ルイズが騒ぎのことを知ったのは、朝起きて朝食後の緊急全校集会で発表されたときだった。
そして、生徒達に被害はなかったこと、そして教師の一部が亡霊なる存在に襲われ、死傷したことが明らかになった。
またその騒ぎの元凶である亡霊を学院内から駆逐したのが、バッターであることも発表された。
生徒達がざわつく。
ルイズは、自分の知らないところでバッターがそんなことをしていたのかと知り、怒りがこみ上げた。
集会後、ルイズは、バッターを探した。
バッターは、食堂近くで、腰を抜かしたメイドを前に立っていた。
「何してんの!」
「…この女が勝手に俺を見て腰を抜かした。」
「ひ…ひいい…。」
メイドの少女は怯えきっていた。
「ちょっと、来なさいバッター!」
ルイズは、バッターの腕を掴んで引っ張っていった。
そして寮の部屋に帰り、後ろ手で扉を閉めると。
「あんた…私の知らないところで何やってんのよ!」
「俺は、ただ不浄なる者を浄化しただけだ。」
「あんたの妄言は聞き飽きたわ! 何したの! ハッキリ言って!」
「俺は、亡霊を浄化しただけだ。」
「亡霊って…、あの……。」
「おそらくお前の認識するソレとは違うだろう。だが、何かしらの念が具現化したもの…っという意味では同じかもしれないな。」
「ミスタ・レオボールが死んだっていうのは…。」
「そいつは、亡霊に食い殺された。俺が見つけたときにはすでに死んでいた。」
「そ…。」
そんな…っと言いかけたルイズだったが、言葉が上手く出なくなった。
『四つの虚無を揃え……、この世界をOFFにする“大いなる意思”を浮上させろ』
「なるほど…。どうしたらいい?」
「バッター…?」
『担い手の一人であるルイズを死なせるな。残りの三人は、いずれ揃う。揃えようとしている人間が、バッターに会いたがっている。ヴィットーリオという男に会え』
「ヴィットーリオ…。」
「へ?」
「知っているか? ヴィットーリオという男がいるはずだが。」
「さあ…知らないわ。」
「……そうか。」
「なによ? その人に用があるわけ? さっきから誰と話してるの? 独り言?」
「俺にこの世界の浄化を命じた声だ。」
「意味分かんない…。あんた、本当に狂人なの?」
「ただひとつやるべきことが今ある。」
「なに?」
「お前を死なさないことだ。」
「はあ!?」
いきなりのことにルイズは、顔を歪め素っ頓狂な声を上げた。
「お前に死なれると困るらしい。理由は話すか?」
はい
いいえ ←
「……理由は言えんがな。」
「なにそれ……、ああもう、あんた、気味悪い!」
ルイズは、悪寒を感じながらバッターから距離を取った。
バッターは、肩をすくめ、ルイズの横を通り過ぎ部屋から出て行こうとした。
「ど、どこ行くのよ?」
「ヴィットーリオという男を捜す。」
「この学院在学の生徒の名簿でも見る気なの?」
「なら、誰に聞けば分かる?」
「……在学生のこととかなら、オールド・オスマンに…、って、勝手に行かないで!」
部屋を出ていったバッターをルイズが追いかけた。
「あら…、ルイズ…。」
「キュルケ…! なによ? 今それどころじゃ…。」
「ああ…あの化け物みたいな使い魔? さっき廊下の窓から飛び降りてたわよ。」
「はあ!? って、化け物って…、確かにアイツ四つ目だけど、そこまで化け物って見た目じゃ…。」
「あんたさぁ…、召喚の儀式の時からだけど…、アレのこと…どう…見えてるわけ?」
「へ?」
キュルケからの真剣な問いかけに、ルイズは、キョトンとした。
「答えなさい。どう、見えてるの?」
「ど、どうって…、目が四つだけど、全体的に結構……イイ男…? かしら?」
「……嘘言ってないわね?」
「嘘じゃないわよ。嘘言ってどうすんのよ? ねえ、さっきからおかしいわよ?」
ルイズが戸惑いながら答えると、キュルケは、長いため息を吐き、もういいっと言って背中を向けた。
「ちょっと! そっちから聞いといて、理由も無し!?」
「いや、いいの。忘れて。」
「あーもう! なんなんよ!」
ルイズはわけが分からないと地団駄を踏み。やがてバッターのことを思い出して我に返り、バッターを探しに行った。
バッターが学院長室で、オスマンにヴィットーリオという男のことを聞いたらしく、学院長室から出てきたところをルイズに見つかり、ルイズに怒られたがバッターは平然としていた。
結局、ヴィットーリオという男についての情報が無く、どうしたものかと考えていたバッターは、学院から出ることを考えたが、何か引っかかるモノを感じていて、そうする気になれなかった。
それから間もなく、学院の宝物庫から宝が盗まれたことが判明した。
『“王の輪”、頂戴いたしました。ーー土くれのフーケ』
っという壁に描かれた文字から、最近巷を騒がせている盗賊である土くれのフーケが、亡霊の騒動の隙をついて宝物庫から宝を盗んだことが分かった。
現時点で、ルイズ以外にはバッターは、化け物の姿で見えてます。(ジャッジを選んだ時のあの姿)
アドオンをどう登場させるか悩んで、戦闘不能状態が真っ黒の円だったので、バッターをクイーンの対として、王の輪という名前にしました。