「よくも可愛い可愛いコハルちゃんを!!」ドカッ
「・・・!」ドゴスカバキッ
イビルジョーとラージャンは向かってくる盗賊を悉く叩きのめしていった。シンバルはその光景をキリンと共に荷車の中から眺めていた。
「ああ・・・イビルさんやりすぎだニャ・・・」
「おじさん!そこ!右フック!左ストレート!右アッパー!」
キリンに関してはラージャンが盗賊達をボコボコにしているのをまるで格闘技を見るような感覚で見ている。
「来い!!
「助けて!!やだああああ!!」
「イヤアアアアア!」
「にゃー」
そうしていると、一人の盗賊が荷車の中に入るなり、ユクモ村の子供二人とコハルを無理矢理つれて外に出てしまった。盗賊達ははイビルジョーとラージャンの前に2人の子供とコハルを投げ捨てると一目散に逃走しようとし、
「へへっあいつらに気を取られている隙に逃げるぞお前ら!!」
「「「おおおおおお!!!!!」」」
「・・・・!」カッ
「「「「うわああああああ!!」」」」
ラージャンの気光ブレスにより一掃された。
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
「い、いやだ・・いやだ・・」
「たすけて・・たすけて・・・」
目の前にいるイビルジョーとラージャンに怯える2人の子供達。しかし、いつまで経っても痛みが来ないことを不思議に思い、うっすらと目を開けてみるとそこには思いがけない光景が飛び込んできた。
「にゃーにゃー」
「ガウガウ」
なんと1匹の小さいアイルーがイビルジョーに抱きついているのだ。イビルジョーも喜んでいるようにも見える。目の前のあり得ない光景に呆然としていると
「大丈夫ニャ。この人は僕らの見方だニャ!」
2人の子供が後ろを振り返ると小さなキリンを引き連れたアイルーが立っていた。
「ほ、ほんとう・・・?」
「本当だニャ!」
「ガウ」ウンウン
「みんな!出てきても大丈夫ニャよ!」
シンバルの一声により、荷車に閉じ込められていた子供たちが恐る恐るでてきた。
「イビルさん、しばらく子供たちと遊んでくれないかニャ?」
「ガウ!」
イビルジョーはうなづくと子供たちを自分の体に乗せたり、尻尾を滑り台にしたりなどとして子供たちと遊び始めた。
「高―い!」
「すっげえええ!」
初めは怖がっていた子供たちも徐々にイビルジョーと遊ぶことを楽しみ始め、イビルジョーもまんざらでもない様子だった。
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
「こりゃ一体どうなってんだ?」
ティガレックス亜種が駆け付けると、そこには叩きのめされ山積みとなっている盗賊たちとラージャンと抱き合う小さなキリン。そして、子供たちと遊ぶイビルジョーであった。
「あ!黒ティガさん!」
「シンバルか。無事だったのか」
「はいニャ。イビルさんが助けてくれたんだニャ。ところであのラージャンはだれかニャ?」
「客だ。なんかキリンの幼体を探していたらしい。まあそれも解決したらしいが」
ティガレックス亜種が見る先にはキリンと戯れる寡黙なラージャンの姿があった。
「なるほどニャ。」
「んで、あの人間の餓鬼どもはなんだ?」
「ユクモ村の子だニャ。奴隷目的で盗賊たちが連れてきたんだニャ」
「なるほどな。ほんじゃこいつらユクモ村まで連れていくか・・・めんどいけど」
「わかったニャ」
シンバルは立ち上がりイビルジョーに声をかける。
「イビルさーん。遊びはここまでにしてユクモ村に向かうニャ!」
「わかったー」
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
一方ユクモ村では大変な騒ぎとなっていた。盗賊が子供をさらっていったことを受け、すぐにギルドナイトに救援を要請した。幸いにも龍識船がユクモ村近辺を飛行しており、すぐにギルドナイトが駆けつけてくれる手はずとなっていた。そこまではよかったのだが
「け、警報!警報!こちらにイビルジョー、ラージャン及びティガレックス亜種がまっすぐユクモ村に向かってきます!」
「なんですって!盗賊たちの襲撃にあったばかりだというのに・・・今すぐ村人たちを集会浴場へと避難させなさい!」
予期せぬモンスターの襲来。しかも気性が荒く、一体でも生態系が崩壊するモンスターが3体もまっすぐこちらに向かってくるというのであれば話は変わってくる。普段はおっとりとしているユクモ村の村長が声を荒げ指示を飛ばす
「よお!久方ぶりに来てみたが大変なことになってるみてえだな」
村長が後ろを振り返ると筋骨隆々とした金髪の壮年の男が立っていた。彼は近年発見された新大陸を調査する調査団の一期団団長で彼を知るものからは大団長と呼ばれている。
「大団長様!どうしてここへ」
「ギルドナイトの奴らからユクモ村から救難要請が来たと聞いてな、ついてきたんだが大変な時に来ちまったらしいな」
「ええ、盗賊に子供たちを奪われた挙句、モンスターが襲来など・・」
悲壮な顔を浮かべるユクモ村村長。大団長は彼女の肩に手を置き、慰める。
「お前さんのせいじゃないさ。まあ、俺たちに任せろ!」
「来ました!門前から100メートルの位置!」
「おいでなすったか!」
見張りの言葉に一斉に武器を構えるギルドナイトと、拳を固める大団長。
大団長が見る先には横一列に並ぶモンスターたち。しかし何か様子がおかしい。大団長がギルドナイトらとともによく目を凝らしてみるとにわかには信じられない光景が飛び込んできた。
「大団長!あれは!」
「なんと・・・」
「こりゃ一体・・どうなってんだ?」
大団長らの目に飛び込んできたのは、背中に子供たちを乗せるイビルジョーの姿であった。
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
「なんとまあ・・そんなことが」
人間とは話せないティガレックス亜種たちに変わり、シンバルがここまでの経緯をユクモ村の村長や大団長、そしてギルドナイトらに報告する。
「そうだニャ盗賊たちはみんなイビルさんとラーさんが叩きのめしたニャ」
「・・・世の中不思議なことがあるもんだ。モンスターが人助け、いやモンスター助けか」
大団長がイビルジョーたちを見て笑う。
そこへギルドナイトの2人が口を開いた。
「団長殿、これはギルドへ報告すべきかと。」
「貴重な理性を持つモンスターたちです。狩猟されるわけにはいきません。」
ギルドナイト二人の言葉に大団長も唸る。
「確かにな。それにこいつらにはこの村の子供たちを救ってもらった恩がある。」
「私からもギルドへはこの方々を狩猟しないよう掛け合ってみます。」
ユクモ村の村長からも後押し。それと
「よろしくお願いしますだニャ。この人たちは僕たちの恩人でもあるから狩らないでほしいのニャ」
「おねがいします」
頭を下げるアイルー兄妹の姿に大団長はギルドへ直談判をする決意を固めた。
「それじゃ僕たちは帰るニャ。ユクモ村村長さん、何かあれば何でも屋さんに来てほしいニャ!」
うんうんと頷くイビルジョーとティガレックス亜種そしてなぜかラージャンとキリン。
「わかりました。頼りにさせてもらいますね」
にこやかにお辞儀をするユクモ村村長。それを見たモンスターたちは渓流へと帰っていった。
私皆さんの感想を読むのが好きなので感想お待ちしています!
これから会話文多めでもよろしいですか?
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OK
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しっかり地の文書けや!