ラブレター騒動やります。
第十五話「ラブレター!」
「お姉ちゃん、本当にいい天気だね~!こんな天気だとつい楽しい気分にならない?」
今日もいい天気だね~!
晴れ渡る空、温かい日差し、そして散り始めた桜。
こういう日は、テンションが上がるよ!
「あんた、机がみかん箱になったのに随分元気ね・・・。」
「だって今はお姉ちゃんと一緒だもん。」
先日の試召戦争で、最後に坂本君がやらかしてくれたおかげで、私達Fクラスの設備はさらにランクダウンし、みかん箱とござになっちゃった。
でも、今はお姉ちゃんがいるからそんな憂鬱な気分なんて吹っ飛ぶよ!
「・・・と、私は先に行くわね。ちょっと部活で用事が出来ちゃったから。」
・・・えっ?
イマナンテイッタノ?
「こ、こいし・・・。そんな捨てられた子犬のような目をしなくても・・・。」
「お姉ちゃん、私も行く!」
「・・・まあいいけど、校門までよ?」
えー。
まあ、しょうがないか。
お姉ちゃんの邪魔はしたくないもんね。
ちなみに、お姉ちゃんは美術部だよ。
校門までお姉ちゃんと走る。
校門には鉄人・・・じゃなかった西村先生が立ってるね。
「おはようございます、西村先生。」
「おはよーございます、先生!」
「おう、おはよう!部活の朝練か?関心だ・・・」
あれ?
鉄人がこっちふりむいて固まっちゃった。
「先生?どうしました?」
「・・・すまない、少し間違えた。」
「何を間違えたの?」
「古明地姉は部活、感心だな。妹の方は何故早く来たんだ?吉井と何か企んでたのか?」
「間違えたって接する態度?」
ひどくない?
でもなんで吉井君の名前が出てきたんだろう?
「こいし、どうやら彼は少し前に来たみたいよ。」
「古明地姉の言う通りだ。吉井には今サッカーゴールを撤去させてるところだから、何か企んでたなら残念だったな。」
なるほど、少し前に来てたのね。
サッカーゴールなんて重いもの運ばせるなんて、何も知らなきゃ教育委員会に訴えられるような虐待レベルだよね。
私達が使う召喚獣は、人間の数倍のパワーを出せるんだけど、ものに触れることはできない。
でも、《監察処分者》である吉井君の召喚獣は特別仕様で、ものにさわることができるんだよね。
これだけ聞くとものすごく良さそうだけど、実際は教師の立ち会いがないと召喚できないし、召喚獣の感覚の何割かが吉井君本人にフィードバックするから、あまりいいことじゃないんだよね。
サッカーゴールみたいな重いもの運べば吉井君も疲れる。
多分、普通に10キロのもの持ってる位には疲れるんじゃないかな?
ちなみに、先生の召喚獣もものに触れるみたい。
もちろん、フィードバックは無いよ。
「私はお姉ちゃんと一緒に来たかっただけですよ?お姉ちゃんだーいすき!」
「・・・と、私はもう行かなきゃ行けないわね。」
「おう、部活頑張りなさい。」
私の言葉無視された・・・ぐすん。
お姉ちゃんも走ってく。
はあ・・・、私も行こうかな・・・。
「古明地、一応言っておくが、美術部の使用している教室を窓やドアから覗かないようにな。」
「・・・・・・・・・」
「返事をしなさい。」
「いいノー。」
「いいえとノーを混ぜるな!返事ははいだ!」
・・・痛い。
また鉄拳落とされた。
しょうがない、諦めて行こう・・・。
「・・・ん?これはなんだろう?」
教室に行くため、昇降口で上履きに履き替えようとしてたら、なんか便箋が落ちてるの見つけた。
・・・とりあえず、見てみようかな。
《吉井明久様へ》
・・・・・・おー!
ラブレターだったとは、吉井君もやるね~!
とりあえず、床に落ちてるのもアレだし、ぽいっと!
吉井君の下駄箱にこの手紙を入れてっと!
でも、どっかで見たような気がするんだよね・・・?
まあいっか!
さて、せっかく早く来たんだし、アレやっておこうかな?
