「チームねぇ……おおよそ、俺と同じようなSCPシリーズの個性か?」
「ええ。……あぁ、そちらの八木さんが保護してもらっても構いませんよ?」
要するに、俺を同じSCPたちを仲間にしたいのか。
……悪くはない。
「いいだろう。けど、犯罪行為に手を出すつもりはない。」
「意外ですね。あなたは不死身の爬虫類、生きとし生ける物を憎む最悪のKeterではないですか。そんなあなたが人を守ることを選択するとは。」
「俺はクソトカゲが主人格ではないからな。人を守るために行動するのは当然だろ?お前だって正体不明の物質で出来ている癖に。」
「ええ。……では、もう一つ要件を言いましょう。」
もう一つの……要件?
「この世界には私やあなたのような
うわー、殺意ましましだけしかいないのかよー。safeは?Euclidとかいないのかよー。
「Keterは能力が絶大。世界を滅ぼすことすら容易に引き起こす。逆に言えば見つけやすいのですよ。あなたに頼みたいのはsafe、Euclidの確保です。」
「いいぜ。……見つけたらな」
「では、私はこれで。」
再び『人食い闇』は影の中に消えていく。
変わったやつだったが……まあ、できたらでしか動かないが。
「それで、俺の引き取りですか?まあ、頼みますよ。」
「いや、さっきの会話について深く知りたいな!?」
「はあ、わかりました。話しますか。……俺の個性の本当の名前は『不死身の爬虫類』。とある異界に存在すると言われる生きとし生ける物を憎悪する太古の超生物です。」
「なっ……!?そんなのが個性だったのか!?」
「ええ。そこにいる人の常識を遥かに越える超常、それがSCP。管理、収容、保護の英単語の頭文字からとられたものです。これらには『管理していれば安全な』Safe『管理されていても突然動きだす』Euclid、そして『収用・管理が困難、又は脱走した場合大がかりな作業を必要とする』Keter。これらがあります」
「なんという……個性だ……。」
「まあ、俺の個性はKeterの中で最も知られているものですけどね。」
「…………。」
「それでは、一つ聞きます……思ったのですが、貴方のようなナンバーワンヒーローが俺を保護することはない。誰が本当の引き取り手なんだ?」
「あ、ああ。確か名前は……」
「八百万さんだ。」
…………………はい?