「くっ……。」
俺は目を開けて起き上がる。
ちっ……完全に気絶してしまった……。けど、葉隠やスナイプ先生が来ていたからここは恐らく保健室か。
「よかったあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「っ……!葉隠か……!無事だったか……」
泣きじゃくりながら飛び付いてくる葉隠を避けれずに抱きつかれる。
……この様子なら特にダメージが入っている様子は無さそうだ。
「お兄ちゃん……大丈夫だった?」
「緋鳥……あぁ、問題ない。体の方の傷も完全に癒えきった」
「ならいい」
扉の前で佇んでいた緋鳥は俺の様子を見て扉を開けてどこか行く。
……あいつ、何だ?この歳になって反抗期か?
「緋鳥ちゃん、葉秋君が起きるまでずっと泣きそうな顔をして保健室をうろうろしていたんだよ?」
「……そうか」
あいつもあいつなりに心配していた、と言うことか。
「全く……あんたも早く来なさいよ!」
「す、すみません……」
奥の方からちっさいおばあさんとオールマイト、あと……緋鳥と出会った時の刑事がやって来た。
おおよそ、事情聴取か……?
「葉隠、保健室から出ておいてくれ。多分、事情を聞かれる」
「うん、分かった!」
元気に葉隠は保健室から出ていき、俺と先生たちだけが保健室内に残った。
「取り敢えず、今日は事件について幾つか聞きたいことがあるけど……いいかな?」
「あぁ、構わない。」
===========
「……どうだった『バレット』。彼は良い人材だったかい?」
「かなり良い人材かと」
私は暗い部屋の中で一人の男の前に立つ。
この男は私が所属する数名のメンバーで構成される組織のトップに位置する男、私の個性では……死なない。曰く、あの男は
「それで……彼を
「……難しいかと。」
少し考えた後、答える。
条件さえあれば恐らく、引き込める……けど、その過程で確実に暴走する。そうなれば組織に入る前に世界が滅びかねない。
いくら私でも、自分の命は大切だからね。
「まぁ、他にも組織に入りそうな人をピックアップしてもらった。良い人材なら……引き抜け。」
「……分かりました。」
紙資料を見ながら答える。
『ビルダーベア』や『妖狐変化』、『校外学習』、『小さな魔女』、『おお、こわいこわい』、『カイン』、『生存権』、『禁忌』……かなりの数がいますね……。
これをピックアップした協力者……一体誰でしょうか。そこが特に気になります。……時間を見て、探して見ましょうか……。