古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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第十三話「Aクラス戦後半!」

 

 

「よし、じゃあ次は霧雨頼む。」

 

「おう!任せてほしいのだぜ!」

 

「・・・あー、じゃあAクラスからは私が出るわ。」

 

「おう霊夢!やっぱお前が出てきたか!先生、科目は数学で頼むぜ!」

 

「はい、了解しました。」

 

魔理沙の得意科目だか

らね。

次の相手は霊夢さんか~。

 

「頑張ってね、魔理沙~。」

 

「任せてほしいのだぜ!」

 

「あ、そうだ魔理沙、せっかくだからこの勝負で賭けをしない?」

 

「ん?賭け?」

 

「この勝負で私が勝ったら魔理沙は私に昼食2回おごり、私が負けたら私が魔理沙に昼食を1回おごられる、これでどうかしら?」

 

「ちょっと待て!それだと私が勝っても負けても奢ることになるじゃないか!私が勝った時のメリットが一切ないぜ!」

 

「あるじゃない。あんたが勝てば、おごりは1回で済むのよ?」

 

「奢ることを前提に話をしないでくれ霊夢!」

 

「やっぱり、お姉ちゃんは常識にとらわれてないなぁ・・・。」

 

早苗ちゃんが呟く。

私もそう思うよ・・・。

 

「まあ、冗談よ。普通に私が負けたら奢るわよ。そのかわり、私が勝ったら奢りなさい。」

 

「まあ、構わないが・・・、でもお前、金あるのか?」

 

「今月はあと40円ね。大丈夫、1日2円で過ごせば問題ないわ。」

 

「相変わらずだなお前!昭和か!」

 

霊夢さん、人間は1日2円で生活するのは現代では不可能なんだよ・・・。

まあ、霊夢さんカエルでも雑草でも食べるからね。

月末、この近くの海や山いくと、食べられるもの探してる霊夢さんの姿があるから・・・。

 

「でもどうせ私が勝つから問題ないわ。食べ物がかかってる時の私は本気だからね。最悪、早苗に押しつけるわ。」

 

「おいおいお前、姉としてそれはどうなんだよ・・・。」

 

「あの、博麗さん、霧雨さん、とりあえずはじめてもらってもいいですか?」

 

「おっと、そうだったな。サモンだぜ!」

 

「ひさしぶりのまともなごはんのために・・・サモン。」

 

高橋先生に言われ、会話を中断した魔理沙と霊夢さんが召喚獣を呼び出す。

えーと、どうかな?

 

『Fクラス 霧雨魔理沙 数学 433点 VS Aクラス 博麗霊夢 数学 449点』

 

うーん、霊夢さんの方が高いけど、これくらいならまあいけるかな?

というか、霊夢さんはやっぱり赤を基調とした巫女装束なんだね。

手の武器はお祓い棒だし。

まあ、早苗ちゃんもそうだけど神社の神主の家系みたいだし。

母親が違うから、早苗ちゃんと霊夢さんは名字が違うけど。

 

「それじゃあ霊夢、弾幕ごっこと行こうぜ!」

 

「いや、私の召喚獣は弾幕撃てるかわからないんだけど・・・。でも、負けないわよ。」

 

「どっちも腕輪を持ってるけど、この勝負、どうなるかな?」

 

「魔理沙の召喚獣はレーザータイプ、あいつの召喚獣は近接タイプに見えるから、一見魔理沙が有利に見えるんだが、なんか嫌な予感がするんだよな・・・。」

 

「・・・なるほどね。私の召喚獣の特徴、だいたいつかんだわ。」

 

「行くぜ霊夢!」

 

魔理沙が霊夢さんの召喚獣に対してレーザーを乱射する。

霊夢さんはそれをかわすのと、召喚獣の動きに慣れるためか、攻撃も接近もせずに、横に走って回避している。

でも、完全には回避しきれないのか、時々かすり、そのたびに点数をわずかに減らしている霊夢さんの召喚獣。

 

「どうした霊夢?逃げてばっかじゃ勝てないぜ?」

 

「・・・まあ、そうでしょうね。逃げてばっかじゃ勝てない、アンタの言う通りだわ。」

 

「なっ!?いきなりだと!?」

 

でも、霊夢さんはいきなり魔理沙の召喚獣の方に走り出す。

魔理沙もレーザーを放つが全く当たらない。

霊夢さん反射神経もいいからね。

 

「くっ、こうなったら、召喚獣はパワーだぜ!マスタースパーク!」

 

直線で細いレーザーだと放っても回避されるだけだと判断したのか、魔理沙は強力で太いレーザーを放つ。

魔理沙はあれにマスタースパークって名前をつけてるみたいだけど、腕輪の能力だし、特別感はあるよね。

ほぼゼロ距離で、光速で放たれる太いレーザー。

さすがの霊夢さんでも、これはかわしようがないかな・・・。

わかってはいても、動きのスピードの関係で、回避不能な一撃。

 

