ユクモ村での出来事があってから一週間が経った。何でも屋最初の客となったラージャンは三日ほどティガレックス亜種たちのもとで生活すると、用事があるからと砂漠のほうへとまた旅に出た。キリンもついていこうとしたのだが、ラージャンが危険だからという理由でティガレックス亜種たちのところへ預けていった。キリンはかなりごねたが、一か月後に戻ってくるという約束をラージャンと交わし納得した。
「キリンちゃん!あそぼ!」
「いいよ!なにするー?」
初め、キリンは大丈夫だろうかと心配していたシンバルであったが、それは杞憂であった。
コハルはキリンが大好きで、キリンもまんざらでもない様子だ。シンバルから見てもキリンはコハルのお姉さんのようになっており、種族が違うことを除けば仲睦まじい姉妹にしか見えない。
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雲一つ無い青空。心地の良い木漏れ日。今日の渓流もとても平和であった。しかし、なんとも言えない違和感をティガレックス亜種とイビルジョーは感じていた。
「なんか今日変じゃないか?」
「そうだねー鳥の一匹も飛んでないしー」
そんな中、誰かが尋ねてきたらしい。なんとも言えない違和感を感じながらもティガレックス亜種は頭を仕事モードに切り換える。
「お、客が来たな」
「おおー」
「シンバル出てくれ」
「わかったニャ」
トテトテと客を出迎えに行くシンバル。数秒後この世のものとは思えないシンバルの悲鳴が轟き、ティガレックス亜種たちが見に行くとそこにいたのは
「」ヘンジガナイタダノシカバネノヨウダ
気絶するシンバルと
「ちょっと!しっかりしてください!お医者様はいらっしゃいませんか?!?!」
気絶したシンバルを必死で介護する黒龍ミラボレアスであった。
数秒後イビルジョーの悲鳴とティガレックス亜種の大咆哮が渓流全体に響き渡った。
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(ねえ!黒ティガ!どうする?!)
(しるか!つか黒龍が来るなんて予想できるわけないだろ!!)
ひそひそとミラボレアスに聞こえないような音量で会話をするティガレックス亜種とイビルジョー。その横で復活したシンバルは黙ってミラボレアスにお茶を出す。
ちなみにシンバルはこの日を堺に、いちいち驚いていたら心臓がいくつあってもたりないと思い、どんなお客が来ても普通のお客として対応することを心の中で密かに決めた。
「あ、あの~」
おずおずとミラボレアスが口を開く。
「なななななんでしょうかお客様ママママ」
噛み噛みになりながらも接客をするティガレックス亜種の姿勢にイビルジョーは心の中で賞賛の拍手を送る。
そしてミラボレアスが出した依頼は
「どうやったら怖がられないようになりますか?」
予想だにしない物であり
「「は?」」
それを聞いたティガレックス亜種とイビルジョーはおそらく今まで生きてきた中で一番間抜けな顔をしていた。
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「えーと、つまり友達が欲しいのに怖い見た目のせいで友達ができないのが悩みでそれを解決してほしいと・・」
「はい・・・」
ミラボレアスの依頼は極めて単純なものだった。友達が欲しいのだが自分の見た目のせいで友達が一切できないこと。それを解決して欲しいというのがミラボレアスの依頼だった。
「いままで友達作ろうとしたことはー?」
「あるにはあるのですが・・」
「おお、その行動力があるなら」
「はじめにラオシャンロン君と友達になろうとしたのですが、私が目覚めるたびにどこかへ行ってしまうらしく一度も会えなくて・・」
「ああ、うん」
何かを察したように頷くイビルジョー。
「次にオオナズチちゃんのところへ行ったのですが見つからないし・・・」
ため息をつきながら友達作りが今までに一度も上手くいっていないことを話すミラボレアス。ティガレックッス亜種は少し考え込みミラボレアスと友達になれそうな古龍の名前を挙げた。
「アルバトリオンとかはどうだ?同じ古龍だろ。俺どんな奴か知らないけど」
「え?アルバ君は私のお兄ちゃんですよ?」
「ごっふぁああ」
ミラボレアスの予期せぬカミングアウトにシンバルはお茶を盛大に噴出した。
「あ、ちなみにアルバ君は長男です。その下にバルカンちゃん、さらにその下に私がきます」
「バルカンちゃんってミラバルカンのことだよな・・・」
「僕は考えるのを放棄するよー」
「そういえばご両親はだれなのですかニャ?」
シンバルが何気ない質問をミラボレアスに投げかける。
「お母さんがミラルーツで、お父さんがグランミラオスです。」
それを聞いてシンバルはひっくり返った。
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「そもそも何で私はこんなに怖がられているんでしょうか?」
ミラボレアスが困ったように首をかしげる。
「そりゃーねえ」
イビルジョーが気まずそうにティガレックス亜種を見る
「人間の王国を一晩で崩壊させたりとかー・・・」
ティガレックス亜種も気まずそうにミラボレアスを見る。
「あっあれは!地面の中で眠っていた私の上に勝手にお城を建てるのが悪いんです!」
哀れシュレイド王国。偶々国を建てたところが強大な古龍の上だったとか運が無さ過ぎだろ。とティガレックス亜種は心の中で合掌した。
「はあ・・・どうしたら良いんでしょうか・・・」
ミラボレアスはうなだれている。
ティガレックス亜種もイビルジョーも完全に手詰まりであった。そんなとき外で遊んでいたキリンとコハルが帰ってきた。
「「ただいまー」」
「お帰りなさいだニャ」
シンバルが二人を出迎える。するとコハルは尋ねてきていたミラボレアスが気になったのかミラボレアスに近づいていく。
「おねーさん誰?わたしはコハルっていうの!」
「わ、わたしですか?私はミラボレアスという者です」
「みらおれあす?うーんむずかしい・・・」
「呼びやすい呼び方でも結構ですよ」
優しげなミラボレアスの言葉にコハルは少し考えると笑顔を浮かべながら
「じゃあ、みら!みらって呼んでも良い?」
「ええ、良いですよコハルちゃん。」
ミラボレアスもコハルの言葉に笑顔で応える。
「やったー!」
喜ぶコハルに思わず笑顔になるミラボレアス。
ひとしきり喜んだコハルははっとしたようにミラボレアスに駆け寄る
「みら!コハルとともだちになって!」
突然のコハルの提案に思わず驚くミラボレアス。
「・・?!コハルちゃん私が怖くないのですか?!」
「ううん?おねーちゃんきれいだもん!ね!キリンちゃん!」
「うん!大人の女って感じでとってもきれい!」
「・・・///」キュン
「あの、依頼内容変更してもいいですか?」
「?いいけど」
ティガレックス亜種が不思議そうな顔をしつつも頷く。
「私をここで雇ってください!」
本日二度目のティガレックス亜種の大咆哮が渓流に響き渡った。
▼ミラボレアスが従業員になりました。
これから会話文多めでもよろしいですか?
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OK
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しっかり地の文書けや!