みんなで宣戦布告行くことになったけど、そういえばAクラスに誰がいるか、私は知らないんだよね~。
「さて、ついたな。行くぞ。」
坂本君がAクラスの扉を開け放つ。
「・・・あら?阿求、どうしたの?それにいっしょにいる人達は?」
こちらを見て、質問してくる女子生徒。
阿求ちゃんの知り合いなのかな?
「あっ、小鈴じゃない!ひさしぶり!」
「ひさしぶり!体は大丈夫?」
「うん、今は大丈夫よ。小鈴の方はどうなの?」
「うーん、なんというかこのクラス、豪華すぎて落ち着かないんだよね・・・。私はほら、ほどほどに狭い場所でたくさんの本に囲まれてるのが好きだしね。」
「まあ、小鈴らしいよね。」
うん、仲がいいみたいだね。
二人とも笑顔で楽しそうだもん。
「・・・んー?なにこの騒がしいのは・・・ああ、魔理沙じゃない。何してんの?」
「よう霊夢!今日はちょっと用事があるんだぜ?」
「まあよくわかんないけど、とりあえず私は寝るわ・・・。おやすみ・・・。」
「いやいやお姉ちゃん、せっかく魔理沙さんが来てるんだから起きようよ?」
「ん・・・早苗、相手よろしく・・・。」
「まあまあ、霊夢は頑固だから、言っても多分無駄だぜ?」
「むー、でもー。」
「それはお前が一番見てきて知ってるだろ?」
「まあ、そうなんですけど・・・。」
「とりあえずあっちにこいしもいるぞ。」
「やっほー、早苗ちゃ~ん!」
「あ、こいしちゃんじゃん!ひさしぶりだねー!」
「・・・おいお前ら、話の邪魔をしてすまないが、とりあえずあとでにしてくれないか。」
その言葉で、私も阿求ちゃんも魔理沙も気づく。
確かに、ここには宣戦布告に来たんだよね。
それに、木下君・・・じゃなかった木下さんが用件を聞いてきたし。
「で、Fクラスがなんの用かしら?・・・ま、だいたいわかってるけどね。どうせ宣戦布告でしょ?」
「いや?今日は交渉をしに来た。」
「交渉?一応聞かせてもらおうじゃないの。」
木下さんと、早苗ちゃんに小鈴ちゃんが並ぶ。
霊夢さんは寝てた。
にへらっとした表情浮かべてるけど、なにか美味しいものでも食べた夢みてたのかな?
「こちらの望みは、試召戦争ではなく、一騎討ちで勝負をつけることだ。」
「・・・何が狙いなのかしら?」
「もちろん、Fクラスの勝利だ。」
「へえ、ずいぶん大きく出たものね。うちの代表一人なら勝てると言いたいわけ?」
「さあな。それはやってみてのお楽しみだ。」
「結果はわかってるでしょうけどね。当然、Aクラスの負けはないわ。」
「だったら受けてもいいんじゃないか?そうすれば面倒な試召戦争を楽にできるわけだ。」
「「・・・・・・」」
互いに一歩も引こうとしないね。
「でも、こちらがわざわざ提案に乗る理由は無いんじゃないですか?変に楽しようとして負けるより、多少手間でも確実に勝てるほうがいいと思いますよ?・・・お姉ちゃんなら逆のこと言いそうですけど。」
「・・・確かに早苗の言う通りね。残念だけど、その提案は断らせてもらうわ。」
「ま、賢明だな。」
でも、交渉はここからが本番なんだよね。
「ところで、Cクラスとの試召戦争はどうなったんだ?」
「あ、それは問題なく勝ちましたよ!」
「そうか。それは良かったな。で、そのあとにBクラスとやりあってみる気はないか?」
「・・・もしかして、Bクラスって、おととい来てたあの・・・。」
「そう、アレがひきいるクラスだ。」
「あはは、私はああいうクラスと戦争はしたくないですね・・・。」
早苗ちゃんが苦笑いする。
だよね・・・。
私だって嫌だもん。
お姉ちゃんとお燐があのくくりにされるのは嫌だけど。
「でも、BクラスとFクラスの戦争はFクラスの勝利で終わったから、3ヶ月は試召戦争が出来ないんじゃないですか?」
「小鈴、あの戦争は対外的には、『和平交渉にて終結』というかたちになってるわ。」
「稗田の言う通りだ。だから、ルール上は何も問題ないわけだ。そしてDクラスもな。」
なんというか、交渉に乗らなければBクラスとDクラスをけしかけると脅す坂本君って、悪役だよね・・・。
「・・・うまいですね。私達が乗らなければBクラスとDクラスをけしかける・・・と。」
「おいおい、人聞きの悪いことを言うなよ?これはただのお願いだぞ?」
「ふん、よく言うわよ・・・。」
「それなら・・・姫路さ・・・阿求・・・」
「2人以外・・・いや、魔理沙・・・」
木下さん、小鈴さん、早苗ちゃんの3人がひそひそと話し合ってる。
「決めたわ。こちらの条件をのむなら、その条件、のんでもいいわ。でも、のまないのなら決裂よ。」
「・・・聞かせてもらおうか。」
「一騎討ちのことだけど、代表とは別に、6回一騎討ちをしてもらうわ。そして、代表をいれた7回のうち、4回勝った方が勝者というものよ。」
うーん、これは別にこちらがそこまで不利な条件じゃないはずだし、私は受けるべきだと思うかな?
