「ぜーはー……ぜーはー……ここまでくればいいかな。」
バリケードを蹴り飛ばしてはいったけど……問題ないよな?てか、『認識の鳥』は気絶してるし……まぁ、体の方は『翼人、またはつばさびと』だし、耐久力がなくて当然か。
「き、君!大丈夫かい!?」
「俺は問題ない。この子を頼む。なるべく精神的な負担をさせないように。でなければ……この惨劇が引き起こされるぞ。」
「この子が……!分かった、取りあえずその子を病院に運ぶから救急車の手配をよろしく。」
「わかりました!」
この絵にかいた刑事さん、信用してもいいけど……まぁ、こういったことは公的な機関に任せておいたほうが賢明か……?
でも、この子の個性はかなり危険だしな……てか、あのおっさんはどうやって『認識の鳥』を防いでいたんだ?精神防御とか、そういった個性なのか?
「来たよ!」
「すぐに運び込みます。」
「お兄ちゃん……!」
「……お願いするぞ。」
『認識の鳥』を救急車に乗ってきた人に渡すと、その救急車は黒い影に飲み込まれていた。
おいおい……もうきたのかよ。
「やあ、『不死身の爬虫類』、それに『認識の鳥』。」
「何のようだ、『人食い闇』。俺はその子を助ける為に行動しているから邪魔しないでくれ。」
「分かっているさ。けど、君はその子の危険性を理解しているのかい?」
「……ああ?」
危険性?そんなの、認識の鳥の幻覚だろうが。
「僕は二つのSCPの個性を持っていてね。片方は『人食い闇』だけど……もう一つはSCP990『ドリームマン』。未来予知系のSCPさ。」
「ちッ、また面倒な……!」
おいおい……SCP990『ドリームマン』といえば世界の終焉なんかを予知するKeterクラスのSCPじゃねぇか……!
決めた。こいつとは……この子を守るためにも戦うしかない!
「さて、どうする?その子を助ける為に僕と協力するか……先生のために、世界のために死ぬか。」
「先生……あの男か……!」
おっさんは俺らを実験台にしようとしていた。『人食い闇』が『認識の鳥』を確保しようしているのはそれが原因か……!
となると、相手は最悪だぞ……!
「てか、なんで俺を収容しようとしなかった。」
「うーん、言われてなかったから?」
「あっそう。」
「……え?」
『人食い闇』の右腕から先は突如消し飛んだ。
まあ、俺が爪で切り裂いただけだけど。
「なっ……!」
「いきなりどうしたんだ!?」
「刑事さん、逃げてください。……ここではその子を守れない。自家用車か何かで病院まで連れていって下さい。」
「ッ……!分かった、ちゃんと君も助けるからね!」
刑事さんは隊員から『認識の鳥』を貰うとパトカーにいれて走っていってしまった。てか、周りにいたやつらはどこか行ってしまったし……まぁ、そっちのほうが闘い安いだろうけど。
「さて、そろそろ復活してるだろ?」
「くくっ……僕を敵に回すとどうなるか教えてやるよ……!」
「やっぱり、あんたらの仲間にならなくて正解だったな。」
回復した手と俺の拳がぶつかり合う。
さあ、勝負といこうか……!