やっと書けた。
今回は、エルフ、大虐殺……。
注意!!
宛がわれた高級な部屋の窓辺に座り、バッターは外を眺めていた。
「バッター! 聞いてるの!?」
ルイズがギャーギャー怒るが、しかしバッターは、まったく気にもとめない。
バッターは、これからのことを考えていた。
非協力的な虚無の担い手であったジョゼブが死んだことで、その血縁者であったジョゼットという少女に虚無が移ったことは、ヴィットーリオから聞いた。
あとは、ルイズとジョゼットを虚無の担い手として覚醒させるだけだと聞いている。
その覚醒のさせ方は、始祖の祈祷書というアイテムを用いて、呪文を使わせることらしい。
今頃、ジョゼットという少女がトリステインに宝物されていた始祖の祈祷書で覚醒しているだろう。
ならば、次はルイズだ。
「ミス・ヴァリエール様。」
そこへ部屋の扉がノックされ、ロマリアの僧が入って来た。
「なに?」
「教皇聖下様がお呼びです。」
「…分かったわ。バッター、お説教の続きは後よ。」
そう言い残してルイズは、僧と共に部屋から出て行った。
バッターは、それを見送ることなく窓の外を眺めていた。
やがて、遙か彼方で、凄まじい爆発が空中で起こった。
バッターは、あれが、おそらく虚無の力だろうと思った。
そして爆発であることから、ルイズがやったことだろうことも。
それからしばらくして、ヴィットーリオに呼ばれた。
謁見の間に行くと、ルイズやヴィットーリオ達の他に、目にも麗しい姫がいたが、バッターを見るなり、ヒッ!と青ざめて悲鳴を上げていた。だがバッターは気にしなかった。
「バッター殿。四の四がついに揃いました。」
「そうか。」
「これより先は、あなたの導きが必要となります。どうか我らを導いていただけませますか?」
「……。」
バッターが、黙っていると、やがて僧兵がひとり飛び込んできて、ヴィットーリオに、エルフが攻め込んできたことを伝えてきた。
「俺が行こう。」
「しかし、バッター殿…。」
「…お前達が欠けては、大いなる意志が浮上しない。」
「そうですか…。では、おまかせします。」
「バッター!」
「お前は、ここにいろ。」
「ルイズ殿。あなたは、行ってはいけません。」
「ですが! 彼は私の…。」
「彼は、確かにあなたの使い魔として呼ばれたでしょうが、今の我々にとっては、救世主なのです。そのことはお話ししたでしょう?」
ヴィットーリオがそうルイズに言い聞かせる。
その間に、バッターは、バットを肩に乗せて謁見の間から出て行き、建物から出ると、すぐにヤフェトを再構築して戦場へと飛んだ。
『彼らは、何かを勘違いしている。お前は訂正しないのか? バッター。』
「聞かれなかった…。」
『盲信とは恐ろしいものだ…。かつて私が治めていたゾーンの住人達も…。しかし、真実を知った時、彼らはお前に牙を剥くぞ?』
「その時は、浄化するだけだ。」
『……すべてを無へと帰すか…。変わらないのだな…。』
「それが、俺の使命だ。」
『お前を止められる者など…、この世界にはいないだろう。』
やがて戦場が見え、そこへ急降下し、バッターが飛び降りた。
「お前が…、浄化する者か?」
「そうだ。」
「我が名は、ビダーシャル。我らは、お前を打ち倒すために来た。」
「そうか。」
「世界を無に帰させんぞ!」
ビダーシャルがそう叫ぶと同時に、凄まじい風の魔法が四方八方から襲いかかってきた。
バッターは、黙ってそれを立ったまま受ける。
やがて風が消えると、無傷のバッターがいて、ビダーシャル率いるエルフ達は戦慄した顔をしていた。
「終わりか?」
「悪魔め…。」
「違う。俺は浄化する者だ。」
土が大きくうねるように蠢き、巨大な拳が出来てバッターに襲いかかる。
バッターは、バットを振ってそれを破壊しながら突進し、ビダーシャルにバットを振り下ろした。
ガキンッと見えない壁に阻まれたが、気にせず壁を殴り続けた。数発目でビシッと音が鳴り、ビダーシャルは、飛び退くとビダーシャルがいた場所にバットが振り下ろされ地面が抉れた。
「精霊よ!」
ビダーシャルが合図を出し、他のエルフ達が魔法を使う。
水が、土が、風が、炎が、四方八方からバッターに襲いかかる。
「マジックホームラン。」
「!」
「究極のホームラン。」
一撃目で見えない壁を破壊し、次の攻撃で、ビダーシャルの胴体を打ち抜いた。二つになったビダーシャルの上半身と下半身が地面に転がった。
ビダーシャルの死に、エルフ達に大きな動揺が走る。
バッターは、そのエルフ達をひとりも逃さないとばかりに、アドオンに命じる。
フォーヴィズム的悲劇
驚異的な威力の、全体攻撃。
たちまちエルフ達の肉片が辺り一面に飛び散った。
運良く難を逃れたエルフが逃げだそうとするのを、残らず全体攻撃を使って始末する。
そして、ロマリア、トリスティン、ガリアの三国の兵達が愕然と眺めている中、血の海となった戦場に、バッターとバッターの周りに浮かぶ輪っかアドオン達だけが残った。
「バッター……、あんたは…。」
戦場に駆けつけていたルイズは、その酷い光景にただただ恐れおののいていた。
この虐殺で、バッターが本当に救世主なのか?という疑惑が浮上します。
エルフ達は、これでかなりの戦力をそがれてしまったので、攻め込めなくなります。
なお、エルフ側にも亡霊が出ているので、ソッチに気を取られているのもあるますが。