「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
「くっ……!」
音速の速度で走り抜ける俺を捉えきれない黒霧は辺りの地面を消失させるが頬を切り裂かれる。
既に気味の悪い生物は真っ二つになって横たわっている。どうやら、俺がリミッターを解除して音速で動くことを全く把握していなかったらしい。
おおよそ、高いところまで飛行しながら地面を消失させて足場を奪い、攻撃を仕掛けるつもりだったようだが……宛が外れたな、『人喰い闇』!
「やはり、凄まじい……!」
「『覇源』――――『鼓動』!」
「ですが……!」
音速で捻った体から放たれた衝撃波を黒い靄に吸収される。
まずっ――――!
「こうやって攻撃することもできます!」
「ちっ!」
空中の靄から出された衝撃波を当たるギリギリのところで横に転がって回避する。
……衝撃波をワープさせたのか。今までの足場を奪って機動力を削ぐ作戦から攻撃からのカウンターに変えたのか。
ワープの個性……成る程、使い勝手がとても良いな。
「ふう……。」
「すぅ……。」
俺と黒霧は真正面で向かい合いながら拮抗する。
本来なら、このまま突っ込んでもいいんだが……相手のワープがまだ耐性がついていない。転送されてどこか分からない場所に飛ばされる可能性があるから今の状態で迂闊に突っ込むのは愚策だ。
「きぃええええええええええええええええええええ!」
「なっ!?『覇源』――『円天』!」
突然、動き出した異形の生物に動揺しながらも脚を主軸に回転して回し蹴りを頭に打ち込む。
まさか、真っ二つになっても再生するほどの個性か……!
「これで、止めです!!」
「しまっ……!」
俺が回転蹴りをした直後に黒霧が靄を伸ばし、俺を覆う。
まさか、これが目的だったのか……!けど、宛が外れたようだな……!俺には『人喰い闇』に対する耐性……まずい!
「『覇源』―――『千爪』!」
俺はリミッターを更に解除して黒い靄を切り刻むと、爪が全て消失し、夥しい量の血が指や手から吹き出していた。
やっぱり……!俺が十数年前に当てた時よりも濃度が濃い……!となると、『人喰い闇』に対する耐性が……薄かったというのか!?
「まさか、見切られるとは……!」
「濃度を濃くしてダメージを与えたのかよ……!もし、致命傷になりうる部分に当たっていたら確実に死んでいた。」
伸ばした手を引っ込めながら驚愕する黒霧をよそに、俺は一気に突っ込む。
相手が怯んでいるいまなら……!
ドオォォォォォォォォォン!!
「うわっ!?」
「なっ……!?」
突然起きた衝撃で足場が揺れ、体勢を崩してしまう。
くっ……!今度は何だ!?
「まさか……脳無が……!不味い!」
「ちっ、逃げんな!!」
明らかに動揺しつつ、ワープして逃げようとしていたところにナイフを投げつけるが、逃げられてしまった。
ちっ……!だが、今は他の奴らと合流するのが先決だな。……一度、降りてみよう。