みんなを止めようと、教室を出たはいいんだけど、どうやったらいいのかな?
いい方法が浮かばないや。
「ねえお空、なにかいいアイデアない?」
「んー、ゴリラ先生に頼むのは?」
ゴリラ先生・・・西村先生のことなのかな?
「悪くはないかもしれないけど、下手したら私達が捕まっちゃうんじゃないかな?」
目的がどうであれ、授業中に外出ているというのは変わらないしね。
それに、さっき吉井君見捨てたし・・・。
「とりあえず、吉井君捜してみようかな?」
先生に一応注意しながら吉井君を探す。
「あれ?なんか焦げ臭くないかな?」
「うん、私も感じるよ。」
とある空き教室通った時、なんか焦げ臭い匂いがしてきたんだよね。
覗いてみよ~っと。
「・・・・・・えー。」
そこにあったのは、濡れたサッカーゴールのネットとスタンガン。
あと5人の男子生徒の死体だね。
死んでないけど。
「これ、間違いなく吉井君の迎撃だと思うけど、やりすぎじゃないかな・・・?」
「とりあえず、助けてあげた方がいいんじゃないかな?」
「うん、そうだね。」
私達じゃ保健室に運ぶことは出来ないけど、せめてスタンガンを止めておかないとね。
「えーと、スイッチはこれで・・・ネットを取って・・・きゃっ!」
ネットかなり熱かったよ!
バチってきた!
「・・・しょうがないから放置していこっと。行こ、お空。」
「うん、行こう!」
とりあえず、私が持っているメモにこのことを書いて教室前に貼って・・・と。
西村先生あたりが見つけたら保健室に連れていってくれるよねきっと!
・・・行くのは補習室かもしれないけど。
「・・・吉井君、なかなか凄いね。」
あの後も、本棚の下敷きになっているクラスメイト、縄でまとめて縛られてるクラスメイト、空き教室に閉じ込められていたクラスメイト、出血多量で倒れてたムッツリーニ君とかいたしね。
これだけのことを全部吉井君がやったと考えると、凄いよね。
「でも、吉井君、どこに行ったんだろ?」
「あ、あれじゃない?」
お空が指差した先には・・・正邪ちゃんと一緒にいる吉井君だね。
でも、正邪ちゃんさっき吉井君脅迫してなかったかな?
・・・ま、いっか!
「やっほー、吉井君!」
「・・・こ、古明地さんと霊路地さん!?まさか、君達も僕の手紙を?」
「見せてくれるなら嬉しいけど、手荒な真似はしないつもりだよ。」
私達の目的は事態の収集だもんね。
「吉井、屋上で読むんじゃないのか?」
「・・・っと、そうだったね。」
「ねーねー、私達も行ってもいい?」
「え・・・?」
「ついていっちゃダメなら、この場で手紙を奪っちゃうよ?」
嘘だけどね。
ただついていきたいだけだよ。
・・・まあ、見たいのは事実だし、チャンスがあれば見るけどね。
「・・・わかったよ。でも、まずは手紙は一人で読ませてね。」
「私も覗き見なんてするつもりないからな。」
「私もお空も、そんなことしないよ?」
やった、交渉成立だね!
