古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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それでは、はじまりはじまり!


第一章『最初の戦争!』
第一話「はじまり!」


 

 

「お姉ちゃん、本当にいい天気だね~!こんな天気だとつい楽しい気分にならない?」

 

晴れわたる青空。

満開の桜並木。

そして気持ちいい風。

新学期をむかえるには絶好の天気だよね!

 

「なにが楽しい気分よ・・・。こいしから無意識のうちにテストが終わってたと聞かされて、気を病んでいるのが私だけっておかしいと思うわよ・・・。しかもお空はテストの日付を忘れて欠席するし・・・。」

 

「でもお姉ちゃんはテストはわりと出来たんでしょ?」

 

「・・・まあ、私はBクラスは行けると思うわよ。お燐も同じくらいって言ってたし。」

 

「だったらもっと明るい表情しないの?」

 

「こいし、あんたのせいでこうなってるのよ!あんたにもお空にも勉強教えたのに、完全に無駄になってるわけじゃない!バカ。」

 

お姉ちゃんがおこだ。

いつもみたいにやさしくしてくれない。

・・・あれ、おかしいな。

なんだか無意識のうちに目から塩水が出てきたよ・・・?

 

「・・・一緒のクラスになれれば嬉しかったのに。」

 

「お姉ちゃん、何か言った?」

 

「何も言ってないわよ。」

 

お姉ちゃんが冷たいよ。

ちなみに、お姉ちゃんの名前は古明地さとり。

そして、私は古明地こいし。

お姉ちゃんのことは大好きだから、普段優しいお姉ちゃんにこう冷たくされると悲しい。

そう思いながら歩いていると、いつのまにか校門まで来ていた。

 

「おはようございます、西村先生。」

 

校門に立っている先生にお姉ちゃんがあいさつをする。

その先生は西村先生、通称鉄人だったかな。

私もあいさつしないと!

 

「おはよう、鉄人!」

 

「教師にタメ口を使うな!それと西村先生と呼べ!」

 

・・・痛い。

無意識に言ってしまったせいで、げんこつを落とされた。

手加減はしてくれてるみたいだけど、それでも痛い。

 

「まあ、これはあんたが悪いわね。」

 

とどめにお姉ちゃんの言葉が突き刺さる。

 

「・・・まあいい。とりあえず、これを受けとれ。」

 

渡されたのは二つの封筒。

名前を確認し、自分のをとる。

この封筒の中に書かれたクラスが、この1年過ごすクラスとなる。

一番上はAクラス。

そして、最下位がFクラス。

上位になるほどいい設備があって、成績順に振り分けられるんだけど、私は無意識のうちにテスト終わってたから、結果はわかってるんだよね。

 

「お姉ちゃ~ん、どうだった?」

 

「私はBクラスよ。あんたも、結果がわかってるとはいっても見ておきなさいよ。」

 

言われて封筒を開く。

やはりFクラス。

 

「なんというか、お前は頭が悪い訳ではないのだが・・・。テスト中の休み時間にふらっと出ていったきり、戻ってこない生徒はお前がはじめてだ、まったく。まあ、今年は0点扱いの生徒が数人いるが・・・。姉のほうはよく頑張ったな。Bクラスでも2位だから、あともう少し取れていればAクラスに入れたのはおしかったな。」

 

「ありがとうございます。」

 

「だが、これで満足せずにこれからもしっかりと励むように。応援しているぞ。」

 

「はい。」

 

クラスのチェックも終わったから、教室に向かおうっと。

・・・でも、まだ時間あるしAクラス覗いていこうかな?

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・これはすごい。」

 

私が予想していたより、Aクラスはものすごかった。

教室もやたら広いし、高級そうな絨毯や絵画も見える。

それに、個人用にノートパソコン、エアコン、冷蔵庫といった設備もあるみたい。

椅子もリクライニングシートだし。

・・・ちょっと、いやかなりやりすぎじゃないかな?

 

「ついでに、お姉ちゃんの教室も見ていこうかな~?」

 

Aクラスの隣にBクラスがあるため、覗いていく。

こっちも広い。

Aクラスの半分程度だけど、Aクラスが異常に広いから、Bクラスも充分なんだよね。

Aクラスみたいにぶっとんでは無いものの、白を基調としたデザインが高級感をただよわせてる。

机や椅子も使いやすそうだし、お姉ちゃんがここに来れてよかったよ!

私も楽しい学園生活目指して頑張ろー!

 

 

 

 

 

「う、うっわぁ・・・。」

 

早速気持ちが折れかけたよ・・・。

窓ガラスは一部割れていて、畳や木も腐っているところがちらほら。

机はちゃぶ台で、椅子なんてない。

2ーFと書かれた看板は今にも壊れそうで・・・・・・あ、今割れた。

AやBクラス見た後だから余計辛いな・・・。

 

「・・・まあ、ここで立っててもしょうがないよね。よし、気を取り直して行こう!」

 

きっと、この教室とは違って明るく楽しい人達がいるはずだよ!

気を取り直して、笑顔でこの扉を開けよう!

 

ガラッ!

 

「早く座れ、このウジ虫野郎。」

 

・・・ぶわっ!

あまりの酷い言い草に涙が溢れたよ!

ひどい!

私の気持ちを返して!