姫路ちゃんや阿求ちゃん以外にも、ムッツリーニ君の保健体育、お空の化学、魔理沙の数学と、科目を絞ればAクラスに対抗できる人達いるもんね。
「なるほどな。こっちから姫路や稗田が出ることを警戒してか。」
「まあね。特に稗田さんは本来なら学年首席だっただろうしね。」
「安心してくれ、こちらからは俺が出る。」
「たとえそれが真実だとしても、信じるのは難しいわね。」
まあそうだよね。
一応ほんとだけど。
「・・・わかった、その条件をのもう。ただし、勝負科目はこちらで決めさせてもらう。それくらいのハンデはあってもいいはずだ。」
坂本君はさらにもう一手。
日本史勝負もあるし、一科目特化の人達(特にムッツリーニ君とお空)は活躍できないもんね。
「んー、それはちょっと厳しいんじゃないですか?わざわざFクラスにハンデを与える理由はありませんよ?」
「・・・受けてもいい。」
「わわっ!」
吉井君、びっくりするからそんな声を急に出さないでほしいな。
今出てきたのは黒髪の美しい女性でAクラスの代表の霧島さんだね。
「・・・雄二の提案、受けてもいい。」
「いいんですか?こちらが受けるメリットは無いですよ?」
「・・・いい。そのかわり、条件がある。」
「ほう、条件とはなんだ?」
「・・・負けたほうが、なんでも言うことを聞く。」
ダバダバダバ(ムッツリーニ君と吉井君が鼻血を出す音)
ブスブスッ(美波ちゃんと魔理沙が目潰しした音)
ジタバタジタバタ(目潰しされた2人が悶える音)
「「目があっ、目があっ!!」」
「でも、あちらに科目選択権を与えるのはまずくないですか?こちらが不利になりますよ。」
「それなら4つだけ相手に決めさせてあげるのはどうかな?それならそこまで不利にはならないよ。」
「確かに、それはいいかもね。坂本代表、それでいいかしら?」
「・・・まあ、いいだろう。」
「これで交渉成立ですね。いつからやりますか?」
「十時からでいいか?」
「・・・構わない。でも雄二。」
「あ?なんだ?」
「・・・絶対、負けないから。」
霧島ちゃんが坂本君の目を見て言う。
おー、なんかいいね~。
「抜かせ。勝つのは俺達だ。」
幼馴染みだからある距離感っていいよね。
「よしじゃあお前ら、一旦教室に戻るぞ。」
「7人って、メンバーは誰にするんだ?」
「それは一応考えてはある。あとで発表するつもりだ。」
「ほう、そいつは気になるな。」
私も楽しみだよ~。
私はでるのかな?
一応、地学ならAクラスに対抗できなくはないかもしれないけどね。
綺麗な石ころ集めるのが好きだったから、自然と頭に入ってるんだよね。
そして十時。
「では、両クラス、準備はいいですか?」
「ああ。」
「・・・問題ない。」
よーし、今から始まるよー!
「ではただいまより、Aクラス対Fクラスの勝負を開始します。早速ひとりめは出てください。」
「じゃ、みんな、行ってくるね~!」
「「「こいしちゃん!頑張ってー!」」」
トップバッターは私。
よーし、頑張ってくるよー!
「なるほどね。ここは私、比那名居天子が行かせてもらうわ。」
相手は青色の長めの髪が美しい人だね。
天子さんっていうのか~。
桃つきの帽子をかぶってるけど、好きなのかな?
でも、なんで室内で帽子?
