渓流に冬がやってきた。
「じんぐーべーるじんぐーべーる鈴がーなるー♪」
「じんぐーべーるじんぐーべーる♪」
コハルとキリンが仲良く歌っている、イビルジョーとティガレックス亜種にはなんの歌かはさっぱり分かっていないが、楽しそうな二人を見て和んでいる。
そこへミラボレアスとシンバルがユクモ村への買い出しから戻ってきた。
「ただいまだニャ-」
「只今戻りました!」
「おかえりー寒かったでしょー」
「シンバル早くホットドリンクくれ」
ティガレックス亜種はシンバルから渡されたホットドリンクをがぶ飲みし、ミラボレアスとイビルジョーはたき火で暖を取っている。そんな中シンバルの目にふと楽しげに歌うコハルとキリンが移る。
「あ・・・そういえば・・・」
その歌を聴いてシンバルが何かを思い出したかのようにはっとする。その時何でも屋の所へ来客があった。
「ティガレックス亜種殿は居られるか?」
「ニャ。ジンオウガさん!それにリオレウスさんも!」
シンバルはとりあえず二人を中へと案内した。ジンオウガとリオレウスはティガレックス亜種とイビルジョーの目の前に来ると唐突に口を開いた。
「実はな、渓流の子供達がクリスマスはなんだ、サンタはなんだと質問攻めにされてな。」
「私も最近生まれた我が子達からクリスマスを出せ!サンタを出せ!とせがまれていまして・・・」
どこか疲れた顔をしているリオレウス。実は先月、卵がかえり彼の子供が生まれたのだ。リオレウスの子供は5人兄妹で嫁のリオレイアと共に育児に追われている。ただ疲れの原因はそれだけではないだろうと顔面や翼に刺さっている尾棘からシンバルは推察する。
「どこから噂が出たのか・・・そも我らにはクリスマスという風習はないのだが」
ジンオウガのため息交じりの言葉からシンバルは目をそらす。
「なるほどねー」
「安心しろ!俺に考えがある。」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
コハルとキリンを留守番させ、ティガレックス亜種達は渓流の人気の無い場所へと来ていた。
「で、どうするのー」
「とりあえずクリスマスについてはシンバルが知っているから・・・シンバル、クリスマスについて教えてくれ」
ティガレックス亜種がシンバルに質問する。シンバルはオホンと咳をするとクリスマスについての説明を始めた。
「クリスマスって言うのはざっくり言うと冬の日にサンタさんが子供達の寝ている間にプレゼントを配ってくれる日の事ニャ。その日はもみの木を飾ったりするのが常識ニャ。」
「あ!ユクモ村にあったもみの木とかはそういう意味があったんですね!」
ミラボレアスがなるほどっと言った表情をする。
「サンタさんって誰―?」
「赤い服に真っ白なおひげを生やした人の事にゃ。」
イビルジョーの質問に言葉だけ言っても分からないと思ったシンバルがサンタさんの絵を描く。
「ふむふむ・・・赤くて白い・・・」
ミラボレアスがシンバルの絵を見ながら何かを考え込む。
「で、結局どうする黒ティガー?」
「とりあえずでかい箱を作る。手伝えイビル。」
「箱?いいけど何で?」
「餓鬼共を運ぶんだよ!とにかくクリスマスは冬の行事って事だから雪が沢山あるところに行った方が良いだろ!」
「なるほどーさすが黒ティガ頭良いね!」
それはそうとっとシンバルが口を挟む。
「子供達を運ぶとしてどこ行くニャ?」
「それなら私に考えがあります!」
任せてください!とミラボレアスは胸を張る。
「よし!決まりだ!・・・とそうだクリスマスっていつだ?
「え?明後日だニャ」
シンバルがきょとんとしながらティガレックス亜種の質問に答える。その瞬間シンバルの真横を3つの突風が吹き抜けた
「ななななんニャーーー!!!」
思わず尻餅をつくシンバル。突風が過ぎ去り、打ったおしりをさすりながらよろよろと立ち上がると目の前には誰もいなかった。
・・・・・・・・・・
・・・・・
そして二日後の夜。渓流の上空には見事な満月が浮かんでおり、雲一つ無く星が瞬く絶好の日和だった。渓流の家の残骸が点在するエリアにティガレックス亜種達は、何でも屋のメンバーに加えて大きなくちばしと鮮やかな体毛を持つ鳥竜を連れてきていた。この鳥竜の名は彩鳥クルペッコ。数年前にティガレックス亜種と何故か意気投合し、たまに会う仲となっている。この日のためにティガレックス亜種は自慢の大咆吼で水没林からクルペッコを呼び出したのである。
「よし!クルペッコ、餓鬼共を呼び出せ!」
「OK!キッズ達を集めるゼ~」
クルペッコはティガレックス亜種に指示され自身を象徴する赤い鳴き袋を大きく膨らませ鳴き声を発する。その音は笛のような、どこか異国を思わせるかのような音色であった。クルペッコは何度も鳴き袋を膨らまし、鳴き続けた。鳴き声がやむ頃には渓流に住むモンスターの子供達が集まってきていた。
レウス夫妻の5つ子にジンオウガの子供達3人兄妹。他にもナルガクルガの双子にタマミツネの子供が2人、そしてアイルーの里の子供達が5人・・・とかなり集まっていた。それに加えて
「おいクルペッコおまえ・・・」
「てへペコ☆」
「「「「「「・・・」」」」」」
6人のユクモ村の子供達がいた。
「人間にもこの鳴き声効くなんて驚きだゼ☆」
「バカヤローーーーー!!!!」
ティガレックス亜種の咆吼がクルペッコを吹き飛ばした。それを見て怯える子供達。
「もーだめだよ黒ティガー子供達怖がってるじゃん」
そう言いながら子供達に近づくイビルジョー。すると子供達はイビルジョーの元へと寄っていき、イビルジョーに話しかけ始めた。
「あ!この前の竜さんだ!」
「またあそんでー」
わいわいと足下とに群れる子供達にでれでれのイビルジョー。それを見たコハルは何故かむくれており、キリンが必死になだめている。
「この子達どうするのー?」
イビルジョーがティガレックス亜種に問いかける。普通だったら置いていくのだろうが、
「連れてくに決まってるだろ!人間だからって残してったら可哀想じゃねーか!」
「さっすがー」
このティガレックス亜種は普通ではなかった。
「シンバル、人間以外の餓鬼共に殺し合いはするなと伝えておけよ。人間の子供の世話はお前に任せる。」
「任せるニャ!」
シンバルは大きく頷き、ユクモ村の子供達の所へと駆けていった。
「よーしクリスマス作戦実行だ!」
「おー!」
「お、おー」
ティガレックス亜種、イビルジョー、そしてミラボレアスは前脚を大きく振り上げた。
「ミラ、目的の場所までは大変だと思うが頼むぞ」
今回の計画ではミラボレアスが一人で目的の場所まで全員の乗る箱を運ぶこととなっているためティガレックス亜種はそこが気がかりとなっていた。しかし、ミラボレアスは大丈夫です!と明るい笑顔で返す。
「なんかお兄ちゃんが運ぶの手伝ってくれるみたいで・・あ!来ました!」
山の向こうから何かがやってきた。大きな翼、そして天を穿つような角、そして全身を覆う逆鱗、そう煌黒龍アルバトリオンである。
「またせたなボレアス。」
「皆さん、紹介します!私のお兄ちゃんアルバ君です!」
「「「」」」
ティガレックス亜種達は固まった。
感想お待ちしています。割と感想乞食です。
これから会話文多めでもよろしいですか?
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OK
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しっかり地の文書けや!