この世の全てを美少女に!   作:縛炎

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46 林檎2

 

 猫屋敷から出る、なんて言ったけど、リンゴに「お外を見たい」と可愛く強請られて、ちょっと外出する事になっただけだ。

 ちなみに、夕方までには、帰る予定。その時は、酒場のVIPルームに招待しよう。

 

 と、その前に、障害物を、はがさなきゃならん。ふぅ・・。

 

「にゃーん。可愛いにゃん、お姉さんの妹にならないかにゃん。」

「ピンクなら、もっとリンゴちゃんを可愛くしてあげられるですにゃ。」

「にゃふふふ。」

 

「はわわわ。」

 

 すっかり猫娘のアイドルに、いや、おもちゃかな?なったようだ。

 

「はい。一旦、終わり。リンゴは、これから、俺とお出掛けするから。」

 

 怯えたリンゴが、隠れるように、俺の足元に、ひしっと、しがみついてきた。

 

 

 

 お出掛けだが、リンゴは、始まりの日の俺と同じく素足で現れたので、今日は背負って歩く事にしよう。

 

 靴を作ってもいいが、めちゃめちゃ軽く、背負っても、なんら問題は無いので、明日でいいかな。

 

 と、ここで、予想外の展開となる。俺への信頼感を超えた依存心からか、リンゴが、ハクレンに乗ろうとしないのだ。

 

「え?ウチの方が乗り心地いいっすよ。凄い早いし。ねっ、ねっ。」

 

「フハハ、選ばれたのは俺でした。」

 

「リンゴちゃーん、考え直すっす。」

 

 馬としてのプライドがあったらしいハクレンは、いつになく真剣だ。

 少し優越感を刺激されたダストは、悪い顔で、お茶のCM風に、からかった。

 

 

「おにーさんが、いいの」

 

 ジャンプして、ぎゅ、っと首に抱き着いてきたリンゴちゃんは、背中でぷらーんと脱力したので、ダストは、足場になるように、太ましい腕を足元に入れてやり、肩車への移行を促した。

 

「んしょ、んしょ。おぉーっ。」

 

 よたよたと、ダストの肩に這い上がったリンゴは、高くなった景色に感動していた。

 

 ハクレンの方が、背は、高いが、安定感ではダストの圧勝である。広い背中は、男性にしかない力強さに満ちており、リンゴは信頼感を寄せた。

 

「でもな、ハクレンの方が、凄いから、ハクレンにも後で乗せて貰いな。」

 

「いやー、おにーさんがいい。」

 

 正直に、自己申告するダスト。しかし、わしゃわしゃと、髪の毛を毟るように、拒否するリンゴ。

 仕方がない子だ。求められたなら、応えようか、エスコートは、男の矜持。

 

「よぉしっ。約束だ。今日は、1日、俺が乗せてやる!」

 

「うわぁーい。ありがとう!」

 

 

 ふと、ハクレンを見ると、予想外に意気消沈していて、哀愁が漂っている。そっか、そんな事に、プライドを持っていたとは知らなかったよ。

 

「ハクレン。安心しろ、俺は、お前にしか乗らないから。」

 

「ご、御主人様ぁ。」

 

 うるうると、瞳を潤ませ、復活するハクレンが、パタパタと付いてきた。ちょろ可愛い。

 

 コイシちゃんは、猫娘と、ふりふりと、手を振ってお見送りしてくくれた。今日は、店のお手伝いの日らしい。

 酒場は、経営が順調なので、やりたい時に参加するスタンスで良いのだが、なんかシフト表があるらしい。

 やる気に水を差すのもアレなので、黙認している。

 

「では、ダスト号、出発っ。いってきまーす。」

 

 街をプラプラとする。

 買食いに食べ歩きなんかもして、悪い遊びを覚えさせる。

 

「ほへー。ほほー。」

 

 たぶんキラキラと、目を輝かせているだろうリンゴが、背中の上で、はしゃいでいる。

 

「どこか、行きたい所はあるか?楽しい所とか、美味しい所とか、ふわっとしたので、構わない。」

 

「んーー?。そうだ!あのね、もっと、上から街を見てみたいです。」

 

「ふむ。」

 

「街が一望出来る所を、知ってるっす。これは、名誉挽回っす。」

 

 ふふふと、悪い顔をするハクレン。なんか、くだらない事を考えていそうだ。

 

 

 

主人公は誰がいい?

  • 豚野郎 ダスト
  • 美少女 ダストちゃん
  • 男の娘 ダスト君
  • 美男  Dust
  • でぶ女 D

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