平穏な1日の始まり。
手斧を振り回す令嬢ドールのストーカー行為から開放されて、気が抜けていたのかもしれない。
それは、ちょっとした興味からだった。
禁断の果実に、手が伸びる。
男は、アダムとイブが、楽園エデンを、追い出される原因となった知恵の実に、愚かにも手を出した。
魔が差したんだ。
キラリと艶めく赤。
手で、その玉肌をキュキュッとコスり、表面にかけられたワックスを滑らかにすると、艶を増して、宝石のように輝く。
それを、かぷりと、思い切りよく、かぶりつくと、爽やかな酸味が口の中で弾ける。
そんなかつての記憶が、梅干しを見ると唾液がでるように、条件反射で気付いた時には、手袋を脱がせていた。
テーブルの上に置かれた、その娘が、誘惑してきたように感じる。『私は、磨けば、光る娘だよ』と。
だから、
つい、手を出してしまった。
ピカァ!
「えっ??林檎も光るの!」
異能発動ーーーー
『|絶対美少女化(ハーレム)!!』
進化前:林檎
↓
成功
↓
名前:リンゴ
種族:樹人『林檎』(美少女)
外観:オカッパ頭の白い幼女。照れると真っ赤になる。
装備:裸→森のワンピース[R]
弱点:裸足
特記:寿命(1日)
異世界に美少女が生まれた。
白い肌、銀のオカッパ髪。緑の髪留め。爽やかでいて甘い薄緑のワンピース。スカートから覗く細い素足は、ふにふにとしている。幼いけど、ちょっとエッチな甘酸っぱい女の子。
顔を真っ赤にしながら、恥ずかしそうに言ってきた。
「リンゴだよ。おにーさん、私を食べちゃいたいんですよね?」
爆弾を投下した幼女は、両手で真っ赤な顔を隠して、小さな指の隙間からチラチラと、ダストを見てくる。
助けを求めてコイシちゃんを見たダストは、コイシちゃんの最近少し豊かになりつつある表情が、すんっ、と無表情に戻ったのに気付き、慌てる。
「え!?コイシちゃん。誤解だ、だから、そんな目で見ないで。」
爆撃は、なおも止まらない。
「リンゴに、かぶりつきたいんでしょ?知ってるんだから。」
「それは、擬人化前の話だから。なっ。」
必死に抵抗する。幼女に欲情とか事案であるし、ただの健全な食欲だったと、誤解を解くべく徹底抗戦。
「でも、リンゴを女にしたのは、ダストさんでしょ。」
「ぐっ。言い方ぁ!」
悶絶するダスト。完全に、この耳年増な幼女に、手玉に取られていた。
「誘い受けなのかなぁ。やれやれ、リンゴから手を出して、あ、げ、る。」
「ひぃぃぃ。あ、あれ?」
リンゴちゃんは、果敢な攻めだったけど、如何せんお子様なのだ。文字通り、ダストの手を繋ぐだけに、留まった。
「ドキドキした?」
「ハッ。フハハ。お子様が、何を言っているのやら。この(オッパイ)マエストロである俺をからかうなど、ん?」
何か変だ?ダストは、そんな違和感を感じた。繋いだ手が熱いような気がするが、子供の体温だからだろうか?いや、それだけでは、無い気がする。
「恋人繋ぎだけど、ドキドキした?」
「くぅぅぅ。これが、噂の恋人繋ぎなのかーー。」
顔を、赤らめて、ぼしょぼしょと喋るリンゴちゃんに、ノックアウトされた。
絡められた指先に、心臓はドクドクと血液を送り込む。
禁断の果実に手を出してしまった豚野郎ダストは、猫屋敷という楽園から、出る事になるのだが、それは、次のお話。
主人公は誰がいい?
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豚野郎 ダスト
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美少女 ダストちゃん
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男の娘 ダスト君
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美男 Dust
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でぶ女 D