Fクラスではないどこかの空き教室。
そこで、私は一人の男と、人目を忍んで会っていた。
「・・・用件は?」
「私の撮影と、お姉ちゃんの写真!」
「・・・毎度。」
それはムッツリーニ君だよ。
ムッツリーニ君は、撮った写真を売る、いわゆるムッツリ商会というのをやってるんだよね。
いい写真が多いから、かなりお世話になってる人多いんじゃないかな?
・・・盗撮だけど。
「・・・とりあえず、そこに立ってくれ。」
でも、私は盗撮されるの嫌だから、ムッツリーニ君の指示通りのポーズの写真とかを提供する代わりに、盗撮はしないのと、お姉ちゃんの写真を報酬に貰うように契約してるんだよね。
お姉ちゃんの写真、男の子に買われるなんて嫌だから、私が出来るだけ買い占めるようにしてるんだけど。
ムッツリーニ君もそんな過激なポーズ要求するわけじゃないしね。
そんなこんなで撮影を済まし、教室向かった頃にはもうSHRのはじまりが近くなってるね。
「おはようだな、古明地。」
「おはよう、正邪ちゃん!」
「おはよう、こいしちゃん!」
「おはよう!お空!」
挨拶をかわし、私も席につく。
そういえば吉井君はあのラブレター見たのかな?
・・・ちょっと聞いてみよっと!
「お前ら、SHRの時間だ。全員、席につくように。」
・・・と思ったら先生が来ちゃった。
しょうがない、あとでにしようっと。
出欠確認、返事したらさっき買ったお姉ちゃんの写真見よう!
「鬼人。」
「いいえ。」
「いいえってことは欠席だな。木下。」
「はい。」
「霧雨。」
「ういっす!」
「返事ははいだ。」
「はいだぜ。」
「ちょっと待ってくれ先生、はい!」
「最初からはいと返事しろ、鬼人。」
正邪ちゃん、時々あまのじゃくだからね・・・。
出欠は進んでいく。
「古明地。」
「はーい!」
「斎藤。」
「はい。」
よし、呼ばれたし、お姉ちゃん観賞タイムに・・・
「坂本。」
「・・・・・・明久がラブレターを貰ったようだ。」
「「「「「殺せええええっ!」」」」」
わっ、なに!?
普通だった教室がいきなりおかしくなったよ!?
「ゆ、雄二!いったいなんてこと言い出すんだ!」
「吉井が貰ってるなら、俺達にだってあってもおかしくないはずだ!自分の席の周辺を探してみろ!」
「ダメだ!腐りかけのパンと食べかけのパンしか出てこねえっ!」
「もっとよく探してみろ!」
「・・・・・・出てきたっ!未開封のパンだ!」
「お前は一体なにを探してるんだ!?」
みんながざわざわしてる。
とりあえず、なんで食べかけのパン放置してたのか気になるな。
「お前らっ!静かにしろ!」
でも、先生の一喝でしずまりかえった。
すごいな~。
まあ、このままだと暴動がおきてもおかしくなかったもんね。
とりあえず安心かな?
「出欠を続けるぞ。沢田。」
「吉井コロス。」
「島田。」
「アキのバカ。」
「白石。」
「吉井コロス。」
「進藤。」
「吉井コロス。」
・・・全然安心じゃなかったよ。
「みんな落ち着くんだ!ほとんどの返事が『吉井コロス。』に変わってるよ!」
「吉井、静かにしろ!」
え、そっち?
「僕じゃなくて他のみんなを注意してください!このままではみんな僕に殴る蹴るの暴行をくわえてしまいます!」
「原田。」
「吉井マジコロス。」
「稗田。」
「はい。」
「姫路。」
「は、はい。」
「福田。」
「吉井ブチコロス。」
さ、殺意が・・・・・・。
それに動じず出席続ける西村先生もどうかと思うけど・・・。
「・・・よし、遅刻欠席はないようだな。今日も一日勉学に励むように。」
「待って先生!可愛い生徒を見捨てないで!」
普通に去ろうとした西村先生に対して吉井君がすがりつく。
実際、間違いなく吉井君は酷い目にあうだろうしね。
「吉井、間違えるな。」
ん?
間違いってなんなんだろ?
先生は扉に手をかけたままだけど、吉井君を助けるのかな?
