この世の全てを美少女に!   作:縛炎

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71 サラ

 

 と、まぁ格好つけたが、俺は優秀ではないし元ニートの豚野郎だ。

 劣っているとまでは思わないが、天才ならニートにならずにすんだルートがあったようにも思う。

 余裕な顔をした白鳥のように水面下で無様に足をバタつかせただけなので、格好良く見えたのなら、昨日頑張った努力が報われたんだろう。

 

 彼女達が、獣人となったのは、昨日の話であり、コイシの話で閃いたダストが馬房に行くと、あの日見た茶色の馬が2頭いた。

 

「長らく待たせたな。俺は覚えていたぞ、お前らの事を。変わりたくはないか?獣人はいいぞ、部屋から自由に出れてベッドもふかふかだ。」

 

 両手を広げて熱い言葉で勧誘してみたが、ハクレンのように寄っては来ない。

 そういえば、そんなヤツラだったか、いや来たのが遅れて拗ねているのかもしれない。

 

「人参だって、好きなだけ食える。ほら、人参だぞ。人参。」

 

 ならばと、アイテムバックから特別な高級人参を取り出して買収を試みるも、無反応。

 人参をぶらぶらさせながらバッドコミュニケーションを続けていると、そんな無様な姿を買い物帰りのハクレンに目撃された。

 

 ハクレンが無言で擦り寄り、手元の人参を欲しそうに見てきたので、なんの役にも立たなかった人参を渡すと、ポリポリと食べ始めた。

 

 馬の目の前で、餌の人参を奪いポリポリと食う美少女に呆れる。

 

「・・ハクレン、何しに来たんだ?」

 

「御主人様。サラとポニーは、人参より果実が好きっすよ?」

 

「そうだったのか!ありがとう。」

 

 アプローチが悪かった事に気付き、試しに青林檎を取り出すと、無愛想だった2頭の馬がスタスタと仲良く近寄ってきて嬉しそうに食べ始めた。

 2頭が食べた事のない完璧な品質の果実だったのか、一口食べた後のテンションは、怪しい薬を与えたように最高潮になる。

 

「もっと食べたいか?」

 

 ブルル!

 

「もっともっと食べたいか?」

 

 ヒィヒィィン!!

 

 涎を垂らして興奮する雌馬達は、最初のクールさは欠片もない。

 現在、異世界のフルーツ業界の最先端を独走する異端児は、双子の心をガッツリと鷲掴む事に成功した。

 

 後は、奇蹟を起こせばいい。

 

「まずは、自覚せよ。お前達は不自由である。少しの安寧と引換に、不当に、自由を奪われ続けている事を自覚せよ。

餌すら選べない憐れな存在から、自ら食べたいものぐらいは選べる存在へと昇格せよ。

 

俺の元に来い。

さすれば、禁断の果実を、好きなだけ与えよう。

 

・・思い出せ、あの味を。

 

俺は、アレを、持っている。

尽きない量を、持っている。

 

 

そんな生き方で満足か?

違うだろ。

自分の未来ぐらいは、自分で決めやがれ。

 

選べ、自由なる者達よ。

俺と来るならば、その想いを示すべく、全力で飛び込んで来るがいい!」

 

 ダストは言い放つと、手袋を脱ぎ異能の手をかざした。

 

 かざした。

 

 

 ぶるる。

 

 しかしながら、ダストの予想とは異なり、すたすたと2頭は馬房の端へと離れて行った。

 

「え?」

 

 そして、扉を鼻で押して、ダストとハクレンの2人を残して、馬屋の外へと出ていった。

 

「え?自分で出られるの?」

 

「はい、お館様は割と自由を与えてくれる人っすから。」

 

 その情報は、さっきの自由トークをする前に教えて欲しかったな。

 呆然と、干し草の臭いがする馬房を、2頭を追いかけるように出ると、2頭の馬の姿はすでに何処にも見当たらなかった。

 

「フラレたのか、俺は。…心のどこかで、無自覚に彼女達を馬だとみくびっていたのだろうか。」

 

 そんな心に吹いた隙間風を埋めるかのように、ぎゅっと後ろからハクレンに抱き締められて、目頭が熱くなる。

 

「ハクレン。お前ってヤツは。」

 

「御主人様さっきのは格好良かった。うちも微力ながら、お手伝いするっす。」

 

 

 ハクレンに、何か変な事を言われたような気がする。

 

「ん?手伝い?」

 

 バカラッバカラッ!

 

 すると、蹄の音が近づいてきた。

 土煙を上げて、質量のある物体が迫ってくるような?

 

「なんか、あれ近づいてないか?」

 

「御主人様に、全力で飛び込みに来てるはずっすけど?」

 

 ほう?全力で飛び込んで来いとは言ったけど、助走までは望んでいない。

 

 古来、戦場で馬に轢殺された雑兵は多いがそんな危険な戦場を連綿と生き残ってきたエリート雑兵の血をひくダストは、馬に轢かれたら、死ぬと直感的に理解した。

 

 逃げ出そうと身を捩ると、ハクレンにガッチリと、幸せヘッドロックされているため動けない事に気付く。

 幸せヘッドロックとは、背の高いハクレンが抱きつくと、健康的な胸部で頭がホールドされて身動きできなくなる新技である。

 

「・・ところでハクレン、何してるんだ?」

 

「御主人様が、飛び込まれても弾き飛ばされないようにお支えしてるっす!」

 

「ハクレン。お前ってヤツは!」

 

 バカラッ!バカラッ!!

 

 死の足音は、どんどん近づくが、幸せヘッドロックされているため動けない。

 

「離せぇぇええ!」

 

 惨めに生きようと、手を伸ばし足をバタつかせるが動けないものは動けない。

 

 偶然、絶大な破壊力を誇る跳ね上げられた前足に右手が触れなければ、死んでいただろう。

 

 

 光れ右手よ、生命を救い給え。

 

 ピカッ!

 

 

 異能発動ーーーー

 

 『|絶対美少女化(ハーレム)!!』

 

進化前:馬

成功☆

名前:サラ、ポニー

種族:獣人『馬』(美少女)

特長:褐色、背の高い7等身の美少女

異能:水面を駆ける俊脚

特記:双子

装備:Tシャツ、ホットパンツ、ランニングシューズ[R]

 

 異世界に双子の美少女が生まれた。

 

 背の高い7等身の美少女。その褐色の美脚は、水面を駆ける俊脚。地上最速に近い乙女達。純真な大きな瞳。Tシャツ、ホットパンツ、ランニングシューズのスポーティな美少女。

 

 後方のハクレン、前方のサラ、オマケでポニー。

 顔面を幸せサンドされて、ボーリングのピンのように、4人はくるくるとぶっ飛ぶ。

 

 暴れ馬と愛馬の裏切りにより、雑兵ダストは討ち取られた。

 

 

「「御主人様っ、私達を飼ってください!」」

 

 ダストは痛む首を押さえながら、アイテムバックから最高品質の果実を手渡した。

 

「サラとポニー、ダストだ。こちらこそ、よろしく。」

 

 

主人公は誰がいい?

  • 豚野郎 ダスト
  • 美少女 ダストちゃん
  • 男の娘 ダスト君
  • 美男  Dust
  • でぶ女 D
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