4人で屋上に向かう。
「・・・明久、やはりここまで来たか。」
「吉井君、言うことを聞いてください。」
「・・・!雄二、それに姫路さん・・・。」
でも、そこには坂本君と姫路ちゃん。
なんか、ラスボスみたいなポジションだよね。
まずは話し合いでどうにかしようとする吉井君。
「雄二、こんなことをして、雄二に何の得があるのさ!」
「得?そんなもの決まっている。明久が不幸になるのを見るのが、俺にとって最大の得さ。」
「あんたは最低の友達だ!」
・・・・・・吉井君、それ、世間一般では友達と呼ばないんじゃないかな・・・。
相変わらず、2人が友達か疑わしくなるよね。
「さあ明久、言葉はいらねえ。かかってこい。姫路、上着を頼む。」
「は、はい。」
上着を脱いで姫路ちゃんに預ける坂本君。
殺る気だね。
私達にはどうしようもないし、見てようかな。
「しょうがない、ラブレターをくれた女の子のためにも、ここで負けるわけにはいかない!正邪、上着をお願い!」
「よし、受け取った。」
上着を受けとる正邪ちゃん。
・・・あっ。
「さあ雄二、尋常に勝負だ!」
「・・・お前、バカだろう。」
「え?」
呆れたような表情をして正邪ちゃんの方を見る坂本君。
それで吉井君が正邪ちゃんの方を振り向く。
そこには手紙を持つ正邪ちゃんの姿。
・・・いや、吉井君。
入れた場所くらい覚えておこうよ。
「せ、正邪!?見ないって言ったじゃないか!」
「ああ、言ったな。『覗き見』はしないとな。」
「ひどいよっ!」
うわー、ゲス顔だー。
「正邪、ここは俺が抑えておく!俺のことは気にせず、手紙をやってくれ!」
「くっ、離せ雄二ィ!」
坂本君に羽交い締めされて暴れる吉井君。
こうなったら、私がやることはひとつだよね!
「正邪ちゃん、私にも見せて?」
「私も私も!」
「構わないぞ。ほい。」
もちろん、手紙を読むことだよ!
お空と一緒に読む。
ふむふむ、へえ~!
なるほどね~!
「あ、あのこいしちゃん、ちょっとその手紙、見せてくれませんか?」
「いいよ~、はい!」
姫路ちゃんに手紙を渡す。
でも、どうしたのかな?
姫路ちゃん、手紙の中身知ってるはずなのに。
「やっぱり・・・・・・。しょうがないですっ、えいっ!(びりびり)」
「ああーっ!記念すべき僕の大事な初ラブレターが小さな紙切れにいーッ!」
絶叫する吉井君。
「・・・すまん、明久。俺もこうなるとまでは思ってなかったんだ。」
坂本君が拘束を解除して、珍しく神妙に謝る。
確かに、普段の彼女からは、ここまですると思わないよね。
「まあ、友人としてのせめてもの情けだ。」
「雄二、まさか、手紙を復元するのを手伝ってくれるの?」
「未練を絶ってやる。」
シュボッ、メラメラメラ・・・
坂本君が取り出したライターから出る火が、手紙だったものを包んでいく。
「どうだい、明るくなっただろう?」
「ちょっと、何完全に消滅をはかろうとしてるんだよ!?誰か、誰か水を持ってきて!」
吉井君の叫びもむなしく、完全に燃え尽き、灰になっちゃった。
吉井君本人も、燃え尽きたようになってる。
「み、みなさん、このことはどうか内密でお願いします・・・。」
「うん、わかったよ!」
「ああ、秘密にしておこう。」
まあ、そうじゃなかったら、わざわざ手紙破ったりしないよね。
「ああ・・・、僕の手紙、僕の手紙・・・。」
ああいう感じで悲しみにくれている吉井君見ると言いたくなっちゃうけど。
ここは心を鬼にしないと!
「貴様ら・・・!やっと見つけたぞ・・・!」
・・・本物の鬼?
いや、西村先生だった。
・・・すごくおこだけど。
「授業をサボってこんなところにいるとはいい度胸だな・・・!貴様らにはたっぷりと教育をしてやろう。」
「ち、違うんです西村先生!僕は雄二に巻き込まれただけで・・・」
「おい明久、これの原因はお前にあるだろうが、だからここは明久を・・・」
「わ、私はみんなを止めようとしただけだから悪くないんだ!だから私以外を・・・」
「問答無用!」
「「「イヤアアアァア!」」」
三人の言い訳もむなしく、私やお空も含めた全員ひっぱられていった。
・・・このあと、滅茶苦茶怒られた。
一応私達は抑えようとしてたのにな。
いかがでしたか?
次は明久視点。