カンカン!
赤の森には、木槌の音が響く。
エルフの家は、赤の木の上に作る事になった。ツリーハウスとでも言うのだろうか。
木と一体化させて作り、家精霊を定着させる事により、劣化しないらしい。
色々とドワーフのメルから超技術について説明されたが、さっぱり理解出来なかった。
メルの指示どおり、森から木を切り出したり、バネ蔓とか、ガラスの実を取ってきたりと、エルフと村人総出で赤の森は、史上最高の賑わいをみせている。
人手が足りないので村人へ応援を頼む予定だったが、昨夜の振る舞い酒が効いたらしく、お願いする前に
「何か手伝える事はないだか?」
と、朝起きたら村人達が家の前に勢揃いしていたので驚いたくらいだ。
そんな中、僕とハクレンの2人だけは赤の森から離れていた。
サボってる訳では無いよ。
昨夜の宴会で、持ってきたフルーツもお酒も全部無くなってしまったからだ。
補充の為に、ホームへ帰っている。
「ハクレン、気持ち良いね。」
まるでデートみたい。
トントンと小気味よく揺れる背中が愛おしい。このまま、ずっと背中を抱きしめていたい。背中に指で『すき』って書いた。
「御主人様、くすぐったいっす。」
「ふふふ。おばかさん。」
僕の気持ちも知らないで。
くすぐったそうに身をよじるハクレンを言葉責めした。
ともあれ、このメルカーナの村は最果ての村だ。2人きりの時間も愛おしいが、時間は有限である。
心を鬼にして、火蜥蜴の鞭を握るかぁ。
でも僕は男の娘だからとても非力だ。本来の姿に戻ろう。パンと顔を叩いて、魔法を解く。
大した需要もないのに、豚野郎ダストが帰ってきた。ぶひ?
最速の乙女ハクレン。その美しき白くしなやかな太ももに、咲き乱れよ。俺のハートの花吹雪。
「ハクレン、全力でカッ飛ばせ。」
ビチィ。
しなるムチがハートの痣をつける。
穢れなき身体へ、俺の所有物だと言わんばかりにマーキングする。
豚野郎とハクレンだけに許された歪んだ愛の一撃。歓喜に震えるが良い。
「ヒィィィン。御主人様ぁぁあ。」
恍惚の表情を浮かべたメス馬は、愛のために涎を垂らしながら走る。
うちは今、生きてるっす。
生きてる証明を地面に刻め、この世界の誰よりも速い特別な時間を生きる。この時間の流れに存在するのは2人だけ。2人だけの世界。
御主人様を専有出来る貴重な甘美なる時間。
キィィン!
巻き起こる衝撃波が、森の木々を岩をぶち壊して新たなる街道が出来る。
乙女ロード
なんの脈絡も無く現れた実現不可能だと思われていた長い街道が、一日にして完成する。
この異世界に、2人の爪痕を残した。
久しぶりに、家に帰った男は
酒を出せ。
金を出せ。
果実を出せ。
と、屑っぷりを遺憾なく発揮した。
「オーナー相変わらずだにゃ。」
「ミケよ。これは必要な投資だ、何倍にもなって返ってくる。」
言ってる事は無茶苦茶だが、特に文句を言おうとする者なんていない。
「ん?クリアか。びっくりした、そこにいたのか。えっと、お小遣いまでは要らないよ。そこまで困ってないし、受け取れない。あの、泣かないで。受け取った、気持ちだけは受け取ったから。」
むしろこんな有様である。
ぎゅっと後ろから抱きつかれた。巨乳の猫娘ヴァイオレット。
ふにゃんと気分が落ち着く。
「ダスト様、桃の香りがアップしましたので見てください。」
ミドリから渡された桃を受け取る。なるほど瑞々しい良い香りだ。いっそ、香水も作るかな。
「いい仕事だ、よく頑張った。そうだ、桃を日陰で育てると白桃になるから、さらに美味いよ。果実だけに紙袋をかけるといい。」
「なんと、さすがダスト様!」
はいはい、現代チート。
久しぶりに、帰宅した猫屋敷はいつもより賑やかだった。
あぁ、ここが俺の居場所だ
主人公は誰がいい?
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豚野郎 ダスト
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美少女 ダストちゃん
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男の娘 ダスト君
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美男 Dust
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でぶ女 D