「よかった、ウチ以外にもあれだけ平らな子がいたのね・・・。」
なんか後ろで美波ちゃんが安心したような声をもらしてる。
どうしたのかな?
「そこ!私のこと平らとかまな板とか洗濯板とか言うんじゃないわよ!」
「ではお二人とも。勝負科目を決めてください。」
「それなら地学で行くわ!」
「!」
やった!
私の一番の得意科目だ!
相手が選んでくれるなんてラッキーだな!
「やった~、私の一番得意な科目なんだ!今回は結構とれたんだよ!サモン!」
私の召喚獣が出てくる。
地学は今回いつもより取れたからよかったな~!
『Fクラス 古明地こいし 地学 411点』
「・・・へえ、なかなかやるじゃない。Fクラスなのに腕輪つきってすごいわね。サモン!でも・・・」
天子さんが召喚獣を呼び出す。
でも、今回はだいぶ取れたし対抗できるくらいには・・・
『Aクラス 比那名居天子 地学 615点』
「私に比べたらまだまだね。」
「「「なにいっ!?」」」
ならなかったかな・・・。
みんなも驚いてるけど、私も驚いてるよ。
でも、やれるだけ頑張る!
さいわい、腕輪もあるし!
相手の召喚獣は剣だね。
「点数は負けてるけど、負けないよ!」
こうなったら、私の腕輪の能力で決める!
私の腕輪は、点数消費は多いけど10秒ほど透明になれる効果があるから、それで攻撃を受ける前にたおしちゃう!
「「「なっ、消えた!?」」」
天子さんも見失ったみたいできょろきょろしてる。
もといた位置から適当に動き、攻撃軌道を読まれないようにしてから攻撃だ!
「くっ・・・!」
『Fクラス 古明地こいし 地学 259点 VS Aクラス 比那名居天子 地学 417点』
私の攻撃で、相手の召喚獣の点数がそこそこ減る。
急所を狙った攻撃だったけど、直前で感じたのか、剣でわずかに軌道をそらされちゃったけど、このままなら行けるかな!
「・・・残念ね。」
「?どうしたの?」
「あんたの召喚獣の能力はだいたい理解したわ。地震『先憂後楽の剣』!」
天子さんがその言葉とともに、剣を床に突き刺す。
実際に揺れたわけじゃないけど、剣が刺さった場所から地震のような衝撃派が広がっていった。
『Fクラス 古明地こいし 地学 0点 VS Aクラス 比那名居天子 地学 217点』
「・・・勝負あったわね。」
一瞬後、そこにはドヤ顔の天子さんと、姿をあらわして倒れてる私の召喚獣がいた。
・・・あら、負けちゃったか。
「では、まずはAクラスが一勝ですね。」
高橋先生が結果をうちこむ。
トップバッターとして勝ちたかったなあ。
「すごいね~、私の場所がわかったのか~。」
「いや、場所はわかってないわよ。私の召喚獣が最初に攻撃された時、私の剣がたまたまかすったのか点数がわずかに減ってたじゃない?だから、無敵ではないと判断して地震という周囲攻撃で撃退しただけ。ふふん、そんなとこを見抜くなんて、さすが私ね!」
ナルシストさんなのかな?
でも、確かにその観察眼は凄いよね。
「まあ、地震は発動時に1センチでもジャンプしてると当たらないんだけどね。攻撃タイミングを予想して、回避できないタイミングを推定して地震をかましてみたわ。それに・・・」
「天子さーん、とりあえずあとでにしてもらってもいいですかー?」
「わわっ、早苗!ちょっ、引っ張らないでよー!」
なおも話し続けようとする天子さんが早苗ちゃんにひっぱられてく。
「・・・みんな、ごめんね。いきなり負けちゃった。」
「気にしなくていいぜ。まだあるんだからな!」
「魔理沙の言う通りだよ!まだまだあるんだから、そんなに気にしないで!」
「・・・でも。」
「それに、地学であんな点数取れる奴なんてうちのクラスにはいないからな。古明地が負けたことを気にする必要はない。」
「そうだよこいしちゃん。私だったら多分3秒でやられてたよ?」
「選択権もつかってないしな。」
「・・・ただ、二連続で負けたらさすがに士気に支障が出るな。ここはムッツリーニを次に出すか。」
「・・・わかった。」
次はムッツリーニ君みたいだね。
私は負けちゃったけど、しっかり勝てるように応援してこう!
いかがでしたか?
東方キャラが基本一点特化なこともあり、インフレがすごいことに。