「ほら、
「メルカーナの卵では?」
「あれも美味しいけど、断然こっちだから今日はこれね。滅多に入荷しないんだから運がいいよ。」
ドーン!と夕食で置かれた毛蟹サイズの真っ赤な蟹は、片方の爪だけがやたらと大きかった。
地球と違うのは生きてる時から紅いらしい。あと、腐るのが速いので、必ず活きた状態で入荷するとか。氷魔法は珍しいのだろうか?
「濃厚!はぁ?美味っ。」
暴力的に美味い。
地球の蟹も好きだが、何というか格が違う。これを食った後は、へぇ、偽物しか知らないんだとか言ってしまいそうな程に。
「美味じゃ!なんじゃこれ!!」
「これは、なんか苦手ですにゃ。」
ふむ。7人いて、2人だけしか食べられないとかメンバーの偏食が突き抜けてる気がする。
ただ、日本の給食みたいに無理強いしないのが、当ギルドの方針です。
コイシちゃんはそもそも食べないし、ハクレンも今日は食べないらしい。どうやら、おやつを食べ過ぎたのか、ピンク特製ニンジンジュースだけにするようだ。
双子のサラとポニーは、仲良く果実を食べて蕩けるような顔をしている。
つまり戦えるのは2人だけ。
「俺が、責任持って全部喰ってやるよぉぉ!」
「1人にはさせん、妾も手伝うのじゃ!」
ロリが珍しく頑張ったようだが、その小さき身体では無理なようで。
「む、無念じゃ。」
「心配はいらん。後は、俺に任せろ!」
くはっ美味い。
殻は、コイシちゃんが剥き剥きしてくれるのでワンコ蕎麦のように圧倒的スピードで食いまくる。
幸せすぎんだろ!
「はい、ダスト剥けたよ?」
「ありがとう、コイシちゃん。」
俺は、止まらない。走り続ける男だ。
ついには敵を打ち倒し全てを胃袋へと納めると、湧き上がるレベルアップするかのような満足感が体を満たす。
食べ終わった後に遅れてくる充実感。
なみなみと幸せを注がれて受け止めきれず溢れて、それが風呂のように溜まり身体がポカポカと温まるような。
幸せゲージは既に振り切っているのだが、コイシちゃんが汚れた口元を拭いてくれたりと世話を焼いてくれ、さらにゲージの先へと連れて行ってくれる。
「ふぅー。御馳走様。明日は、この紅葉蟹を狩りに行かないか?」
「師匠、その
「とは、言ってもなあ。」
「あのままでは何日やっても捕まえられぬじゃろう。
いつも背筋を伸ばした行儀正しいロリのリリイがぶっ倒れてる。
「リリイなんで寝てるんだ、俺の真似か?」
「うるさいのじゃ。腹が膨れ過ぎてうごけぬ。妾に関わるでない。」
手をプラプラと振るリリイ。からかうチャンスだが、俺も動けないので見逃してやろうか。
「でも、森守は偏屈なんだろ?」
「大丈夫。ダストなら出来るよ。」
根拠の無さそうなコイシちゃんの発言に、撫で撫でが加わると、何故かどんな事でも出来そうな気がしてくる。
彼女は勇気と自信を与えてくれる。コイシちゃんは何時だって優しい。
これだけ背中を押されたら、豚野郎だって空を飛べるさ。
「よしっ、明日は森守に会いに行こう!」
主人公は誰がいい?
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豚野郎 ダスト
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美少女 ダストちゃん
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男の娘 ダスト君
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美男 Dust
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でぶ女 D