ!」

 

「そんなこと言ったらネプテューヌは増長するからやめて!」

 

 

 そこまで言ったところで、前方から声が聞こえてきた。

 声を聞いたノワールは前に出る。

 ノワールは、手を振る村人たちに、手を振り返す。

 

 

「あっ、いけない!」

 

 

 我に返ったようにハッとすると、ノワールは変身を始めた。

 

 

「アクセス!」

 

「えぇーっ! 変身今やっちゃうー!?」

 

 

 ノワールは光に包まれ、レオタードのような衣装と白い髪の、ブラックハートへと姿を変えた。

 

 

「ほう、これが女神化か……………。戦闘形態のようなものと見ていいのだろうか………」

 

「綺麗な姿ですね〜」

 

「その姿の種族で変身デキルのは珍しいんダヨネー…」

 

 

 ブラックハートを見たプププランドの者たちは、皆一様に物珍しさから見とれていた。

 マホロアは宇宙を旅して回っていたこともあり、別の観点から反応があったようだ。

 

 

「女神の心得その2、国民には威厳を感じさせることよ。…皆さーん! モンスターについて聞かせてくれるかしら?」

 

 

 ブラックハートは村人たちへ向かって飛んでいく。

 ネプテューヌはブラックハートに対して一言。

 

 

「目の前で変身しても威厳とかなくね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モンスターがいるラスーネ高原に案内された一同。

 その広大な草原にはスライムのようだが犬っぽい顔をしたモンスター、「スライヌ」で溢れていた。

 

 

「ここがラスーネ高原ね」

 

「ええ、スライヌが大量発生して困っているのですわ」

 

 

 ブラックハートの言葉に、村人は付け加えて言う。

 

 

「わかりました。お隣の国のネプテューヌさんとネプギアさんが対処してくれるそうです」

 

「ねぷっ!? いきなり振る!?」

 

「私たちがやるんですか?」

 

「心得その3。活躍をアピールすべし」

 

 

 驚くネプテューヌとネプギアにブラックハートがそう呟く。

 

 

「広報用に撮影しといてあげるね」

 

 

 ユニがネプギアのNギア(小型パソコン)を引き抜く。

 

 

「めんどくさいな〜…。ま、スライヌくらいひのきの棒でも倒せるからねー!」

 

 

 そう言ってネプテューヌは、屈伸、背伸び、前に2回転、そして宙返りをして前に出ると、太刀をコールし、鞘から抜いた。鞘を投げ捨てると、

 

 

「ネプギア!」

 

「うん! お姉ちゃん!」

 

 

 ネプギアを呼び、ネプギアもビームソードをコールし、2人は並ぶ。

 2人は駆け出すと、それぞれ別のスライヌを切りつけて倒した。

 

 

「さすがネプギア! 我が妹よ!!」

 

 ネプテューヌはピースサインを決めてネプギアを褒める。

 しかしスライヌの数はまだまだ多い。

 2人は気を引き締め直し、剣を構えると、再び切りかかる。

 

 

「ちぇすとーーーーーっ!!」

 

「本気で行きます!!」

 

 

 写真を撮影していたユニは、その姿に顔を綻ばせると、ブラックハートを見た。

 しかし険しい表情のブラックハートを見たユニは若干不満げだ。

 ネプテューヌたちが戦っているのをみたアイエフは、

 

 

「数が多すぎるわね……………」

 

「私達も手伝うです! あいちゃん!」

 

「そうね!」

 

 そういうとアイエフとコンパは2人の元へ駆け出した。

 それを見たブラックハートは不意に声を漏らした。

 

 

「よーし! わしらも加勢するとしようか!」

 

「はい! 大王様!」

 

「ぽよ!」

 

「それが良いようだな」

 

 

 続いてカービィ達もネプテューヌ達の元へ駆け出す。

 彼女たちはそれぞれスライヌを危なげなく倒していく。

 

 

「まさに百人力! 勝ったもどうぜ………………」

 

 

 その時、草原を埋め尽くさんばかりの圧倒的なまでの数のスライヌが現れた。一同もさすがにこれには驚いた。ユニが助力を申し出るが、

 

 

「ダメよ。ここはあの子たちでやることに意味があるの」

 

 

 ブラックハートにそう言われる。

 ユニは心配そうにネプテューヌたちを見る。

 するとカービィが前に飛び出し、口を大きく開けた。

 

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

 

 カービィは多くのスライヌをその口の中に収めていく。

 ある程度吸い込んだところで、カービィはスライヌを飲みこんだ。

 

 

 

 スカ。

 

 

「……………………むぅ」

 

 

「うぇっ!? カービィ!? そんなの食べてもお腹壊すだけよ!」

 

 

 アイエフにそう言われた当のカービィは、能力を得られなかったことを残念そうにしていた。

 そしてスライヌの大群に襲われたネプテューヌたちは、

 

 

