注意!!
公爵令嬢なのに、あれだけゼロゼロと蔑まれてきたんだから、魔法主義社会を恨む可能性はあると思って……。
「砕くなら…、砕きなさいよ…。」
「そうか…。」
「あんた言う通りよ…。私だって…、こんな世界なんてって、思ったことはあるわ。そっか……だから私だったのね。」
ルイズは、自虐的に笑った。
「だって…、私が無意識にソレを望んだから、あなたが来ちゃったのよ、きっと…。私には、あなたが四つ目の人間に見えるのも…、きっと…私が救世主を望んだからなのね?」
「そう思うのなら、そう思えばいい。」
「なによ…。そんな言い方…。ねえ、バッター…。終わらせるなら、さっさと終わらせてよ。痛くないように……、あっさりと。」
「そうか。」
バッターが背中を向け、バットを振り上げた。
その瞬間、風のトゲがバッターの背中に突き刺さった。
「バッター!」
「ルイズ…、なぜだ?」
ヨロヨロとしたワルドが杖を構えていた。
「なぜ…、世界を…? 君は…!」
「ワルド…ごめんなさい……。私…、この世界が嫌いなの。」
「君は…そこまで…。」
「ええ、そうよ。私は、私を虐げてきた世界が憎いの…。」
「だが、君は虚無に…!」
「そうね。でも…、それで今までのことをチャラにするほど…、私は強くなかったの。ただ、それだけ。」
「くっ…、君を殺したくはなかったが…!」
「あら? 虚無の力の前に風がどこまでやれるかしらねぇ? バッター、死んだふりはやめて。」
「……いいのか?」
「いいわよ。世界を終わらせるのを邪魔するのなら、浄化するんでしょう?」
「そうだな。」
バッターが構え、ルイズも杖を構えた。
ワルドは、絶句し首を横に振った。
「死んで。ワルド。」
ルイズが爆発の魔法、エクスプロージョンを放った。
「ユビキタス・デル・ウィンデ!!」
ワルドが風の偏在を発生させた。
「うふふ…、初めて肩を並べて戦うわね。バッター。」
「そうだな。」
「あら? あなた、笑えるのね? 初めて見たわ。」
「……。」
「ライトニング・クラウド!」
「狂おしき走塁。」
煙属性の攻撃と風属性最強の魔法がぶつかる。
もうもうと上がる煙の中、バッターが飛び出し、ワルドの偏在を攻撃した。
「無駄だ! いくら貴様といえども、風の偏在は破れまい!」
「なら私の番ね。ディスペル・マジック!」
次に放たれたルイズの魔法で、偏在が全て消えた。
「なっ…!?」
「虚無の前では、アナタにとって最強の風も無意味ね。」
「よくやった、ルイズ。」
ワルドの腹に、バットが突き刺さった。
ガハッと血を吐いたワルドは、杖の先端に風を纏わせ、バッターの頭部を突いた。
「この程度か?」
バッターは、つまらなさそうに言い、刺さった杖の先を抜いた。
そしてアビリティを使って傷を治す。
「おのれ……、お前達は…永劫に…ゆる…さ、れ…な…ぃ…。」
ワルドは、力尽き、バッターがバットを抜くとその場に倒れて死んだ。
バットについた血をバットを振って払ったバッターは、大いなる意志の中央へと向かった。
そこには、あからさまにそこが弱点だと言わんばかりの輝く亀裂があった。
「バッター…。」
「ああ。」
「終わらせて。」
「……分かっている。」
「……さよなら。」
「……。」
ルイズは、バッターが亀裂に向かってバットを振り下ろすと同時に目を閉じた。
大いなる意志が、爆発するように砕け散り、バッターもルイズも、ワルドの遺体も遙か彼方へ。
そして世界がまるで電気のスイッチを切ったように暗くなった。
バッターは、再び投げだされた無の世界で、声を聞いた。
『よくやった…。これで…、お前の役目は終わりだ』
それがブリミルの最後の言葉だった。
世界をOFFにした場合の選択肢エンドでした。