「ギャアアアアアアアア!!!!!」
断末魔の悲鳴を上げながらゲネルセルタスの形を模した甲虫種モンスターの集合体は灰と化していく。しかしなおもミラバルカンは攻撃の手を緩めようとはしない。
「オラオラ!さっさと燃え尽きろ!!!」
虫たちは果敢にミラバルカンへと向かっていくが、悉く焼き尽くされ、数分後には旧砦跡はいつも通りの静けさを取り戻していた。
・・・
「バルカンちゃん!お久しぶりです!」
「おうボレアス。久しぶりだな」
ミラボレアスがバルカンに笑顔で駆け寄る。駆け寄ったところでふと何かを思い出したかのようにミラボレアスは尋ねた。
「そういえばアルバ君の神域は・・・」
「あん?ああ、安心しろ一応残っているから」
逆に神域が残らないってどういう状況だろうか。とシンバルが思ったところでミラボレアスの口から衝撃的な言葉が飛びだす
「アルバ君、今までバルカンちゃんが神域を燃やし尽くしたせいで8回ほど引っ越していますからね」
「まあ大体アイツが悪いけどな。」
「それは・・・否定できません」
「ところでこいつらは誰なんだ?」
バルカンがティガレックス亜種達を見ながらミラボレアスに尋ねる。
「アルバ君から聞いていませんか?私が働いている何でも屋さんの方々ですよ」
「ああ、なんかそんなこと言ってたな」
バルカンはティガレックス亜種達に向き直る。
「ボレアスの姉のバルカンだ。妹がいつも世話になっている。」
先程の苛烈な雰囲気とは打って変わって殊勝な態度にティガレックス亜種やイビルジョーは面食らう。
「お、おう」
「よろしくー」
いつも通りに挨拶する2人。しかしバルカンはその2人を無視すると、隣で棒立ちになっているシンバルに詰め寄った。
「お前がシンバルか」
「な、何か用ですかニャ・・・?!」
震える声で尋ねるシンバル。するとバルカンはこう答えた。
「いや、アルバのクソ兄貴がお前の料理について自慢してたから、一度飯作ってもらいたくてな」
「ニャ?!そうだったのかニャ?!」
バルカンの言葉に驚くシンバル。後ろでは
「確かにシンバルの飯は美味いよな。」
「言えてるー」
ティガレックス亜種とイビルジョーが賛同していた。それを聞いたバルカンは
「おし、じゃあ今倒したこいつらでなんか作ってくれ」
先程倒したゲネルセルタスを指し示しながら言い放つ。
「流石に無理だニャ。」
「え・・・」
シンバルに断られ、あからさまに残念がるバルカン。
「甲虫種じゃなくて飛竜とかだったらなんとか・・・」
哀れに思ったシンバルが代替案をだすと、バルカンはとんでもないことを言い始めた。
「飛竜か?なら今から下僕のアカム連れてくるから・・・」
「ままま待つニャ-!そんな大きいの連れてこられても困るニャ-!!」
「あん?じゃあウカムの方が良いのか?」
「そういう問題じゃ無いニャーーー!!!」
シンバルがバルカンを必死になって引き留めている後ろでティガレックス亜種はどこか腑に落ちないような顔をしながら思案に耽ていた。
「おかしい・・・なんで甲虫種モンスター達がこんなに集まって悪さをしてたのか・・・こいつら群れで動くタイプじゃないってのに・・・」
ティガレックス亜種は首をひねる。その時、旧砦跡に赤い影が降り立つ。
「あ!アルバさんだニャ!」
「ああ?!あのクソ兄貴何しに来やがった!」
悪態をつくバルカン。当のアルバトリオンはティガレックス亜種達に駆け寄るなり慌てたような口調でこう告げた。
「まずいぞ。クシャルダオラの所にフルフルとギギネブラが軍勢を率いて押し寄せたらしい。すまぬが救援を頼む。」
シンバルがバルカンの方を見ると、バルカンの口からは唾液がしたたり落ちていた。
これから会話文多めでもよろしいですか?
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OK
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しっかり地の文書けや!