拠点へと戻る道中、ウサギを見つけた。
白いケツを振りながら平和そうにぴょんぴょんと目の前を跳ねている。
どうやら、この平原にはウサギの巣があるらしい。
これは良いチャンスだ。
廃坑の失敗で、異能への信頼が揺らぎかけていた。ダスト君は僅かな綻びから大きな失敗へと繋がるのを知っている。修復するなら今しかないと。
「ハクレン。次に見つけたウサギを仕留めるよ。ターゲットは任せる。」
「御主人様、了解っす。」
ダスト君は脚をホールドされたまま上体を反らして、手を地面へと近づける。
こんな芸当はダスト君とハクレンにしか出来ない。
地面すれすれをひょおんと駆け抜ける。少しの誤差で地面と激突して大惨事になるが、2人の厚い信頼により微塵も危なさが無い。夫婦以上の絆のなせる至高の雑技を魅せつけろ。
騎馬が突撃するかのように、平和ボケした歩兵のウサギを右手で狩りとってやる。
平和な代わり映えのしない日常を奪いとれ。
まさに、それは閃光の一撃。
「行きがけの駄賃だ。女になれええ。」
パァン!
右手が光る。
やはり異能は健在だと安堵する。
100%の信頼が戻ってきた。
異能発動ーーーー
『
進化前:白いウサギ
↓
成功
↓
名前:うさ美
種族:獣人『兔娘』(幼女)
外観:ウサギ耳と尻尾の生えた人間、おは幼女。
特能:多産、貧弱。
装備:裸→バニースーツ[R]
異世界に幼女が生まれた。
過去一番、若いというか幼い。
幼女なのにバニースーツを着せられている。大した意味も無く平和を奪われて、女に目覚めた発情幼女。
「びぇぇん。お家帰るうさーーー。」
ふにふにと、マシュマロのように柔らかなウサギ娘を人さらいする。
幼女誘拐。
うさ耳がとてもキュートだ。
これは良い拾い物をした。ハクレンにご褒美を与えないとイケないな。
ギャン泣きする、うさ耳幼女を右手から左手に移動させてしっかりとホールドする。
フリーになった右手で握るのは、もちろん火蜥蜴の鞭。
「ハクレン、良くやった。これはぁご褒美だ。」
ビチィとしなる鞭を、綺麗な太ももへと迷いなく叩き込む。
今ここで加速する必要性なんて全く無いが、褒美を与える。僕はきちんと褒美を与える女。
キレのある一撃を贈る。
「ヒィィン。」
ガコラッガコラッ。
興奮したハクレンは、平原の土を抉り取りながら加速。
弾丸のようだ。意識が白くなりながら落ちないようにしがみつく。
よく分からないまま気付いた時には、メルカーナの村へと帰っていた。
到着したのか?
ふらふらと、ハクレンの背中から力なく降りる。
興奮が冷めて冷静になるダスト君。
「ぶべべ。」
幼女が腕の中で吐いた。
ダスト君は吐かなかったが、それは胃の中には吐くものがなかったからにすぎない。
腕に抱いた泣きじゃくるうさ耳幼女と、目の前には恍惚の表情を浮かべたハクレンがいる。
…どうしてこうなった。
誰か誰か助けてくれ。
ダスト君は、困った顔で黄昏れる。
現実逃避したい。
やや遅れて、2つの影が近付いてきた。援軍が来たと思ったのだが
「お前様、いつの間に女を増やしたのじゃ!?しかもロリ属性が被っておるのじゃ。」
「師匠、こんな小さな子に際どい服装とか、それはどうなんですにゃん?」
ぷりぷりと怒るリリイと、虫を見るかのようなピンクにあらぬ追究を受ける。
「これは、事故なんだ。」
「信じられないのじゃ。」
「ギルティですにゃ。」
「びぇぇん。お家帰るうさー。」
「御主人様、なかなか良かったっす。」
さらに混迷する状況。
無関心なサラとポニーだけが救いだ。この2人にオアシスを感じるとは。
上手くいかないね。
よくも、ドワーフめぇぇ。とりあえず、シャイな土妖精に責任転嫁してダスト君はなにか悟った顔になる。
ふぅ。
主人公は誰がいい?
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豚野郎 ダスト
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美少女 ダストちゃん
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男の娘 ダスト君
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美男 Dust
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でぶ女 D