古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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第十話「因果応報!」

 

 

 

「・・・なるほど。私達の完敗ですね。」

 

「にゃはは、あんな奥の手を隠し持ってたなんて知らなかったよ。」

 

「お姉ちゃん達もやっぱり強かったよ。もしお姉ちゃんとお燐の得意科目でやられてたら、一瞬でやられてたんじゃないかな?」

 

「お燐もあのシャーッてやる奴凄かったよね!私もやってみたい!」

 

「いや、召喚獣でやっても感覚は感じられないよ?」

 

「うちのクラスの観察処分者の吉井ならできるよ!」

 

「いや、お空が感じる訳じゃないでしょ・・・。」

 

「でもお姉ちゃん、心の眼を使ってなかったよね?」

 

「・・・まあ、これは私にしかできないからね。せっかくの戦いだから、正々堂々と戦いたかったのよ。」

 

「えへへ、お姉ちゃんだ~いすき!」

 

「ひゃっ!だから、いきなり抱きつくのはやめてっていつも・・・」

 

「だって、お姉ちゃんが大好きなんだもん。」

 

「と、とにかく、そういうことは人目があるところではやめなさい!」

 

「はーい・・・。」

 

しょぼーん・・・。

でも、確かに今はやらなきゃいけないことがあるよね。

 

「とにかく、戦後会談を始めるぞ。そっちの取り決め役は古明地姉か?」

 

「いえ、こっちが一応代表なのでそっちにさせます。ほら、とっとと起きなさい。」

 

「・・・わかったよ。」

 

お姉ちゃんが根本を起こす。

ムッツリーニ君に倒されてからずっと座り込んでたんだよね。

聞く体勢になったのを確認した坂本君が話し始める。

 

「さて、本来ならお前たちにちゃぶ台をプレゼントしてやるところだが、特別に免除してやらんこともない。」

 

うんうん。

ここで交換しようとしてたら、お姉ちゃんの椅子にすりすりした後坂本君に《ピー》しようとしてたからよかったよ。

 

「・・・条件はなんだ。」

 

「条件はお前だよ、Bクラス代表さん。」

 

「何・・・だと?」

 

「お前は色々なことをしてきたからな。ツケは払ってもらおう。条件はひと『ちょっと待って。』なんだ古明地?」

 

口を挟んだ私に反応してこちらを向いた坂本君に、私の案を耳打ちする。

 

「・・・なるほど、古明地もなかなかやるな。」

 

「坂本君にはかなわないよ。」

 

「さて、条件は二つだ。まずひとつめはAクラスに行って、試召戦争の準備ができていると伝えることだ。宣戦布告はせずに、あくまで戦争の意思と準備ができていると伝えるだけでな。」

 

「・・・それがひとつめか?」

 

まあ、これだけならさほど難しくないもんね。

でも、まだ続きがあるよ。

 

「・・・ただし、これを来てな。」

 

坂本君が取り出したのは女子の制服。

うん、ハードルがかなり上がるね!

 

「嫌だ、ふざけるな!俺がこんなの着るなんて嫌げふぅ!」

 

「黙らせました。」

 

「お、おう・・・。ありがとな・・・。」

 

騒ぎだした根本に対し、Bクラスの女子生徒が腹パンをかまして黙らせた。

坂本君もあまりの変わり身の早さにひいてる。

 

「任せて。Bクラス全員で責任をもってやらせるわ。」

 

「「「おう!」」」

 

これを見るだけで、彼がどれだけ人望がなかったかわかるよね。

試召戦争の時より団結してるんじゃないかな?

 

「そして、二つ目だが、お前には今からFクラスで異端審問会に出頭してもらう。」

 

「・・・は?」

 

「内容は行ってみてからのお楽しみだ。・・・ま、死ぬなよ。」

 

「ちょっ!?おい、坂本、待ってくげふぅ!」

 

「異端者を確保。直ちに審問会を開始するためにFクラスへ運べ。」

 

「「「はっ!」」」

 

会長の須川君が指示し、根本にふたたび腹パンした後、一糸乱れぬ動きで根本を運ぶ。

 

「とりあえずBクラスのみんなに行っておく。『~しばらくお待ちください~』だ。まあ、そんなに時間は取らせないから待っていてくれ。さてFクラスの奴は行くぞ。」

 

私も行こう~っと!

 

 

 

~しばらくお待ちください~

 

 

 

「さて、次は女装だな。」

 

「・・・気絶してますし、しょうがないので私が着せま『絶対にダメ!』・・・どうしましたか?」

 

お姉ちゃんがあんな汚いのにふれるなんてダメ!

