猫屋敷から出る、なんて言ったけど、リンゴに「お外を見たい」と可愛く強請られて、ちょっと外出する事になっただけだ。
ちなみに、夕方までには、帰る予定。その時は、酒場のVIPルームに招待しよう。
と、その前に、障害物を、はがさなきゃならん。ふぅ・・。
「にゃーん。可愛いにゃん、お姉さんの妹にならないかにゃん。」
「ピンクなら、もっとリンゴちゃんを可愛くしてあげられるですにゃ。」
「にゃふふふ。」
「はわわわ。」
すっかり猫娘のアイドルに、いや、おもちゃかな?なったようだ。
「はい。一旦、終わり。リンゴは、これから、俺とお出掛けするから。」
怯えたリンゴが、隠れるように、俺の足元に、ひしっと、しがみついてきた。
お出掛けだが、リンゴは、始まりの日の俺と同じく素足で現れたので、今日は背負って歩く事にしよう。
靴を作ってもいいが、めちゃめちゃ軽く、背負っても、なんら問題は無いので、明日でいいかな。
と、ここで、予想外の展開となる。俺への信頼感を超えた依存心からか、リンゴが、ハクレンに乗ろうとしないのだ。
「え?ウチの方が乗り心地いいっすよ。凄い早いし。ねっ、ねっ。」
「フハハ、選ばれたのは俺でした。」
「リンゴちゃーん、考え直すっす。」
馬としてのプライドがあったらしいハクレンは、いつになく真剣だ。
少し優越感を刺激されたダストは、悪い顔で、お茶のCM風に、からかった。
「おにーさんが、いいの」
ジャンプして、ぎゅ、っと首に抱き着いてきたリンゴちゃんは、背中でぷらーんと脱力したので、ダストは、足場になるように、太ましい腕を足元に入れてやり、肩車への移行を促した。
「んしょ、んしょ。おぉーっ。」
よたよたと、ダストの肩に這い上がったリンゴは、高くなった景色に感動していた。
ハクレンの方が、背は、高いが、安定感ではダストの圧勝である。広い背中は、男性にしかない力強さに満ちており、リンゴは信頼感を寄せた。
「でもな、ハクレンの方が、凄いから、ハクレンにも後で乗せて貰いな。」
「いやー、おにーさんがいい。」
正直に、自己申告するダスト。しかし、わしゃわしゃと、髪の毛を毟るように、拒否するリンゴ。
仕方がない子だ。求められたなら、応えようか、エスコートは、男の矜持。
「よぉしっ。約束だ。今日は、1日、俺が乗せてやる!」
「うわぁーい。ありがとう!」
ふと、ハクレンを見ると、予想外に意気消沈していて、哀愁が漂っている。そっか、そんな事に、プライドを持っていたとは知らなかったよ。
「ハクレン。安心しろ、俺は、お前にしか乗らないから。」
「ご、御主人様ぁ。」
うるうると、瞳を潤ませ、復活するハクレンが、パタパタと付いてきた。ちょろ可愛い。
コイシちゃんは、猫娘と、ふりふりと、手を振ってお見送りしてくくれた。今日は、店のお手伝いの日らしい。
酒場は、経営が順調なので、やりたい時に参加するスタンスで良いのだが、なんかシフト表があるらしい。
やる気に水を差すのもアレなので、黙認している。
「では、ダスト号、出発っ。いってきまーす。」
街をプラプラとする。
買食いに食べ歩きなんかもして、悪い遊びを覚えさせる。
「ほへー。ほほー。」
たぶんキラキラと、目を輝かせているだろうリンゴが、背中の上で、はしゃいでいる。
「どこか、行きたい所はあるか?楽しい所とか、美味しい所とか、ふわっとしたので、構わない。」
「んーー?。そうだ!あのね、もっと、上から街を見てみたいです。」
「ふむ。」
「街が一望出来る所を、知ってるっす。これは、名誉挽回っす。」
ふふふと、悪い顔をするハクレン。なんか、くだらない事を考えていそうだ。
主人公は誰がいい?
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豚野郎 ダスト
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美少女 ダストちゃん
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男の娘 ダスト君
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美男 Dust
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でぶ女 D