アズールレーン ー我が黒鉄は血に染まりてー   作:白黒モンブラン

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出会ったのは、敵の様で敵ではないと語る謎多きKAN-SEN。






ドルフロの方が少し行き詰ったので、こっちの方を投稿。


第二話

「お友達を探しに?」

 

「うん…」

 

彼女達三人の現れた謎の男は、煙草を吹かしながら少しだけ距離を取って話を聞いていた。

距離を取っている理由としては煙が彼女達にかからない様にする配慮である。最初こそはレッドアクシズ所属のKAN-SENだと思われ一触即発状態になりかけたのだが、本人曰く「自分は鉄血であって鉄血でない」とあいまいな答え方をし、またアズールレーン側に敵対するつもりはないと告げている。

現状でも疑惑は残っているのだが意外な事にユニコーンが、お友達のゆーちゃんを探していると伝えそれを聞いた彼は親身になって話を聞いていた。

 

「えっと、そのゆーちゃんて言うのはどんな子なの?何か絵とか写真があれば助かるんだけど」

 

ゆーちゃんというのがどんな姿をしているのか分かる訳もなく、至極当然な事を聞く彼。

その問いに答える様にユニコーンは手に持っていたスケッチブックに描いたお友達の絵を見せる。それを見た彼はとても上手く描けているその絵に上手だね、と素直な感想を伝えると指を顎に当て思い出す素振りを見せたのち何かを思い出したのか、数秒でその態勢は解かれた。

 

「その子なら一度こっちに来たよ」

 

「ホント!?」

 

「うん。でも君たちを行き違いになったのかな。ゆーちゃんがここを後にしたのは君達がここに来る十分前だったから」

 

やっと得られた目撃情報だったのに、行き違いになってしまった事に悲しそうにするユニコーン。

それを見た彼は吸っていた煙草の火を消し、吸い殻捨てケースに押し込むとそっと彼女に近づき身をかがめ視線を合わせと自身の手をユニコーンの頭の上にポン、と置いた。

 

「大丈夫、きっと見つかるから。君が居て、一緒に探してくれている二人がいるんだ。ここで諦めたら駄目だよ」

 

優しい笑みをうかべ、ユニコーンの頭を優しく撫でる彼。

それが勇気となり彼女の目は変わる。その目はまだ諦めないと言わんばかりだ。

これなら大丈夫だろうと判断した彼はユニコーンの肩を掴み後ろと反転させる。

 

「さ、ここを出て探しに行ってらっしゃい。その努力は決して無駄にならないから」

 

「…うん!」

 

そっと背中を押してやるとユニコーンはそのまま出口へと歩き出す。彼はジャベリンとラフィーに視線を送ると二人は黙ってうなずきユニコーンの後を追っていく。

出口へと向かって行く三人が小さくなるまでその背を見届ける彼。見えなくなるまでそこで立ち尽くしたの内そっと彼女達へとエールを送る。

 

「頑張れ」

 

その瞳は優しく、慈愛に満ちていた。

 

 

 

 

 

 

後に彼女達はゆーちゃんを発見し、彼女と出会う。

しかしそれはこれから起きる運命の始まりに過ぎない。

そして獣は動き出す。十字架を背負い血に染まりし獣が。

 

 

 

 

 

 

ユニコーン達が洞窟を出ていった直ぐの事。

洞窟の主たる彼は鎮座する船の上で煙草を吹かしていた。

 

「誰かと喋ったのは何時振りかな」

 

彼の脳裏に浮かぶは金髪の女性。鉄血の指導者でカリスマ性にあふれ、厳格な所が特徴。

しかし寝たきり状態だった彼と出会った時、彼女は何を話していいかと思いながらあたふたしていた。

普段では見られぬ姿という事もあってか、付き添いで来ていたKAN-SENは驚いていたとか。

 

「…」

 

ゆらゆらと紫煙が上がる。

懐かしむ表情は一変し、どこか諦めた様な表情へと変わる。

 

「もう戻れないさ」

 

それが何に対してなのか。

分かるのは彼のみ。

静かに目を伏せた時―――

 

 

 

敵襲を知らせるサイレンの音が響き渡った。

 

 

 

「!」

 

一瞬にして見開かれる瞳。

その場から立ち上がると遠くから砲撃音や爆発音が響き始めていた。

外で何が起きているのか言わずとも彼は分かっていた。

 

「戦闘…」

 

船へと視線を向ける。

鎮座する船は何も答えない。だけど彼が何をするのかなんて分かっていた。

その証拠に船から光が放たれ、粒子状へ変貌していく。そしてそれは彼を集まりだし、形成していく。

この船は仮初めの姿に過ぎない。何故ならば本当の姿が存在しないのだから。開発艦という名目で生み出された二隻は、生きようとした一人の青年に全てを託した。

一隻は重巡、一隻は戦艦。その二隻が合わさった影響で本来の姿を得る事はできなくなってしまう。故に仮初めの姿が必要とした。それがあの船なのだ。

そしてその姿は黒鉄に血が通ったかのように、新しい姿となりて正体を現す。

禍々しさにあふれ、見た者に恐怖を与える巨大な鮫の様な艤装に砲身が折り畳まれた何かの武装が二基、そして背にはまるで尻尾の様なブレードが備わっている。腰に配置された広がる4つの装甲板に各種兵装と盾の様な何か。

手には青年の身の丈以上はあるであろう巨大な鉄塊。そしてその鉄塊を握る為に肘から先は鋭き爪が備わった戦闘籠手を装備、砲撃戦にも対応できる様に203mm単装砲を装備していた。

最早超重装備とも言える姿。しかしその姿は数年前から変わらない。只々暴れたあの時と何一つ。

 

「行こう」

 

彼は海面を蹴り水飛沫を上げて外へと勢い良く飛び出す。

 

 

 

 

 

 

この時をもって、運命は動き出した。

 

 

 

 

 

 

黒き鉄は歪みながらもその身に血を流し、この大海原に獣の如く己の存在を此処に示す。




未だに主人公の名前が出てこないと言う謎の現象。
因みに主人公の装備している艤装ですが、色んな意味でごっちゃしております。
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