「ひゃあっ! 変なとこ触るな!」

 

「気持ち悪いですぅ~……ひゃん!」

 

「そんな所………入ってきちゃダメぇ~!」

 

「あははは! くすぐったい! 笑い死ぬ! 助けてぇ!!」

 

 

 スライヌに群がられるネプテューヌたち。

 あらぬところに潜り込まれるネプギアやコンパ。

 何故かネプテューヌだけはくすぐられるだけだが、その数で次第に動きが取れなくなってきた。

 

 

「これはっ……ぼくたちだけじゃ……数が多すぎて……!」

 

 

 激しく動いて息を切らすワドルディ。

 

 

「ワドルディ! お前は下がってろ! わしが全部やっつけてやる!」

 

「ぽよ!」

 

「………それは難しいかもしれんな…」

 

 

 カービィたちの方は4人ともなんとか戦闘を続けられている状況だ。

 しかしあまりにも数が多すぎる。いくらプププランドの猛者が集まっているとはいえ、これほど数が多くては…………

 

 

「でやああっ!」

 

 

 その時、アイエフの何かがキレた! 

 

 

「お前らの魂、冥界へ送り返してやるよ!」

 

「うおぉ!? あの娘どうしたんだ!?」

 

「アイエフ殿!?」

 

「おらおらおらおらおらおら!!」

 

 

 限界を超えたアイエフは、次々とスライヌを葬っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして…

 スライヌに弄ばれていたネプテューヌたちはぐったりと倒れこんでいた。

 カービィたちはそのようなことはされなかったが、酷く疲れている。

 

 

「うあ〜……しばらくゼリーとか肉まんとか見たくない〜………」

 

 

 そういうネプテューヌにブラックハートが詰め寄る。

 

 

「どうして女神化しないの! 変身すればスライヌくらい…………」

 

「まぁほら……なんとかなったし〜………」

 

「他の人になんとかしてもらったんでしょ! そんなんだからシェアが………………」

 

 

 そこまで言うとブラックハートは口を噤む。

 

 

「……せいぜい休んどきなさい! あとは私一人でやるから」

 

 

 ブラックハートは村人たちへ向き直り、声をかけた。

 

 

「トゥルーネ洞窟へ案内して!」

 

「は、はい」

 

「あ、あたしも……!」

 

 

 それを聞いたユニが進言するが、

 

 

「大丈夫よ。ユニはネプギアたちを介抱してあげて」

 

「短期だな〜ノワールは〜……。あ、ユニちゃん! 写真撮れた〜?」

 

 

 うなだれていたユニはそう言われてNギアをネプテューヌに手渡す。

 

 

「おお〜! かっわい〜〜! 私のメアドにも送っちゃえっと〜!」

 

 

 画面をタッチして写真を送信する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ところ変わってトゥルーネ洞窟。

 ブラックハートは雑魚モンスターを次々と倒していた。

 女神の力の前では、その辺の雑魚モンスターなど物の数ではない。

 

 

「…………打ち止めね」

 

 

 そう言った時、背後から唸り声が聞こえてきた。

 

 

「新種!?」

 

 

 現れたモンスターの姿は、丸みを帯びた手足のない怪獣、と言うべきだろう。

 全体的に青色をした体とオレンジ色の模様が特徴のモンスター。

 その名をウォーターガルボロスという。

 何故ポップスターの生物がゲイムギョウ界に現れているのか。当然ブラックハートには知る由もない事だが、異次元に飲み込まれたのはローアに関係するものだけではなかったのだった。

 偶然スフィアの近くにいた彼らは、転移に巻き込まれていたのだった。

 突如現れたウォーターガルボロスは、咆哮をあげると、ブラックハートに突撃する。

 

 

「どんなモンスターか知らないけど、そんな動きじゃ私には追いつけないわよ!」

 

 

 そう言うと同時、ウォーターガルボロスは口から水を吹き出したが、ブラックハートは驚きはしたものの、なんなくこれをかわす。

 しかし背後に現れた新たなモンスターによって、油断していたブラックハートは地面へ叩きつけられる。

 

 

「がはっ!! また新種!?」

 

 

 ブラックハートを襲ったのは、格闘家のような風貌をした、ナックルジョーだ。

 不意を突かれたが、女神の力を持ってすれば、倒せない相手ではない。

 そう思い、立ち上がろうとするブラックハートだが、突然、体から力が抜け落ちるような感覚が体を駆け巡る。

 その脱力感とともに、ノワールの変身は解けてしまった。

 ウォーターガルボロスとナックルジョーは倒れたままのノワールににじり寄ってくる。

 何故か力が入らない状況に、ノワールは恐怖する。

 ウォーターガルボロスは口内に水を溜める。そして水が発射されようとした時、

 

 

「でぇぇぇぇぇぇい!!」

 

 

