仮題名『ルイズが浄化する者を召喚しました』   作:蜜柑ブタ

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アルビオン浄化後。


このネタ、話の展開が早くなりそうです。


SS7  動き出す世界を眺めながら

 

 アルビオンで起こった異変は、トリステインのみならず、他の国々をも震撼させた。

 突如アルビオンが浮かぶ空からアルビオンを包み込むほどの強烈な赤と白の光が放たれたのだ、気づかない方が難しい。

 その光が消えたあとには、風に乗って灰のような砂のような物が降ってくるようなったのだ。アルビオンから流れてきているものならば、アルビオンの状態がどうなっているか、想像したくないだろう。

 トリステイン、ゲルマニア、ガリア、ロマリアがそれぞれに調査を行うため船や偵察隊を送るなどした。

 

 トリステインのグリフォン隊隊長にして……、実は、アルビオン王家と対立していた貴族派、レコン・キスタの軍勢に所属していた裏切り者であったワルドは、アルビオンに陣を敷いていたはずのレコン・キスタの軍勢を探すため、その目的を隠して調査隊に志願した。

 トリステインの空飛ぶ戦艦に乗って…、そこから見たアルビオンは……。

 

 

 白の国……、などという美しい意味合いを持っていた言葉など似合わない、灰色に近い白に染まっていた。

 

 

 戦艦を対岸に着艦させ、上陸してみると、サフっ…と灰のような砂のような物が降り積もった地面が足を受け止める。

 建物も木々も地面も、何もかもが、灰色に近い白に染まり、そこに生命の息吹はまったくと言って良いほどない。

 ワルドは、いったい何が…っと思いつつ、レコン・キスタの軍勢さえ消えたアルビオンの国内をグリフォンに乗って見て回る。

 直後、後方で悲鳴が上がった。

 ワルドと共に上陸したグリフォン隊の隊員が、悪魔じみた人型の何かに襲われていた。

 不気味なそれの姿に、グリフォンが鳴き声を上げ、恐怖して暴れる。それを大人しくさせながら、ワルドや他の隊員がその悪魔じみたソレに向けて魔法を放った。

 複数の攻撃魔法を食らっても、まるで歯が立たず、ソレは、先ほど襲った隊員を生きたまま喰らった。

 その惨状に誰もが吐き気を感じる。

 その時、白い輪っかのようなモノが飛んできて、見えぬ攻撃を放ち、悪魔じみたソレを破壊するように倒した。

 すると、周囲から、バキィ!だの、ゴガンッ!だのという打撃音が聞こえた。

 

 見ると…、そこには、耳の尖った美しい少女を抱えた化け物がバットを振り回して、周囲にいた悪魔じみたソレを殴り殺していた。

 

 悪魔じみたソレとも違う異質な存在の登場に、思わず杖の先を怪物に向ける。

 

 それに待ったを掛ける声が、上空から聞こえた。

 ロマリアの国旗を纏った竜騎士達だった。

 その先頭を飛ぶ立派な竜に乗った青年が、怪物の前に降り立った。

 

「あなたが、バッター…ですか?」

 

 そう聞くと、バッターかと聞かれた怪物は、頷いた。

 それを確認した青年は、他のロマリアの兵達に指示を出し、集合させ、そしてバッターという怪物とバッターが抱えている少女を連れてロマリアの戦艦に案内していった。

 その後、緊急会議が各国の要人達を集められて行われた。

 

 

 ロマリアのトップであり、ブリミル教の全ての寺院の最高責任者である、教皇、エイジス32世が、要人達の疑問に答えていった。

 

 

 まず、アルビオンで保護されたバッターという存在。

 その存在がやってくるのをロマリアは、待っていたという。

 それは、始祖ブリミルが残した予言であり、世界を救う存在だとロマリアのトップなどの一部でだけ語り継がれていた隠されていた存在だというのだ。

 バッターと、四つの虚無を揃えること。

 それが、世界を救う鍵だとエイジス32世は語る。

 アルビオンの滅びこそが、この世界の滅亡の始まりだと言われ、要人達は騒然となる。

 バッターが保護していた耳の尖った少女は、アルビオン王家の血を引くエルフとの混血児で、虚無の担い手のひとりらしかった。

 滅んだアルビオンにおいて、たったひとり残され生き残ってしまった彼女は、意識がないが、泣きながらうわごとで一緒に暮らしていた孤児達の名前を呼んでいた。その指には、バッターが付けさせた風のルビーの指輪があった。

 会議の場にバッターが呼ばれ、その姿に要人達が悲鳴を上げる。だが、エイジス32世には、彼が人間に近い姿で見えていた。

「バッター殿が、人間のような姿で見える者こそが、此度の虚無の担い手です。そう見えている者を探し出すのです。」

 エイジス32世は、そう言った。

「お前は…?」

「私は、ロマリア皇国がエイジス32世…。ヴィットーリオ・セレヴァレともうします。」

「ヴィットーリオ…。お前か…。俺を探していたのは。」

「ええ。それならば話が早いですね。バッター殿。どうか、この世界を救ってください。我々は6千年もの間、アナタを待ち続けていたのですから。」

「言われるまでもない。」

 エイジス32世…、改めヴィットーリオが、バッターに頭を下げ、バッターは、腕組みしてヴィットーリオを見つめた。

 

 ブリミル教の最高責任者が頭を下げた光景に、各国の要人達は驚愕し、バッターがそれほどに重要な存在なのだと印象づけるには十分すぎた。

 

 

 バッターは、ただ……激動し始める世界を黙ったまま眺めていた。

 

 

「バッター!!」

 

 アリエッタの要請を受けて呼ばれてきたルイズと再会し、再会した途端に殴られたのは、アルビオンが浄化されてから1ヶ月ほどしてだった。

 

 

 

 

 




バッター、ヴィットーリオと邂逅。

ブリミルの予言でバッターが来ることを知っていたロマリア(ヴィットーリオなどの一部だけ)。
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