「・・・ま、予想通りね。二重大結界!」

 

「結界!?」

 

「・・・後ろよ。」

 

霊夢さんの言葉とともに、霊夢さんの召喚獣を結界が包む。

そして、魔理沙のマスタースパークが霊夢さんの目の前で消滅し、魔理沙の真後ろからあらわれる。

なすすべもなく貫かれる魔理沙の召喚獣。

自身が放った技で点数を失い、魔理沙の召喚獣は倒れた。

 

「なん・・・で・・・。」

 

『Fクラス 霧雨魔理沙 数学 0点 VS Aクラス 博麗霊夢 数学 197点』

 

「さて、2勝2敗ですね。」

 

冷静に結果を告げる高橋先生。

ここで勝てればリーチだったんだけど、仕方ないよね。

 

「これで奢り確定ね。ここの冷蔵庫の中のお菓子以外でまともなものを食べるのはひさしぶりだわ~♪」

 

「・・・まあ、私もいいと言ったし、約束は守るが・・・。でもさっきの結界はなんだったんだ?」

 

「ああ、あれ?教えないわよ。また魔理沙からおごってもらう時・・・もとい、再戦の時に不利になるじゃないの。」

 

「むー、ケチ臭いぜ。」

 

「夜も奢ってくれるなら教えてもいいわよ。」

 

「・・・いや、さすがにそれは嫌だぜ。」

 

霊夢さん、食べ物とお金のことになると目の色変えるからね。

タダ飯の機会は決して逃さないし・・・。

 

「あの、博麗さんと霧雨さん、次の試合があるので降りてもらってもいいですか?」

 

高橋先生の言葉で降りる二人。

 

「じゃあ、次は私だね!」

 

「うん、お空、頑張ってきてね。」

 

「私にまかしといてよ!」

 

「さて、お姉ちゃんも勝ったし、私も頑張らないと・・・!」

 

「あなたが私の相手?負けないぞー!」

 

「ええ、よろしくお願いしますね。」

 

「早苗、負けたら承知しないわよー!」

 

「大丈夫ですよ天子さん。しっかり勝ってきますから。お姉ちゃんも見ててね!」

 

「zzz・・・天丼雲丹丼カツ丼うな丼親子丼・・・魔理沙の奢り・・・にへへ~。」

 

「・・・・・・(´・ω・`)」

 

「・・・・・・早苗、ドンマイ、よ。私が見ててあげるから・・・。」

 

しょぼんとする早苗ちゃんが可哀想に思ったのか、慰める比名那居さん。

 

「・・・あの、科目はどうしますか?」

 

「うーん、じゃあ物理で!」

 

「わかりました。」

 

「じゃあ、いくよ!サモン!」

 

『Fクラス 霊路地空 物理 407点』

 

「なるほど、あなたもかなりの高得点なんですね。やっぱり物理、好きなんですか?」

 

「うん!大好きだよ!」

 

「物理、いいですよね。私も大好きなんですよ。サモン!」

 

『Aクラス 東風谷早苗 物理 486点』

 

うーん、ここでもAクラスの方が上か・・・。

 

「たしか、霊路地さんはレーザーを放っていましたよね。それなら私はこうします!準備『神風を呼ぶ星の儀式』!」

 

早苗ちゃんがなにかを唱えるようにすると、地面から緑色の魔法陣みたいなものが出てくる。

 

「わっ!なにっ?・・・あれ?」

 

それをお空が踏んじゃったけど・・・、特に何も変わりはない・・・かな?

 

「じゃあ、行きますよ!」

 

「わわっ、えいっ!」

 

早苗ちゃんの召喚獣がいきなり距離をつめ、肉弾戦を仕掛けてくる。

一応、お空の砲台もわりと強度があるから、剣かわりにも使えなくはないんだけど、相手は点数が高いからちょっと不利だね。

 

「むー、あなた、近接は苦手だと思ったんですが、なかなかやりますね・・・。」

 

「けっこう、ギリギリ、だよ!」

 

早苗ちゃんの武器はないけど、武器もなにもない素手で普通にやりあってる。

坂本君ののようにメリケンサックがあるわけじゃないのに。

リーチはお空のほうがあるけど、火力とスピードは早苗ちゃんのほうが高いね。

どちらも決定的な有効打を与えられず、さっきの魔法陣の上で格闘してる。

 

「よし、今です!これで終わらせますよ!『神の風』!」

 

でも、早苗ちゃんが唱えたことで、魔法陣から緑色の竜巻が発生し、お空の召喚獣が空にうちあげられる。

そして、下で待っているのは早苗ちゃんの召喚獣。

 

「これで、とどめです!八坂スマッシュ!」

 

