そして、あの日から数日がたった。
「……来たか。」
「まあな。」
俺は弾を家に入れ、俺の部屋に案内する。
部屋の中には雄英を受けた財団中学のメンバーがそれぞれ集まっていた。
昨日、ワンダーが『みんな合格したかちゃんと理解しておきたい』と言ったのが始まりで、あれよこれよと決めていった結果、俺の部屋に全員集合しておくことになったのだ。
「な、なんなんですの、これは……。」
「あ、百。」
「葉秋さん、この人たちは……?」
「俺の中学の友達。みんな雄英を受けたメンバーだよ。あぁ、普通科や商業科に行った奴のほうが多いぞ。」
「そ、そうでしたか。」
「なぁ、葉秋。この人誰だ?うちの中学の人では無いし……なんつーか、俺たちとは全く違う奴だと思うけど。」
「察しがいいな。この人は俺が引き取られた八百万家の八百万 百だ。個性は『創造』、俺たちとは違って危険性のない個性だ。」
「へぇ……あ、俺は弾。雄英のヒーロー科を受けたんだ。」
「雄英の!?と言うことは私と同じクラスとなることもあるかもしれませんね。」
「ん……?あぁ、推薦組か。」
「取り敢えず、部屋で開くか。」
花を咲かせているところ悪いけど、他の奴等が今か今かと待っているんだ。さっさと開いたほうが精神衛生上いい。
「分かった分かった。じゃあ……みんなー!開けるぞ!」
「「「「「「イエーイ!!」」」」」」
それぞれが持参してきた紙を開けると根津校長かオールマイトのホログラムが出てきた。
『おめでとう藤多 葉秋少年!合格だ!』
「いよっしああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
オールマイトが俺の合格を宣言した瞬間、柄にもなく大声を出してしまった。
オールマイトが言うには、ロボット破壊ともう一つ、人助けのポイントで合格したらしい。
他の奴等はどうなっているんだ?
「よっしゃあ!合格だ!」
「私もですね。」
「私も、普通科に合格しましたわ。」
「わ、わたしも。」
「俺もサポート科に行けるぜ!」
「私モサポート科ニ行ケルヨウデス。」
「あ、僕も普通科に行けるよ。」
どうやら、全員雄英に行けるらしい。
国内最高峰の高校にこれ程合格者がでればうちの中学は万々歳だろう。
「おめでとうございます、皆さん!」
「さて、それじゃあめでたい事だし……宴会でもしようぜ!」
あ、ワンダーの馬鹿野郎!?この能天気が!?そう言うこと言うと
「私も参加しますわ。」
「私も参加しよう。」
「わ、わたしも。……ここ、私の家だし。」
「俺も!」
「僕も!」
「私モ。」
こうなるんですねこんちくしょう!!
「あ、それではお父様に伝えておきますね。」
しかも、百までノリノリだし!?
分かったよ、付き合ってやるよ!
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「……どうかしました、オールマイト。」
「や、やあ相澤君。……少し、気がかりな点があってね。」
「……気がかりな点?」
夜、私と相澤君は廊下で缶を片手に少し話をしていた。
……今回、入学してくるところに奇妙なところがあってね。
「財団中学、ていう公立の中学は知っているかい?」
「確か、今回かなりの人数が入った中学ですね。……そこがどうかしましたか?」
「いや、彼らの個性について調べたのだけどね……。隠蔽されていたんだ。」
「……隠蔽?」
財団中学の人たちは何故か個性その物が隠蔽されていた。……少し、ニュアンスが違うかもしれないけど。
「そう、少年少女らの個性はパッと見たときは気がつかないほど巧妙に隠蔽されていた。まるで、知ってはいけない情報があるかのように。」
「確かに、普通の公立中学なら隠蔽なんてする必要は無いですね。」
――――彼らの知らないことだが。他校に行った生徒の中にデータそのものにアクセスするSCPの特性を保有した青年がいた。彼と葉秋が協力して行政に保管されている他のSCPシリーズの個性をオブラートに包んだのだ。……あまりにも危険過ぎる個性のため。
「彼らに問いただしてみますか?」
「いや、それは良いだろう。」
「……何故ですか?」
「……おおよその検討はついている。彼らの個性の正体を知っているのは……葉秋少年だ。」
彼は自分の個性を『SCP』という言葉で表していた。そして、その中には知るだけで危険なSCPも存在するらしい。
藪から蛇が出てきたら……それが大蛇だった、なんてことは起きてはいけないからね。
「そういえば、その藤多とは知り合いでしたね。どのような人だったんですか?」
「……一言で言えば、『冷静』、かな?私が彼と出会ったのは彼がまだ四歳だった頃だ。その頃から彼は大人顔負けの冷静さだった。」
「……確かに、そういった人は自分の個性をもみ消す、なんてことをすることは予想できるな。」
「取り敢えず、君には葉秋少年を頼むよ。」
「……分かってます、オールマイト。」
さて、休憩もすんだし、仕事に取りかかろう。
原作キャラの口調ってこんな感じかな……?