 

「・・・なるほど。皆さん、私がこの男に触れてほしくはないということですか。」

 

「・・・私がやるからさとりちゃんは触らないでおいて。そんな可愛いのに、こんなんで穢れちゃったら勿体無いから!坂本君、制服をちょうだい。」

 

「あ・・・はい、どうも・・・。」

 

根本に知らない女子生徒が女子制服を着せていく。

 

「あ、そうそう、脱がせた男子用の制服は渡してくれ。逃げられないようにな。」

 

「わかったわ。はい。」

 

「とりあえず、せっかくだから可愛くしてあげてね。」

 

「無理ね。土台が腐っているから、いくら飾っても無駄よ。」

 

吉井君の言葉に辛辣な言葉が返されるけど、たしかにそうなりそうだよね。

あ、そうだ!

 

「とりあえず、私が根本君の制服は預かっておくよ。」

 

「「「こいしちゃんがそんなんに触れるなんてとんでもない!!!」」」

 

むー・・・。

みんなに反対されちゃったせいで渡してくれなかったけど、手紙はどうしようかな・・・?

まあ、こっそり行くかな。

みんなが根本君の方を見ている間に制服のポケットから取りだし、こっそりと抜け出して、姫路ちゃんのバッグに手紙を入れて戻る。

あれは、間違いなく吉井君へのラブレターだろうけど、成就するといいね!

私も応援してるよ!

 

「次はこのポーズをしろ。」

 

「はあ!?嫌だ、俺は絶対にしたくねえよ!」

 

「ならBクラスの多数決で決めよう。根本がこのポーズで写真をとられるのに賛成なひとー。ちなみにしなかったらちゃぶ台と座布団だぞー。」

 

「「「はーい。」」」

 

「ほら、お前以外全員賛成だ。やれ。」

 

わー、むごいなー。

まあ、とめないけどね。

 

 

 

 

ちなみに、この後写真撮影され、宣戦布告を女装で行った後、吉井君によって捨てられてた自分の制服を着て、軽く涙を流しながら帰ったみたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Bクラスとの戦いが終わった次の日に補充試験を終わらせ、さらに翌日、私達はついにAクラス戦の時間になっていた。

 

「まずは皆に礼を言いたい。周りの連中には不可能だと言われていたにも関わらずここまで来れたのは、他でもない皆の協力があってのことだ。感謝している。」

 

前に立って話をはじめる坂本君。

坂本君が感謝をあらわすなんて珍しいな~。

 

「雄二がそんなこと言うなんて珍しいね。らしくないよ?」

 

吉井君も感じたみたい。

 

「まあな。でも、これは俺の偽らざる気持ちだ。ここまで来た以上、絶対にAクラスにも勝ちたい。勝って、生き残るには勉強すればいいってもんじゃないという現実を、教師どもに突きつけるんだ!」

 

「「「おーっ!」」」

 

「下克上、成し遂げようぜ!」

 

「皆ありがとう。そして、Aクラス戦だが、一騎討ちで勝負をつけようと思う。」

 

当然、ざわざわするみんな。

まあ、あの場にいなかったら初耳だもんね。

 

「今からきちんと説明する。やるのは当然、俺と翔子だ。」

 

翔子?

えーと、誰のことなのかな?

 

「古明地。翔子っていうのはAクラス代表の霧島のことだ。」

 

へ~、知らなかった。

正邪ちゃん、よく知ってたね。

でも坂本君、下の名前で呼ぶってことはもしかして特別な関係なのかな?

 

「なんで雄二なのさ?姫路さんや稗田さんならともかく、バカで不細工なゴリラな雄二が勝てるわけなああああっ!」

 

「次は耳だ。」

 

吉井君に対し、刃を出したカッターを躊躇なく投げつける坂本君。

ギリギリのところを通ったカッターは後ろの掲示板に突き刺さり、プルプルとふるえている。

吉井君もプルプルと震えている。

 

「まあ、明久の言う通り、まともにやったら勝ち目はないだろう。だが、それはBクラス戦もDクラス戦も同じだった。今回も同じだ。俺達はAクラスに勝ち、システムデスクは俺達のものになる。」

 

どうするつもりなのかな?

Aクラス代表ということは、(途中退席の阿求ちゃんを考えなければ)学年首席ということになるわけだからね。

 

「具体的な作戦としては、日本史で戦う。」

 

「ん?霧島さんって日本史苦手なの?」

 

私はそんな話を聞いたことはないけどな~。

 

「ただし、内容は限定する。レベルは小学生程度、方式は100点満点の上限あり、召喚獣勝負ではなく純粋な点数勝負という感じだ。」

 

「えらくしぼるね?」

 

「それではどちらも満点で延長勝負になってしまうのではないですか?延長になればレベルも上がるでしょうし、厳しいのではないですょうか。」

 

「大丈夫だ。俺は、ある問題が出たらアイツは確実に間違えると知っている。」

 

「?その問題はなんなんだぜ?」

 

「大化の改新だ。」

 

大化の改新・・・ねえ。

それのなんなんだろう?

