「着いたよ……!」
「ありがとな。あんたは下にいてくれ。射程に入ったらほぼ死ぬからそこんとこ宜しく。」
俺は刑事さんの車から降りて病院の中に入っていく。
病院内は全員がとても落ち着いている状況だった。
……なるほど、情報規制か。普通なら権利の問題になってくるけど、今回は認識災害、情報統制はいいアイデアだ。
単純に知られたくない、と言うこともありそうだけど。
「あ、葉秋さん!」
「葉秋くん、大丈夫だったかい!?」
「大丈夫だ、百、八百万の親父。そうだ、八百万の親父。」
「な、なんだね……。と言うよりも親父ではなくパパとでも呼んでもいいんだぞ……?」
「そんな恥ずかしいことを口に出せるか……。もし、引き取り手のいない子供がきたら、身元保証人になってもらえるか?」
「うーん……まぁ、いいけど。一人育てるのも二人、三人育てるのも大差ないからね。」
「分かった……。少し、用が出来たから行ってくる。」
「そうだ、病室には行けないから注意してねー。」
かすり傷をおっていた百を引き取りにきた百の親父から言質をとった後、警官が立っているエスカレーターの近くにある吹き抜けの下にいく。
さて……エレベーターやらエスカレーターを使うことは難しいっぽいから、邪道で行きますか。
「よっと!」
「「「「えっ!?」」」」
柱を蹴って跳躍、ガラスを伝って上に上り、それを見ていた看護師やら警官らが驚愕を露にする。
まぁ、一応四歳のガキがヒーローでもないのにこんな事が出来ているから当然と言えば当然か。
「ほい、よっと。」
上層から僅かに漏れでる血の臭いから場所を割り出した後、その階で降りる。
「うーん、これは……。」
手で鼻と口を覆いながら足の踏み場を選びながら歩いていく。
噎せかえるような血の臭いと多くの警官の死体が床に転がっていた。眼を抉り出した者、拳銃を口に突っ込んで撃った者、死因は様々だがイカれてるとしか言えない死に様だ。
「あ……お兄ちゃん……。」
「おう、来たぜ。」
「良かったよおおおおお!うわあああああああああん!」
「おい、いきなりどうしたんだ!?」
その地獄絵図の中心に立っていた『認識の鳥』は俺に飛びかかり、人の胸で涙を流している。
こりゃあ……、かなり懐かれたものだ。あの
「取りあえず、心を落ち着けて……。」
「うん……!」
落ち着いたのか、少しずつ文字の羅列が少なくなっていき、その影響か赤い羽や髪が少しずつ白くなっていっていき、疲れたのかそのまま寝てしまった。
どうやら、『認識の鳥』の個性が発動条件である『不安』が解消されると白くなっていくのか。
「あ、そうだ。」
俺は警官が持っていた無線機を剥ぎ取って周波数を合わせる。
あの刑事さんに一応伝えておこっと。
「刑事さん、一応収まりました。」
『本当かい!?君の仮説は正しかったのか……!』
「まぁ、閉じ込めていた階の人たちはほぼ全員死んでしまいましたが。」
『そうか……。それと、警察上層部から連絡が着たんだけどさ。』
「内容は?」
『君の家がその子の身元を預かっていて貰うことになった。今から君の両親に話にいく。』
「そうか……それと、応援の人呼んでくんね?俺、もう疲れたから眠りたい……。」
『そ、そうか……分かった、迎えを呼んでおくよ。』
「じゃ、切るね。」
俺は無線機を置き、『認識の鳥』を病室のベッドに寝かせた後、俺は精神的な疲れからすぐにそのベッドにうつ伏せに倒れてしまった。
取りあえず、今日は寝よう……。