この世の全てを美少女に!   作:縛炎

82 / 106
83 女体化して魚釣り

 

 長く艶めいた黒髪を持つ乙女。細い肢体。しなやかな張りのある玉肌に、ふくらみかけた胸は、穢れなきドレスに包まれる。

 

 無限の活力と寵愛。

 

 

 男根の消失。

 

「ダストちゃん、参上☆」

 

 

 せっかく、豚野郎が美少女に女体化した

というのに、ロリババアは泣き叫ぶ。

 

「なっなんじゃ。妾は、また旦那様を亡くしてしまったのか。なんいという薄幸の未亡人なのじゃ。」

 

「うるさいなー。いや、俺だけは戻れるし。そもそも、リリイとは結婚してないからな?」

 

 自由に性別を変えられる事を知っているメンバーは、またかという顔だが、初めて見たロリと森守達の狼狽は激しい。

 

「も、戻れるじゃと!?」

 

「そうだが。」

 

 ホッと安心したリリイは、またわたわたと動き出す。これだけ驚いてくれたら、なんか嬉しい。

 

「何で、美少女になったのじゃ?」

 

「え?魚釣りの為にって流れだっただろ。道具が無いって自分が言ってたのを、もう忘れたのか。」

 

 このロリは、中身がババアなのでアルツハイマーなのかもしれないとダストちゃんは、失礼な事を考える。

 

「何でじゃ?」

 

「だから、」ぶつっ。

 

 説明が面倒になったので、実演する。

 長く伸びた黒髪を一房、ナイフでぶっつりと切ると、さらにリリイが驚く。

 

「ひぃぃぃ!お主様、髪は命じゃぞ。失恋でもしたのか?」

 

「え?」

 

 する訳が無いだろ、俺は美少女の中でも別格の美少女なんだぞ。

 アシンメトリーな髪形が可愛いまであるし、このまま街を歩いたら、真似して失敗する残念女子を作ってしまう罪作りな女の子だぞ☆

 ほら、あの森守の犬娘の彼氏のハミルトン?も、なんか俺に熱い視線向けてるんだろが。死ねばいいのに。

 

「ぐるる。ハーミット、浮気は、許さないですわん。がぶぅ。」

 

「痛っ、何するんだ。ペス。」

 

 大丈夫か?あのカップル。

 夫婦喧嘩は犬も食わないというので放置して、頼れるパートナーのコイシちゃんに、髪の毛を渡す。

 

「コイシちゃん、これを結んで魚釣りのラインを作って欲しいんだけど。」

 

「いいよ。任せて欲しいかな。」

 

 やる気満々のコイシちゃんが、可愛いよう。

 

「なる程!髪の毛で釣り糸を作るのじゃな。餌はあるし竿は良いとして、釣り針は、どうするのじゃ?」

 

「それも作る。森守の爺さん、この辺りで、固くて軽い枝はないか?」

 

「ダスト様、ポムの枝がいいですな。すぐご用意致します。」

 

 貰った枝を、両方が尖った爪楊枝みたいにナイフで削って加工して、真ん中を糸で結べば完成だ。

 

「そんなので、釣れるのじゃ?」

 

「まぁ、それなりに、だろうがな。」

 

 リリイは知らなかったが、ここまでは、昔ながらの漁のやり方だ。

 しかし、ここは異世界。もう一つ越えなければいけないハードルがある。

 

「お主様よ、透明空魚(クリアフィッシュ)は、大気を泳いでおる上、池の中程におるのじゃ。錘を付けて仕掛けを投げたら池底に沈むと思うのじゃが。そうなっては釣れんぞ。」

 

 そうなんだよね。空を泳ぐ、池の上にいる魚を釣らなくてはいけない。

 しかし、池はモンスターに襲われる可能性があり入れない。

 

「しかし、俺に秘策あり。猫娘ピンク、仕事の時間だ。」

 

「師匠、何をすればいいんですにゃ?」

 

 猫娘の優れた獣人の身体能力がうずく。

 

 

主人公は誰がいい?

  • 豚野郎 ダスト
  • 美少女 ダストちゃん
  • 男の娘 ダスト君
  • 美男  Dust
  • でぶ女 D

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。