 

「大化の改新の年号を問う問題が出たら、俺達の勝ちだ。」

 

「でも、霧島さんがそんな簡単なのを間違えるのかな?」

 

私ももちろん覚えてるからね。

大化の改新は645年、簡単だね!

 

「まあな。こんな問題は霊路地や明久でも間違えないはずだ。」

 

「うん!645年だよね!」

 

「ああ。この通りだ。明久だってわかってるだろう。」

 

「お願い・・・・・・、僕を見ないで・・・・・・。」

 

えぇ・・・。

お空でもわかるのに、吉井君・・・。

・・・・・・・うん、聞かなかったことにしよう。

 

「だが、翔子は間違える。それで、俺達の勝ち。はれてこの教室からはおさらばって寸法だ。」

 

「あの、坂本君。その・・・霧島さんとは仲がいいんですか?」

 

「・・・まあ、翔子とは幼馴染みだ。」

 

なーんだ。

てっきりつきあってたりするのかなとか思っちゃったよ。

 

「総員、狙ええぇっ!」

 

すると突然、吉井君の号令で男子生徒全員が上履きを構える。

一昨日異端審問会というのは見たけど、やっぱりこのクラスはわかんないや。

 

「なっ!?なぜ明久の号令で皆が急に上履きを構える!?」

 

「黙れ、男の敵!Aクラスの前にキサマを殺す!」

 

「俺が何をしたと!?」

 

「遺言はそれだけか?・・・待つんだ須川君。靴下はまだ早い。それは押さえつけた後で口に押し込むものだ。」

 

「了解です隊長。」

 

どうやら、美人の幼馴染みがいるという状況が羨ましかったのかな?

根本が粛清された理由もそんな感じだったし。

 

「あ、あの吉井君。吉井君は霧島さんみたいなタイプの女の子が好みなんですか?」

 

「へ?まあ、美人だし。」

 

「・・・・・・」

 

「待って姫路さん!姫路さんはどうして僕に対して上靴を構えているの!?それに美波、教卓は決して僕に投げ当てるものじゃないよ!」

 

まあ、それはなんというか・・・ね。

セリフの選択が間違ってるとしか言えないんじゃないかな。

 

「じ、じゃあアキはウチのこと、どう思ってるの?」

 

「ペッタンコ」

 

「アキのバカあああっ!」

 

「ぎゃあああああっ!」

 

吉井君は教卓の下敷きになっちゃった。

でも、まあ、今のは吉井君の発言が無神経過ぎるのが原因だもんね。

やり過ぎな気はするけど、あんま同情の余地はないかな。

 

「というかお前ら一旦落ち着くべきだぜ!話が進まない!」

 

あ、魔理沙がとめた。

 

「というか、相手はあの霧島翔子じゃぞ。男なんかに興味があるとは思えんじゃろ。」

 

「そういえば、一年生の時、誰が告白しても全員玉砕してたもんね。」

 

あら、吉井君ピンピンしてる。

でも、吉井君と木下君の発言で場は落ち着いたみたいだしよかった。

阿求ちゃんが一人だけ気まずそうな顔をしてるのが少し気になるけど、まあいいか。

 

「とにかく、俺と翔子は幼なじみで、小さなころに間違って嘘を教えていたんだ。そして、アイツは一度覚えたことは忘れない。だから稗田が途中退席をした今、学年トップの座にいる。」

 

なるほどね~。

阿求ちゃんと同じく瞬間記憶能力があるのかな?

点数は阿求ちゃんの方が高いんだけど、そのへんは家の差とかなんだろうね。

阿求ちゃんの日本史と古文はものすごいし。

 

「俺はそれを利用して勝つ。そしたら俺達の設備は・・・」

 

「「「システムデスクだ!」」」

 

クラス全員の声がそろう。

・・・でも、この作戦うまくいくのかな?

なんか、私はうまくいかないような気がするんだよね~。

 

「よしじゃあ明久、宣戦布告にGOだ。」

 

「嫌だよ!なんで僕にばっかりその役目を押しつけようとするのさ!」

 

「安心しろ、冗談だ。今回は交渉があるからな。俺が行く。古明地、正邪、稗田、霧雨、姫路、明久、秀吉、ムッツリーニはついてきてくれ。」

 

みんなでAクラスにGO!だね!




いかがでしたか?
あとがきに書くことがねえ…。
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