お空はレーザーを放とうとするも、瞬間移動かと見間違えるような速度でジャンプした早苗ちゃんの召喚獣に隣接され、パンチされる。

そして、そのまま地面に叩きつけられたお空の召喚獣は戦闘不能となった。

 

『Fクラス 霊路地空 物理 0点 VS Aクラス 東風谷早苗 物理 323点』

 

「よし、勝ちました!天子さん、見てましたよね!?」

 

「え、ええ、見てたわよ。べ、別に格好いいなとかやっぱ早苗はやってくれて嬉しいなとか思ってみとれてたわけじゃないけどね。」

 

「天子さんの期待にこたえられてよかったです!」

 

「うにゅ・・・。負けちゃった・・・。」

 

「大丈夫だよお空。いきなり負けちゃった私がいうのもなんだけど、姫路ちゃんと坂本君が勝ってくれれば勝てるんだから!」

 

・・・まあ、私はあまり信用できてないんだけど・・・。

 

「ところで古明地、さっきから木下と正邪の姿が見当たらないんだが、何か知らないかなのぜ?」

 

・・・あ、ほんとだ。

言われてみれば2人の姿がないね。

・・・ま、いっか。

 

「これで3対2ですね。では、次の人達は前に出てきてください。」

 

「では、僕が行こう。」

 

「・・・ま、予想通り学年次席のおでましか。姫路、頼んだぞ。」

 

「はい、頑張ってきますっ!」

 

「あれ?秀吉のお姉さんは出ないんだね。というか姿が見えないや。」

 

「まあ、木下姉は学年で両の指に入るくらいの成績優秀者だがな。特化科目があるというよりはオールラウンダーな感じだから、特化科目型が多いFクラスに対しては、少し厳しいんだろう。確か木下姉は全科目300点程度で総合4000弱だからな。」

 

「へー、秀吉のお姉さんはやっぱり優秀なんだね~。僕がそれだけ取ろうと思ったら、どれだけ頑張ればいいんだろ?」

 

「ま、とりあえず転生してこい。10万年くらいかければ、もしかしたら行けるかもしれないな。」

 

「雄二に言われたくないよっ!だったら雄二は10万光年必要だよ!」

 

「・・・おい吉井、光年は距離の単位だぜ。」

 

「・・・10万年じゃ、足りないかもな。」

 

「・・・と、ともかく今は姫路さんの試合だよ!」

 

「ま、その通りだな。」

 

吉井君と坂本君はやっぱり面白いよね。

でも私も姫路ちゃんの勝負を見ないとね!

 

「科目はどうしますか?」

 

「では、総合科目で。」

 

相手のメガネの男子・・・久保君だったかな?がそう答える。

こっちは坂本君のぶんが必要だから問題ないね。

 

「「サモン!」」

 

二人が召喚獣を呼び出す。

一年の頃は確か久保君のほうが姫路ちゃんより成績良かったけど、どうなるだろう?

 

『Aクラス 久保利光 総合科目 4096点 VS Fクラス 姫路瑞希 総合科目 4417点』

 

「マジかっ!?」

 

「姫路の奴、霧島に匹敵してるだと?」

 

「・・・まさか、ここまで上がっていたとはね。どうして、こんなに上がったんだい?」

 

「・・・私、このクラスが好きなんです。みんなのために頑張る人達がたくさんいる、このFクラスが。」

 

姫路ちゃんらしい、少しずれた感想だけど、気持ちは伝わってくるね。

 

「阿求ちゃんに教えてもらったこともありますが、やっぱり大きな理由はそれです!ですので、この勝負、勝たせていただきます。」

 

姫路ちゃんの召喚獣の武器はやっぱすごいね。

自分の体より大きい大剣を軽々と操ってる。

久保君の召喚獣も、まるで死神が持つような巨大な鎌を持ってて強そう。

 

「・・・なるほどね。でも、こっちだって易々と負けるわけにはいかない!」

 

でも、二人ともまだ召喚獣の扱いに慣れてないのか、姫路ちゃんは普通に突っ込むだけだ。

まあ、得点高いから、普通に速いんだけどね。

久保君も普通に鎌で受けることしか出来なかったのか、力比べとなる。

そして、それは点数で勝っている姫路ちゃんのほうが有利だ。

そして、つばぜり合いの末、姫路ちゃんの召喚獣が押し勝ち、久保君の召喚獣を切り裂いた。

 

『Aクラス 久保利光 総合科目 0点 VS Fクラス 姫路瑞希 総合科目 4417点』

 

「これで、3対3ですね。では、最後の人達はどうぞ。」

 

泣いても笑ってもこれが最後の勝負。

しっかり勝ってきてよ、坂本君?

 

 

 




いかがでしたか?
ちなみに霊夢さんの腕輪は二重結界で、相手の遠距離攻撃を相手の背後に転送する効果を持ちます。
つまりレーザーの魔理沙とは相性最悪。
なお、素手の召喚獣は腕輪とは別に特殊な能力があります。

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