「さぁ、俺が全員まとめて女にしてやるぜ」
勇者ダストは、無数の紅葉蟹の軍勢へと挑む!手をワキワキとさせて、漲る闘志を表現した。
「ひぃ。」
その迫力に、生まれたてのエルフの少女のエルフAは悲鳴を上げた。人間怖いよと震える。
カチカチカチ!
しかし、紅葉蟹は微塵も臆さない。
真紅の軍勢はまるで嘲笑うかのように、凡庸な者へ挑発をしてきた。
お前に何が出来るんだ?言ってみろと。
驕りでは無く彼我の戦力差は歴然で、ハラ立つ程にハサミを振り上げ、巣穴に出たり入ったりとデモンストレーションを繰り返す。
速いっ。
「良いだろう、その挑発を受けてやる。宣言する、今日中にフルコンプだ!蟹どもめ、どうやら俺の力を見せつける時が来たようだな。」
ごくりっと誰かの喉がなる。
圧倒的に不利な状況を覆す秘策は、あるのだろうか?
優れた身体能力を持つ獣人ですら、苦戦した相手に、無力な男がいったいどんな叡智で挑むのか。
獣人は野生の力を得るために、知性を捧げた。代償も無く高みに昇れるなど、ゆめゆめ思うなかれ。
ならば簡単だ、猫娘ピンクより多くを捧げればいい。
肉体のエリートは知っている。
思考は、足枷であると。
ポリポリ、ゴクンッ!
それは準備完了の音だ。
いざ、出撃せよ。
「ハクレン サラ ポニー 俺からのオーダーは、フルコンプだ。任せたぞ!」
キリリと決め顔で、あろう事かこの豚は、当然のように他人に任せた。頭脳担当だから、後は仲間を信じると厚顔無恥に言い放つ。
「御主人様、任せるっす。」
「「りょーかいっ。」」
!?
蟹達は、戸惑う。あれ?それは聞いてないよ、冗談だよな、ダストさん。
カチカチ。。
常識を超えた速度の馬娘達に、まるで買い物カゴに商品を入れるかのようにひょいっと捕らえられ、蟹は、スカーフェイスの前に捧げられた。
ダストはニカッと笑う。
もう、終わりだ。
「恥ずかしがらなくていい。俺が、女にしてやる。神秘のベールを脱ぎ、この異世界をファンタジーとして完成させろ。エルフぅう。」
パパパン
異能発動ーーーー
『|絶対美少女化(ハーレム)!!』
名前:エルフA 進化可能(2/12)
名前:エルフB 進化可能(1/9)
名前:エルフC 進化可能(1/12)
ガッカリするような解決策に、ある者はドン引きした。ある者は生暖かく見守る。ある者は称賛を贈る。評価は様々だ。
だが、どうでもいい。
他人の評価など。
他人の意見はすぐ変わる。振りかざしていた正義がくるっと。誰かがイイネと言うだけで、悪役から英雄へと一夜にして祭り上げられる。そんなものだ。
そんなものに振り回されるな。
必要なのは覚悟だ。
覚悟はあるか?あるッ、俺には、エルフを愛でる覚悟がある!
「艶やかに変われ、女の喜びに目覚めろ。」
パパパン!
右手が輝き、奇跡を成す。
名前:エルフA 進化可能(3/12)
名前:エルフC 進化可能(2/9)
名前:エルフF 進化可能(1/12)
他人の目を気にして、部屋から一歩も出る事の出来なかった10年は、もはや過去の話。
男は、囚人から勇者へと成長を遂げた!
コイシちゃんの無根拠で全幅の信頼が男に自信という翼を与えた。
「ダストなら出来るよ。」
信じてくれる人がいるならば、豚野郎だって空を飛べる。
「この世界にはお前が必要なんだ!エルフゥゥウ。」
パパパン!
右手が光り量産型エルフを産み出す。
俺は異世界でやり直せた。でも、それは単に幸運だったに過ぎない。
TVで見たゴミ屋敷の女に酷く共感した事を思い出す。
女は、綺麗好きだったけど、一つゴミを部屋に捨てた日から歯車が狂ったと言っていた。
その通りなんだろう。
その言葉に嘘は感じられなかった。
戻りたいと足掻くが、自尊心を捨てた部屋が、生きる活力を奪っていく。どんな高性能能な車もエネルギーが切れたら動けない。
気付いて!私は笑っているけど心の中は泣いてるの、お願いだから気付いてと部屋が悲鳴を上げていた。
彼女に足りなかったのはキッカケだ。
ニートと同じく何も悪くない、悪くないんだっ!
「もう落ちている物を食う生活はしなくていい。もう泣かなくていい。もっと自分に優しくしてやれ。俺が断言するっ、お前は美しいっ!」
パ、パパン!
この異世界に3人の美少女が生まれた。
落ち葉を食料とする紅葉蟹は、ファンタジーを席巻する女優へと鮮烈なデビューを果たした。
赤の森の一角で、光りが明滅する。次々とエルフが産み落とされていた。
貧乳エルフ達は、わらわらと逃げ出し、森の中へと隠れていく。
主人公は誰がいい?
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豚野郎 ダスト
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美少女 ダストちゃん
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男の娘 ダスト君
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美男 Dust
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でぶ女 D