お祭りの後は、ぐちゃぐちゃに汚れている。まぁ、それは楽しんだ証拠だから、悪くないかもと俺は思う。
さて、今日も皆で汚れを落としますか!
なんて野暮な事は言わない。
激甘クランは、そんな事はしねーっての。初日こそ、気分を高める為にやったけど、毎日とかブラック体育会系ですかって話だ。意識高い系を目指してるまである。
そういえば、昨夜は、途中で脱落した訳だが、責任者がそれでいいの?って思う真面目くんもいるだろう。責任感が強くていいね、採用。勤務条件は、美少女化。なに?考え直させて欲しい。そっか、気が変わったら連絡をくれ。
しかし、《乙女達の楽園》は、俺が脱落したら、後は、自由だと取り決めてある。好きなタイミングで、客を放ったらかして、後片付けも放ったらかして、バラバラと猫屋敷に帰る従業員達。猫娘嬢を楽しませなかった客が悪いという強気スタンスだ。
ただ1人、例外はいる。猫娘クリア。存在感の薄い彼女は、接客したくないって言ったので、それを尊重して、深夜から明け方までのメモ係をして貰った。
従業員が居なくなっても、賽銭箱に、金を入れて、セルフで飲み食いしても良いのが、《乙女達の楽園》のスタイルだ。
ちなみに、価格は、ぼったくり価格から適正価格へと、急落する。人件費を引くとそうなる。
コレを踏み倒す不届き者のツケを記録するのが、彼女の役割だ。
「良いぜ。ジャンジャンとツケてくれ。貸しを作れるのは、良い事だ。クリア、ご苦労さま。」
メモを受け取り、クリアを労うと、嬉しそうにした。って、気を抜いたら、見失いそうになる程、存在感が無いな。
「あー、そこそこ。」
ダストは、猫屋敷でゴロゴロしながら、オッパイによるマッサージを、バイオレットから受けていた。
コイシちゃんの石ころを見るような目付きに気付き、ひざまくら神へと切り替わる。
そうそう、酒場の掃除だったな。夕方までには済ませたい。
この異世界には、悲しい事に、奴隷がいる。つまり、清掃には奴隷を、なんてヤツは3流だ。もっと安い労働力がある。
「ところで、ブルー見つかった?」
「にゃーうー。」
ブルーは、猫語を未だに覚えている。野良猫ネットワークを使い、ストリートチルドレンのアジトを突き止めた。
たまに猫語で話し掛けて来なければ、優秀なのだが。
「出掛けるぞ、ハクレン。」
清掃員を捕まえて育成するぞ。
☆
小汚い廃屋に、そいつらは、いた。
痩せ細ったガキ共が、6名。
「誰だ!?」
「酒場のオーナーのダストだ。昨夜、俺の店から食い物を盗んだのは知っている。許せんな。」
ガキ共の顔が青く染まる。誰が囮になって、誰を逃がすかと、アイコンタクトして相談しているようだ。
小さな少女を抜け穴から逃がす事に決めたようだ。なかなか見所があるが、バレバレなのは、子供という所。
「俺達を、奴隷商に売るつもりか!」
「そんな発想が許せんのだ。食え。」
盗みをしないと生きていけない。そんな生き方は、遅かれ早かれ危険な事に手を出して死ぬ。そんな現実は、許さない。
「は?」
「食料っす。お菓子も人参もあるっす。」
目を丸くするガキ共に、飯を提供した。
ちょっと待て、ハクレン。人参は喜ばないと思うぞ?なにが、任せてくださいだ。
「俺達は、施しは、受けない。」
「施しが嫌なら、仕事をさせてやる。盗みを働くやつに反論などさせん。いいから、黙って、食いやがれ!」
ガキ共を気迫で飲み込む。そして、意識の切れた間隙を狙い、優しい言葉で籠絡する係のハクレンが動く。
「はい、ウサギさんクッキーっす。」
「おぃひぃ。」
「なっ、ミーシャ食ったのか!?」
「ケンカ駄目っす。ほらほら、まだあるっす。」
一人落ちたら早くて、バクバクと食らうガキ共。ただし、満腹になったら、たぶん寝るから、量は少なめだ。
風呂屋に入れて、ボロ布[破損]から、貧乏人の服[N]に着替えさせる。
そして、酒場の掃除をさせるが、ガキ共は、まだ役に立たない。
やる気はあるようだが、見える所しか掃除をしない。なので、一手を打つ。サクラとして一緒に掃除していたミケに合図を送る。
「にゃあ!こんな所に小銀貨が落ちてました。」
それを聞いて、ガキ共の目の色が変わる。羨ましいと思う者。なぜ?報告したのか、バカめと思う者。諦めている者。
バラバラの気持ちを纏めるのが、リーダーだ。これは、俺の仕事。
「良かったな、ミケ。見つけた金は、高くても全額くれてやる。分け合う必要は無い。ただし、掃除をサボった場合だけは没収だ。」
「ありがと、にゃん。」
なに?貰えるのか?ならば欲しい。ガキ共の気持ちが1つになる。机の下が、宝置き場に見えてきただろ?実際、酔っぱらいは、小銭とか落とすしな。
「あったぁ。しかも銀貨だ。」
「良かったな、坊主。掃除に励めよ。」
仲間が見付ければ、もう駄目だ。目の色を変えた真剣な掃除が、スタートした。
「ミケ、ご苦労さま。名演技だったぞ。約束のまたたび酒だ。」
「ありがとにゃん。」
そこには、悪い大人の裏取引があった。
主人公は誰がいい?
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豚野郎 ダスト
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美少女 ダストちゃん
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男の娘 ダスト君
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美男 Dust
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でぶ女 D