時間がたつのは案外早い。
あっという間に雄英の試験日になってしまった。
「いやー!この日が遂に来たね!」
「あぁ。にしても、ここのヒーロー科に行く人多くない?」
「そりゃあ、あのナンバーワンヒーロー『オールマイト』の母校だし、国内最高峰のヒーロー科となれば 人は多くなるさ!」
茶色い毛並みに猫っぽい顔をした弾は心底楽しそうにしている。
俺としては、緋鳥たちが何か問題を起こしていないかのほうが心配なんだけどな。……まぁ、『小さな魔女』や『おお、こわいこわい』、『校外学習』とかのマジでヤバい奴等が他校を受けて助かった。あいつらと一緒にいれば何時被害者がでるか分かったもんじゃない。
因みに、この学校を受けるのは俺、、緋鳥、丸猫、リリス、クミホ、ワンダー、ラット、サイボが受けることになっている。ヒーロー科は丸猫と俺しかいないけど。
そういえば、財団中学に入らなかったSCPシリーズはどうしているんだろう。人間に敵意がある奴等の大半がまだ見つかっていないしな。
「なぁ、どこがヒーロー科の試験会場か知らない?」
「……俺たちもヒーロー科を受けるつもりだ。」
「僕もだよ!」
「ならさ、一緒に行こうぜ!」
「構わない。」
「いいよ。」
どこかノリが軽そうな金髪のチャラ男と一緒に試験会場に向かう。
こいつ……頭がアホそうだけど、試験合格できるのかな……?
「そう言えば、あんたらの名前は?俺は上鳴 電気。」
「丸猫 弾。」
「藤多 葉秋だ。」
「なら、試験受かるように頑張ろうぜ!」
「「分かってるよ。」」
全く、こいつは何を言っているのか。
ヒーローになるためには試験を受からないといけないんだよ。
そんぐらい察しろよ。
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第一印象は『異質』だと思った。
片方は人の良さそうな笑みを浮かべる茶色っぽい毛並みの猫の異形系、もう片方はオレを警戒している感じのトカゲの異形系。
二つとも、よく町とかで見かけるような個性だ。けど、その存在がヤバいと感じてしまった。
なんつーか、人の形をとっているだけの人ではない存在つー感じがして……正直に言って、『恐い』と思っちまった。
話してみると意外と気さくな弾という男と、無言だけど頭の良い葉秋と直ぐに仲良くなれた。
「……そういえば、さっきから何を恐れているんだ?」
「えっ!?いやいや、恐れてないって!」
ヤバッ、気づかれた!?
「顔に出てる。……まぁ、恐れても仕方ないか。俺らの個性は正直に言えば反則の類いだ。……簡単に言えば、『災害』に等しいと言える。」
まるで、その反応が当たり前かのように葉秋は話す。
弾は……トイレに行ってしまった。えっ、話を逸らすこともできないじゃんか!
「てか、『災害』って……言い過ぎじゃね?」
「事実だ。……あまり話したくないが、まぁ良いだろう。」
「えっ、何々?」
「俺の個性さ。」
お前、まさか自分の手の内をさらすのか?
オレでも分かるバカなのか……手の内を知られたところで問題ないのか。
「俺の個性は『クソトカゲ』という個性だ。」
「ブフォ!?」
あまりにも酷すぎる個性名の余りつい吹いてしまう。
く、クソトカゲって……!まさかの罵倒表現かよ……!
「……能力は、不死身。体の八割が消しとんでも死なないし、数回攻撃を受ければ耐性がついて攻撃は受け付けなくなる。生半可な攻撃はそもそもダメージに入らない。」
「は、はぁ!?」
あまりにも反則過ぎる個性の内容に絶句してしまう。
た、確かに不死身だ……!こんな反則染みた個性なんて知らねぇ!?
「俺らの中学のやつらは危険性、異常性のベクトルが全く違うけど、凶悪だ。」
「……!」
「お前の感性は間違ってない。普通なら気づかない『恐怖』を感じた。誇ってもいい。さあ、さっさと行こうぜ。」
葉秋はさっさと試験会場の中に入ってしまい、オレもそのあとを着いていく。
褒めているのか、貶しているのか……分からない奴だな。