この世の全てを美少女に!   作:縛炎

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104 村作り

 

 カンカン!

 赤の森には、木槌の音が響く。

 

 エルフの家は、赤の木の上に作る事になった。ツリーハウスとでも言うのだろうか。

 木と一体化させて作り、家精霊を定着させる事により、劣化しないらしい。

 

 色々とドワーフのメルから超技術について説明されたが、さっぱり理解出来なかった。

 メルの指示どおり、森から木を切り出したり、バネ蔓とか、ガラスの実を取ってきたりと、エルフと村人総出で赤の森は、史上最高の賑わいをみせている。

 

 人手が足りないので村人へ応援を頼む予定だったが、昨夜の振る舞い酒が効いたらしく、お願いする前に

 

「何か手伝える事はないだか?」

 

 と、朝起きたら村人達が家の前に勢揃いしていたので驚いたくらいだ。

 

 

 

 そんな中、僕とハクレンの2人だけは赤の森から離れていた。

 

 サボってる訳では無いよ。

 昨夜の宴会で、持ってきたフルーツもお酒も全部無くなってしまったからだ。

 補充の為に、ホームへ帰っている。

 

「ハクレン、気持ち良いね。」

 

 まるでデートみたい。

 トントンと小気味よく揺れる背中が愛おしい。このまま、ずっと背中を抱きしめていたい。背中に指で『すき』って書いた。

 

「御主人様、くすぐったいっす。」

 

「ふふふ。おばかさん。」

 

 僕の気持ちも知らないで。

 くすぐったそうに身をよじるハクレンを言葉責めした。

 ともあれ、このメルカーナの村は最果ての村だ。2人きりの時間も愛おしいが、時間は有限である。

 

 

 心を鬼にして、火蜥蜴の鞭を握るかぁ。

 

 でも僕は男の娘だからとても非力だ。本来の姿に戻ろう。パンと顔を叩いて、魔法を解く。

 

 大した需要もないのに、豚野郎ダストが帰ってきた。ぶひ?

 

 最速の乙女ハクレン。その美しき白くしなやかな太ももに、咲き乱れよ。俺のハートの花吹雪。

 

「ハクレン、全力でカッ飛ばせ。」

 

 ビチィ。

 しなるムチがハートの痣をつける。

 穢れなき身体へ、俺の所有物だと言わんばかりにマーキングする。

 豚野郎とハクレンだけに許された歪んだ愛の一撃。歓喜に震えるが良い。

 

「ヒィィィン。御主人様ぁぁあ。」

 

 恍惚の表情を浮かべたメス馬は、愛のために涎を垂らしながら走る。

 うちは今、生きてるっす。

 生きてる証明を地面に刻め、この世界の誰よりも速い特別な時間を生きる。この時間の流れに存在するのは2人だけ。2人だけの世界。

 御主人様を専有出来る貴重な甘美なる時間。

 

 キィィン!

 巻き起こる衝撃波が、森の木々を岩をぶち壊して新たなる街道が出来る。

 乙女ロード

 なんの脈絡も無く現れた実現不可能だと思われていた長い街道が、一日にして完成する。

 この異世界に、2人の爪痕を残した。

 

 

 

 久しぶりに、家に帰った男は

 

 酒を出せ。

 金を出せ。

 果実を出せ。

 

 と、屑っぷりを遺憾なく発揮した。

 

「オーナー相変わらずだにゃ。」

 

「ミケよ。これは必要な投資だ、何倍にもなって返ってくる。」

 

 言ってる事は無茶苦茶だが、特に文句を言おうとする者なんていない。

 

「ん?クリアか。びっくりした、そこにいたのか。えっと、お小遣いまでは要らないよ。そこまで困ってないし、受け取れない。あの、泣かないで。受け取った、気持ちだけは受け取ったから。」

 

 むしろこんな有様である。

 ぎゅっと後ろから抱きつかれた。巨乳の猫娘ヴァイオレット。

 ふにゃんと気分が落ち着く。

 

「ダスト様、桃の香りがアップしましたので見てください。」

 

 ミドリから渡された桃を受け取る。なるほど瑞々しい良い香りだ。いっそ、香水も作るかな。

 

「いい仕事だ、よく頑張った。そうだ、桃を日陰で育てると白桃になるから、さらに美味いよ。果実だけに紙袋をかけるといい。」

 

「なんと、さすがダスト様!」

 

 はいはい、現代チート。

 久しぶりに、帰宅した猫屋敷はいつもより賑やかだった。

 

 

 あぁ、ここが俺の居場所だ

 

 

 

主人公は誰がいい?

  • 豚野郎 ダスト
  • 美少女 ダストちゃん
  • 男の娘 ダスト君
  • 美男  Dust
  • でぶ女 D

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