 

「・・・っと、お前は古明地か。人違いだ、すまん。明久だと思ったんだ。」

 

あらためて見てみると、私をウジ虫呼ばわりしたのは、私の友達の坂本雄二だった。

180センチを超えてる巨体に赤髪。

悪い人ではないけど、私をウジ虫呼ばわりしたのはひどいよ。

 

「坂本君もこのクラスなの?」

 

「おう、他にもいるぞ。」

 

そう言いつつ、坂本君が振り返る。

 

「おっ、古明地じゃないか!私もこのクラスだぜ!」

 

「あっ、魔理沙!このクラスだったんだね~。」

 

私に手を振ってきたのは霧雨魔理沙。

悪い子じゃないんだけど、人をからかうのが好きなのと借りたものなかなか返さないんだよね・・・。

 

「あ、そういえばお姉ちゃんがいい加減貸した本を返してくれって言ってたよ?」

 

「おう、また今度返すってつたえといてくれ!」

 

このやりとり、もう十七回目なんだよね。

 

「こいしちゃん、はろはろ~!」

 

すると、また別の人が手を振ってくる。

彼女は島田美波だ。

ドイツからの帰国子女で、すらっとした体と明るい色のポニーテールが魅力的な女の子。

胸が小さいことを気にしてるけど、私だってあんまないんだし、気にしなくていいと思うんだけどね~。

 

「やっほ~美波ちゃん!やっぱり問題が読めなかったの?」

 

「う、うるさいわね、その通りよ!ウチは問題さえ読めればいい成績出せるんだから!」

 

実際、漢字をあまり使わない数学の成績はいいから、この言葉は間違ってないんだよね。

 

「すまぬ、そこを通してくれるかの?」

 

「あ、ごめんね秀吉君。確かにここじゃ邪魔だったね。」

 

彼じ・・・彼も、私の友達で、木下秀吉というんだけど、女子と見間違えるような綺麗な顔してるんだよね。

演劇が好きで、声を自在に変えられるのが羨ましいんだよね~。

 

「お空も一緒なのね~。あはよ~!」

 

「あっ、こいしちゃん!おはよ~!」

 

秀吉君の後ろから入ってきたのは、私の一番の親友の霊路地空。

あまり頭は良くないんだけど、優しい娘だし面白いから、一緒にいて楽しいんだよね!

お姉ちゃんも言ってた通り、テストの日程を忘れてたみたいで、Fクラスになっちゃったみたいだけど、同じクラスになれたから結果オーライだよね!

話していたらチャイムが鳴ったため、席に座ろうとしたところで気付く。

 

「ところで坂本君。私はどこに座ればいいの?」

 

「あー、この教室は座席とか特に決まってないみたいでな。適当にしてくれ。」

 

な、なんて適当なんだろ・・・。

まあ、お空と隣になれるからいっか!

私とお空が席に着いた時、再び扉が開く。

 

「すいません、ちょっと遅れました!」

 

「早く座れ、このウジ虫野郎。」

 

「ひどい!可愛い生徒に向かって第一声がそれなんて、教育者としてあんま・・・・・・・あれ、雄二じゃん。何してるの?」

 

「教師が来るまで何となくここにいただけだ。代表としてここを使うことになると思うしな。だが明久、お前は可愛い生徒の中に入らないと思うぞ。ブサイクだからな。」

 

「雄二には言われたくないやいっ!」

 

今入ってきて、坂本君と喧嘩しているのが吉井明久。

明るくて優しいし、料理もできるし、運動神経も悪くないし、顔もブサイクじゃないけど、バカなんだよね・・・。

 

「だいたい、いきなりウジ虫野郎呼ばわりする雄二の心の方がブサイクじゃないかっ!綺麗な心の僕とは五十歩百歩じゃないか!」

 

ね。

五十歩百歩はほとんど差がない時に使うものなんだけどな・・・。

 

「えーと、ちょっと通して貰えませんか?」

 

言い争ってる二人の後ろから、中年の男性がやってくる。

生徒には見えないし、多分担任だよね。

 

「・・・では、HRを始めます。皆さん、席に着いてください。」

 

その言葉で、坂本君と吉井君、その他話していた生徒が席に着く。

 

「えー、おはようございます、私は2年Fクラスの担任を担当する福原槙と申します。よろしくお願いします。」

 

・・・・・・えーと、今黒板の方を見て、こちらを向いたのは特に深い意味はないんだよね?

私には、黒板に名前を書こうとしてチョークがなくて止めたように見えるけど、深い意味はないんだよね?

 

「皆さん、全員にちゃぶ台とざぶとんは用意されていますか?設備に何か不備があれば申し出てください。」

 

一応改善はしてくれるのかな?

私のところには不備はないけど、みんなはどうなんだろう?

 

「先生、俺のざぶとんに綿がほとんど入っていないです。」

 

「我慢してください。」

 

「先生、すきま風が入り込んで寒いです。」

 

「我慢してください。」

 

「先生、ちゃぶ台の足が折れたんですけど。」

 

「我慢してください。」

 

「無理だっつーの!」

 

「はっはっは、冗談です。木工ボンドとビニールテープの申請をしておきましょう。」

 

えーと、ここは地獄か何かなのかな?

蜘蛛の糸のような救いの手すら見えないんだけど・・・。

 

「必要なものがあれば、極力自分で調達するようにしてください。・・・他に設備の不備はないようなので自己紹介を始めましょう。廊下側の人からお願いします。」

 

(((((いや、不備たくさんあるけどね・・・。)))))

 

言っても我慢してくださいと言われるとわかってるから黙ってるだけで・・・。

クラス全員の意見が一致したと思うよ・・・。

その時、前の扉が開かれた。




いかがでしたか?
原作と一部違うところはあります。
それと、ポケきらの方は投稿をしばらく中止します。
ちょっと展開がうまくいかないので…。

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