「今日があれの授業だね、葉秋くん!」
「あぁ。葉隠。」
俺は葉隠と話ながら体を動かして今日の調子を確かめる。
あれから数日後……遂に、ヒーロー科がヒーロー科足らしめるヒーロー基礎学が始まるのだ。あの日からなにかとちょっかいを出してくる葉隠もどこかわくわくしているようだ。
「私が普通にドアから来たぁ!」
あ、オールマイトが入ってきた。
本当にすげぇ速度で来たな(俺ほどではないけど)。
………あれ?
(何かおかしいな……。)
四歳の頃に会った事があるから分かるけど……オールマイト、どこか体調が悪いのか?呼吸をしにくそうにしてるけど。
「今日はこれ!戦闘訓練!!『個性届け』と『要望』沿ってあつらえた
「はーい。」
コスチュームが入ったロッカーからそれぞれコスチュームを取っていく。
俺は要望なしで書いたけど……どんなものが来るのだろうか。最悪、直ぐにクーリングオフしよう。
「ねぇねぇ、葉秋くんはどんなコスチュームにしたの?」
「……要望を出していない。まぁ、動きやすい服ではあるとは思うが……最悪でも動きの阻害だけは止めてもらいたいな。」
「確かに葉秋くんの速度についてこれるのって替えの体操服だけじゃない?」
「…………まぁ、そうだな。」
構ってくる葉隠と一緒に俺らは更衣室に向かうのだった。
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「………………………。」
「あ、葉秋くん!って、その服は何!?」
「……なぜ、こうなった。」
俺が着てきた服を見て葉隠は驚く。
下は黒の長ズボン。上は裸に黒のマフラーを着せるという大胆な服装。下は隠せている分まだいいけどさ、マフラーをしているせいで上半身裸なのが強調されている。
……クーリングオフしよう。今回の戦闘で破けたりしたら即刻送り返してやる。
そのあと、オールマイトの話が始まる。
何でも、ペアで別れて『ヒーロー組』と『ヴィラン組』と別れるらしい。
「ですが先生!このクラスの生徒は21人、一人多いですがそれはどうしますか!?」
「そこは1対2でやってもらうさ!そして、相手は二回やってもらう事になるけどそれは実戦にもつうじることはある!それでは、抽選を始めていこう!」
ペアと対戦相手はクジで決めるらしいけど……さて、俺は誰と組むのだろうか。
「チーム『K』藤多 葉秋少年!『ヴィラン組』!対戦相手はチーム『C』峰田 実アンド八百万 百!」
「よろしくお願いいたしますわ、葉秋さん。」
「オメーみたいなリア充には負けないからな!」
「よろしく頼む。……けど、峰田。俺はリア充ではない。」
「ムッキー!言わせておけば!」
そんなこんなで練習は消化していく。
……峰田。一応居候の身として言っておく……。八百万の胸をガン見してんじゃねぇよ。確かに露出度が凄いけどさ。