正直に言えば、俺はあいつを……葉秋を見くびっていた。
ロボ・インフェルノの頭が完全に潰されていたことからオールマイトに匹敵するほどの身体能力を保有しているが実戦経験は無く、武術を学んだ様子は無かった。だから油断はしなかったが、見くびっていた。
その予想は―――――
「かっ……はっ……!?」
大きく外れた。
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えっ、弱っ!?
俺は自分が掌打で吹き飛ばした相澤先生をみて唖然とする。
やったことは単純。
試合開始してリミッターを二つほど外して音を越えた速度……
そしたらあまりの速度に驚く暇も与えずに先生は受け身も取れずに吹っ飛んでいったのだ。
いやー……個性の相性の問題とかがあるとは言え……ここまであっさりとやられるものなのかな?
「えっ!?えっ!?な、何が起きたの!?」
「み、見えなかった……!」
「クソが!」
「あれだけの速度……何かの個性……?」
「……すげぇ……。」
あまりにもあっさりとついた決着に他のクラスメイトたちが我に帰り、驚きの声をあげる。
因みに今回の服は破れてない。これは、実家がヒーロースーツの製造業の社長であるサイボが万が一にと造ってくれたサポートアイテムの一種『運動着(仮)』。見た目は普通の雄英の運動着だが、光速にすら耐える強度、柔軟性を持っている。
さすがサイボ、造ってくれる物は滅茶苦茶性能がいい。……知られたらヤバいけど。
それに……光の速さに入った結果もあるのだがな……。
「えっ……?皆さん、葉秋さんの方を見てください!」
「なんやろ……えええええええええええええ!?」
「けろっ!?」
「なっ……!?」
「えっ!?」
「おい葉秋、その傷は何なんだ!?」
俺の姿を良く見た百は悲鳴を堪えて指を指し、俺の姿に絶句したり悲鳴をあげたりしている。
今の俺の状態は身体中から骨が飛び出し、片眼の眼球は落ちかけ、体の至るところから夥しい量の血が流れ、走ってきた道には血の後がくっきりと残っていた。
そりゃあ光速で動いたんだ。いくらクソトカゲの身体でもその動きは無理がある。
「葉秋くん大丈夫なの!?」
「あぁ、問題ないぜ、葉隠。……直ぐ治る。」
慌ててこっちに近づいてくる葉隠を静止させる。
するとバキッボキッという音と共に飛び出した骨は中に収まり、片眼の眼球は頭の中から引っ張られるように元の位置に戻り、出血箇所は無くなっていった。
数秒したら俺の身体は元の状態に戻ってしまった。
例え光の速さに入って身体が壊れても……再生能力のお陰で直ぐに治る。デメリットと言うほどではない。強いていうなら……治るとき滅茶苦茶痛いのと見ている側からエグい位にグロテスクなことぐらいがデメリットかな。
「葉秋さん……昔からの幼なじみですが、貴方の個性については異形系であることしか分かりません。ここは、言ってみたらどうでしょうか。」
「……まぁ、いっか。隠すことでもないし。俺の個性は『クソトカゲ』。体の八割が消し飛んでも生きていられる程の生命力。それを数秒、あるいは数十秒もあれば回復するほどの回復・再生能力。パワー、スピードの発動系の個性に匹敵する程の身体能力に普通の人よりも遥かに速い反射神経……。医者に言われた通りに言うならば……異形系最強クラスの個性、と言えるだろう。」
「「「「「……………………………………」」」」」
俺の個性の全容を聞いたクラスメイトは再び唖然としていた。
……ここに武器をどこからか出したり、死んだら一定時間後復活する『アベル』まで言ったらさらに凄いことになりそうだから言わないでおこう。
「それよりも、先生は大丈夫なのか?」
「あぁ……体の骨が結構折れてはいるが……生きてはいる。」
そこに全身ボロボロの相澤先生を筋肉質な奴とThe・普通の奴が腕を肩に乗せて戻ってきた。
うっへー……痛そー……。
「取り敢えず……葉隠の除籍の話は無しだ。だが、何時でも俺は除籍にする事ができる覚悟しておけ。」
「は、はい!」
「そして……他のやつらも今回は免れたとは言え、除籍させれる。真剣に取り組むように……。」
「「「「「は、はいっ!」」」」」
「今日の授業はこれで、終わりにする……。」
先生はそのまま二人に連れていかれた。……まぁ、行き先は保健室だろうな。
ま、俺は教室に戻るか。
「あ、葉秋くん!」
「なんだ?葉隠。」
いざ俺が教室に戻ろうとしたら葉隠が話しかけてきた。
何か用でもあるのか?
「あの……さっきは私の除籍を無しにしてくれてありがとう。」
「……俺は誰一人ととして欠けさせたく無かっただけだ。気にすることはない。」
「でも……それでも、感謝しないと……!」
顔は見えないけど、どこか必死そうにしている葉隠は嬉し涙を流していた。
まぁ、除籍が回避できてそれは嬉しいだろうよ。
「ま、この話はここでお仕舞いだ。」
「えっ?あ、うん!それじゃあ!」
そのまま葉隠は教室の方に走っていった。
さて、時間が結構食われたけど、戻りますか。
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「あのトカゲ野郎羨ましいいいいいいいい!」
「止めとけ峰田。あいつはヤバい!」