「お前はブサイクだ。」
「ブサイクとまで言われるとは思ってなかったよバカ!」
ブサイクって・・・。
私もそれは予想してなかったな。
そのまま扉を閉めて行っちゃう先生。
これは間違いなくひと波乱おきるね。
私としては、静かにお姉ちゃんの写真を観賞してたいんだけど、ラブレターも少し気になるんだよね。
「アーキー?ウチに教えてくれるかしらー?その手紙は誰から貰ったの?」
と、早速美波ちゃんが行った。
チンピラがガンを飛ばすように、吉井君に顔を近づけて聞き出そうとしてる。
「ちょっ、美波さん、顔が近い近い!」
「い、いいのよ今は!で、誰からのラブレターなのかしらー?男子?それとも女子?」
「男子という選択肢を入れないで!あってほしくないから!」
「じゃあやっぱり女の子からなのね・・・!アキのバカァーッ!」
「ぐはっ!そっいわれてっもね、僕にもっなにがなんだっか!?」
「ちょっ、美波ちゃん!吉井君が苦しんでる苦しんでる!」
どんどんと吉井君の胸を叩く美波ちゃん。
でも、吉井君叩かれるたびに息つまってるからもうちょっと優しくしてあげて!
「なあ吉井、それ私にも見せてほしいんだぜ?」
「私にも見せてくれよ?」
「魔理沙に正邪!?でも、僕、まだ読んでなくて・・・。」
「そうなのか?だったらこけで声に出して読み上げるんだぜ!」
「君は鬼かい!?やらないよ!」
「冗談だって。とりあえず、見せてくれないか?」
魔理沙と正邪ちゃんは手紙を平和的に見たいみたいだね。
だったら私も見たい!
「ねーねー吉井君、私にも見せて~?」
「私もみたいな~?」
「古明地さんと霊路地さんまで!?でも、人のラブレターを勝手に見せるのは・・・」
「あ、あの、吉井君。できれば、ですけど・・・、私にも手紙を見せて欲しいです・・・。」
「姫路さんも!?・・・みんな、ごめん。これは見せられない。」
「そうか、残念だな・・・。でも・・・」
「それは是非とも見てみたくなったな。だが・・・」
「そうですか・・・。でも・・・」
「「「私は吉井(君)に酷いことしたくないんだぜ?(ないんだけどな?)(ないんです!)」」」
三人の声を揃えての脅迫はやめてあげて!
「ちょっと待って三人とも!なんで僕に危害をくわえるのが前提なの!?」
「吉井が見せないからだぜ?」
「理由になってないよっ!」
「あの、みなさん、ちょっと落ち着いて吉井君の話聞いてあげてください!」
混沌と呼べるこの状況のなか、阿求ちゃんが仲裁に入る。
「確かに稗田の言う通りだ。お前ら、いったん落ち着け。」
坂本君がみんなを落ち着かせた。
なんだかんだで、友人のピンチには助けてあげようとし・・・あれ?
でも、この騒動って坂本君がラブレターのことカミングアウトしたのがきっかけだったような気がするんだよね・・・?
やりすぎたと思ったのかな?
でも、坂本君だし・・・。
「今大事なことは、明久の手紙を見ることじゃない。」
「ありがとうございます坂本君。まずはみんな吉井君の話を聞いてから・・・」
「問題は、明久をどうグロテスクに殺すかだ。」
「違いますよ!?」
これは酷い。
「前提条件が間違ってるんだよチクショウ!」
「逃がすな!追撃隊を組織しろ!」
「サーチアンドデス!」
「そこはせめてデストロイで!」
「みなさん、いったん待って・・・」
荷物をひっつかんで逃走する吉井君と、それを追うみんな。
阿求ちゃんの言葉は届かなかったみたいだ。
教室に残ってるのは美波ちゃん、木下君、阿求ちゃん、お空、あと私しかいない。
全員女子・・・じゃなかったね。木下君男だ。
・・・・・・・でも、なんというか、アレだよね。
落ちてた奴とはいえ、ラブレターを吉井君のところに入れたのは私でもあるわけだし、収集つけないといけないかもだよね。
「じゃあ、ちょっと収集つけてくるね。」
「あ、こいしちゃん、私もいっていい?」
どうやら、お空も来たいみたいだね。
かまわないけど、大丈夫かな?
いかがでしたか?
この世界の美波ちゃんは少し優しいです。