「はぁ!」
「せい!」
俺の拳と宇宙服の男の拳がぶつかり合い、辺りに凄まじい衝撃波を撒き散らす。
こいつ……!純粋なパワーだけなら俺にも匹敵する……!
「行って!」
「はぁ……む!」
保護者の拳をギリギリのところで避けたが、肩の筋肉と骨がハムスターに喰われてしまう。
くっ……!こいつらを外に出せば周りへの被害が極めて大きくなる高い。更に言えばこいつらに勝てる、もしくは捕縛できるヒーローが到着するまでにこいつらを取り逃がす可能性がある以上こいつらをこの店内に居させる必要がある。
耐えれるか……?いや、耐えてみせる!!
「『覇源』―――『激流』!」
「なっ!?」
隻腕となった俺に襲い掛かってきた宇宙服の男の拳を片手で掴み、そのエネルギーを体全体で独楽のように回し、地面に叩きつける。
「がっ……!?」
「食らえ!」
「はぁ……む!」
「『緊急ボックス』!」
宇宙服の男を無視して攻撃してくる保護者の攻撃を安心と安定のボックスで防ぎ、その隙に近くにあったエスカレーターから飛び降りる。
やっぱりハムスターの方は『カリカリくん』かよ……!あいつはあいつでKaterの中でも特級クラスにやべぇ奴だ。それに、ルナティックも保護者も純粋なパワー型、しかもパワーなら俺にも匹敵する。
仕方ない……。
「ふぅ……。」
「何処に逃げる。」
「無駄だよー!」
「食べさせて。」
「っ!皆さん避けて下さい!」
叫んだ所でもう遅い……!
「『
三人が着地する瞬間、俺の両腕が地面に当たり、凄まじい衝撃波と共に全員を吹き飛ばす。
全身の間接駆動によって産み出された螺旋のエネルギーを間接毎に強化していき、地面に触れた瞬間その全てを放出する俺の必殺技『絶技』の一つだ。
俺の必殺技『絶技』はリミッター解除によってもたらされる身体能力を生かした『覇源』と体のエネルギーを使う『螺旋』。更に今は秘密としている『終極』がある。
その大半が俺でしか出来ない反則級の破壊力を持つ。二重螺旋はその中でも珍しい殺傷能力の無い『螺旋』なのだ。
「見事です。では、帰らせてもらいます。」
「は、ちょっ」
「まっ……」
「まだ食べ終え」
二重螺旋の衝撃を物ともしない『バレット』が指を弾いた瞬間、全員の姿が消えてなくなってしまう。
ちっ……!敵には転移系の個性の使い手がいやがる。SCP系統の個性を持つ奴らばかりを狙うか組織か……。こいつらの相手もしなくちゃならないとか、かなり面倒だぞ……。
「ん……?」
こんな紙、あったっけ。拾って読んでみよ。
「『ゼロ』」
ゼロ……何もかもが終わり、けど何かが始まる、そういった意味で使われているのか?
だが……これは恐らく組織の名前か。機動隊も入ってきたし、この後の事情聴取の時に教えとこっと。