 しかしウォーターガルボロスに飛び蹴りをかまして現れたネプテューヌが、水をあらぬ方向に飛ばした。

 ウォーターガルボロスは軽く浮き上がり、そのまま着地を決める。

 

 

「やっほーーい!」

 

「あ、あなた……」

 

「あれ? なんで変身戻ってんの?」

 

「わかんないけど、突然…………! ネプテューヌ!!」

 

 

 突撃してくるウォーターガルボロスを見たノワールが声をあげる。

 ウォーターガルボロスに向き合ったネプテューヌは、持っていた太刀で突進を受け止める。

 

 

「ノワール! 変身ってのはさ、こういう時に使うんだよ!」

 

 

 ネプテューヌがウォーターガルボロスを押し返し、変身する。

 

 

「刮目せよ!」

 

 

 そう言うとネプテューヌは光に包まれ、パープルハートの姿へと変わった。

 

 

「女神の力、見せてあげるわ!」

 

 

 剣を構えたパープルハートだが、

 

 

「ネプテューヌ! 油断するんじゃないぞ!」

 

 

 後方から飛んできたハンマーが、背後にいたナックルジョーを吹き飛ばした。

 見れば、そのハンマーは木製で、星型のトレードマークが入っていた。

 

 

「さっさとそいつをやってしまえ!」

 

 

 ハンマーの持ち主であるデデデが駆けつけてきていたのだ。

 ハンマーを受けたナックルジョーは、ゲイムギョウ界のモンスターの消え方とは違い、星と僅かな煙を出して弾けた(ゲームと同様)。

 

 

「助かったわ…………こっちは私に任せて!」

 

 

 それを見たパープルハートは微笑み、ウォーターガルボロスを相手取る。

 パープルハートは出現させた魔法陣を蹴り、ウォーターガルボロスへ飛びかかる。

 

 

「クロスコンビネーション!!」

 

 

 三連撃を受けたウォーターガルボロスはナックルジョー同様に、僅かに爆発しながら星を散らして消滅した。

 それを見たデデデと、追いかけてきたカービィとワドルディは安堵の表情を浮かべる。

 ノワールも微笑むが、我に返ると、

 

 

「た、助けてもらわなくたって、一人でできたわよ」

 

「でしょうね」

 

 

 そっぽを向くノワールの傍にパープルハートは降り立つ。

 

 

「でも、助け合うのが仲間だわ」

 

「別に、仲間だなんて………」

 

「どうして今日はこの辺りを選んだの?」

 

「それは! 早く帰って欲しくて……」

 

「私が活躍すれば、噂は国境越しにプラネテューヌに伝わる。そうなれば、私はシェアを回復できる。…………ありがとう、ノワール」

 

「……………………」

 

 

 言葉につまるノワール。

 

 

「そんな理由があったんですね…」

 

「でも〜、やられそうになってた女神のことも、バッチリ報告しなきゃね!」

 

「ええ!? それは黙ってて!」

 

 

 出口へと駆け出すネプテューヌを追いかけるノワール。

 

 

「あはは……仲が良いんですね…………」

 

「これを見てどうしてそう思うのよーー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 討伐完了の報告を聞いた村人たちは喜んだ。

 しかしネプテューヌとノワールが合体技で倒したことになっているのを知ったネプテューヌは。

 

 

「なんか、話作られちゃってね?」

 

 

 揶揄うつもりだったネプテューヌは拍子抜けしたように脱力する。

 

 

「しかしなんであいつらがこんなところにいたんだ?」

 

「あなたあのモンスターのこと知ってるの!?」

 

 

 ノワールが食いつく。

 

 

「知ってるも何も、わしらがいたポップスターにいたやつだからな」

 

「ふむ、やはりエナジースフィアが関係しているとしか考えられんな」

 

 

 メタナイトがそう締めくくる。

 するとノワールが何かを思い出したように話し始める。

 

 

「そういえば、船のパーツを探してたんだったわよね。もしかしてだけど………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※※※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あったーー! 左ウイングダヨー!」

 

 

 マホロアが歓喜のあまり飛び回る。

 ここはラステイション国営の研究施設。

 ラステイションに突如現れたこのパーツを研究していたのだが、ラステイションの科学力をもってしても、このパーツについてわかったことは少ない。

 その上持ち主がいるとなれば、研究も打ち止めせざるを得なかった。

 

 

「この一瞬でネプ子より貢献しちゃったわね」

 

「ぐぬぬ…………」

 

 

 悔しそうに歯噛みするネプテューヌ。しかし因果応報。慈悲はない。

 カービィたちはパーツをみ見つけたことに喜んだ。

 その後、ノワールを通してエナジースフィアの捜索を依頼し、一行はプラネテューヌへ帰っていった。

 ちなみにプラネテューヌのシェアは無事回復していたが、その理由がネプテューヌが送信したスライヌに弄ばれるネプギアの写真の影響であったことは別の話である。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。