古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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第二話「Fクラス!」

 

 

「「遅れてすみません!」」

 

入ってきたのは二人の女子生徒だった。

 

「「「・・・・・・」」」

 

でも、なんでこの二人がいるの?

二人とも成績、やたらいいはずなのに・・・?

 

「あの、なんであなたたちがここにいるんですか?」

 

聞き方によっては不躾な質問。

だが、それは全員が感じてたことだと思う。

 

「私は試験中に熱を出してしまい、途中退出で0点扱いになってしまって・・・。」

 

「実は私も同じく途中退出してしまって・・・。」

 

その二人が答えてくれた。

最初に答えたのが姫路瑞希、後に答えたのが稗田阿求、どっちも私の友達だね。

二人とも、成績が恐ろしいくらいにいいから残念だったね。

 

「そりゃ災難だったな・・・。実は俺も熱・・・が出たせいで・・・。」

 

「化学だろ?あれは難しかったな。」

 

「弟が熱を出してテストどころじゃなくて・・・」

 

「黙れ一人っ子。」

 

「前の晩、彼女が寝かせてくれなくてな・・・」

 

「今年一番の大嘘をありがとう。」

 

「私はあえてサボっただけだ!だから他とは違うのさ!」

 

「おい正邪、それはむしろ他の人よりダメだぞ。」

 

・・・・・・もしかして、この教室バカばっかり?

まあ、無意識で消えちゃった私が言えることじゃないけど・・・。

 

「とりあえず姫路さんと稗田さん、席に着いてください。あと、みなさん静かに・・・」

 

先生がみんなを静かにさせようと教卓を叩く。

すると、ボロボロと崩れ落ちた。

 

「・・・えー、私は替えの教卓を取りに行くので自習していてください。私が戻ってきたら自己紹介を始めてもらいます。」

 

えー・・・・・・。

さすがに酷すぎない・・・?

先生は去っていったけど、こんなんで1年過ごすのね・・・。

 

 

 

 

 

 

5分後、先生が戻ってきて自己紹介が始まった。

えーっと、私の番は後のほうかな?

 

「・・・木下秀吉じゃ、演劇に所属している。宜しく頼む。あと、わしは女ではなく男じゃから、そこを間違えないでほしいのう。」

 

「「「嘘だッッ!」」」

 

クラスの全ての男子が叫んだけど、木下君ほんとに男なんだけどな・・・。

 

「・・・まあ、ともかくよろしくじゃ!」

 

木下君が無理矢理自己紹介を打ち切った。

残念そうにしてるクラスメイト達をよそに、自己紹介は次の人に進む。

 

「・・・・・・土屋康太。趣味は盗ちょ・・・特にない。特技は盗さ・・・特にない。」

 

なんか、今変な言葉が聞こえたような・・・?

まあ、きっと気のせいなんだよね!

ポケットにボイスレコーダーとカメラが見えるけど、気のせいだよね。

まあ、私は知っているんだけどね。

 

「島田美波です。ドイツで育ったので、日本語は苦手ですが、話すのは大丈夫です。趣味は、吉井明久を殴ることです☆」

 

やっぱりいい笑顔で言うんだ・・・。

 

「あぅ、し、島田さん。」

 

「吉井、今年もよろしく~!」

 

怯える吉井君に対して、美波ちゃんは何もなかったかのように明るくあいさつをしてる。

相変わらず、吉井君に対して、感情を伝えるのが下手だよね・・・。

 

「・・・っと、次は僕か。えーと、吉井明久ですね。気軽にダーリンって読んでくださいね♪」

 

『『『ダァーリィーン!!!』』』

 

野太い声(と一部女の子の声)が響く。

ノリがいいな・・・。

ちなみに、私もしっかり言ったよ。

せっかくだもんね。

 

「・・・失礼、忘れてください。ともかくよろしくお願いします。」

 

吐きそうな顔で吉井君が座る。

・・・だったら言わなきゃいいのに。

 

「霧雨魔理沙だぜ!読書とゲームが趣味なんだぜ。みんな、よろしくだぜ!」

 

「私は・・・多分霊路地空だよ!お空って呼んでね!みんな、よろしくね!」

 

「鬼人正邪だ。一応よろしくだな。」

 

「あの、姫路瑞希ですっ!これから一年間、よろしくお願いします!」

 

「私は稗田阿求です。みなさん、よろしくお願いしますね。」

 

その後は特におかしなところもなく進んでるけど、このクラス、なんというか濃いな~。

女子が自己紹介をするたび、歓声をあげてる人達がたくさんいるし・・・。

おっと、次は私だね。

 

「古明地こいしだよ。好きに呼んでね。」

 

「「「うおおーっ!こいしちゃーん!」」」

 

やっぱり元気なクラスだな・・・。

 

「皆さん、今は自己紹介中ですよ。静かにしてください。」

 

さすがに先生が教卓を叩いて注意する。

そして、また教卓が壊れた。

えぇ・・・・・・。

さっき変えたばかりなのにまた・・・?

でもちょっぴり慣れちゃった自分が怖いな。

 

「もう一度替えの教卓を取ってきます。自習していてください。」

 

また教卓を取りに行く先生。

なんというか、このFクラスでは常識にとらわれてはいけないんだなぁ・・・。

 

「・・・・・・じゃなんだから廊下で。」

 

「まあ、別に構わんが。」

 

そんなことを考えていると、吉井君と坂本君が廊下に出ていくけど、何処にいくのかな?

ちょっと気になるから行ってみよーっと!

 

 

 

 

 

 

 

「・・・雄二、試召戦争をやらないか。こんな設備じゃダメだと思うんだ。Aクラスの設備を見た?それに比べてFクラスはぼろっちいしすきま風も入ってくるから健康にも悪いわけだし、ここで一年なんて、ごめんだね。」

 

「・・・ははあ、なるほどな。明久がやりたい理由は大好きな姫・・・」

 

「わーっ、そんなこと言ってないってば!」

 

・・・なるほどね~。

 

「ねえねえ二人とも、その話私も『その話、詳しく聞かせてもらっていいか?』あら?」

 

私が口を挟もうとしたら、誰か他の人が二人に話しかけてた。

 

「・・・ん?お前は確か・・・」

 

「鬼人正邪だ。呼び方は適当で構わない。それより、試召戦争をやるってのは本当なのか?」

 

なんだ、正邪ちゃんか。

 

「まあ、冗談で言っていた訳ではないが・・・。」

 

「私は下位クラスでの試召戦争やるのが面白そうだとおもっていたのだ。それがまさか初日で叶うことになるなんて予想してなかったが、こんな楽しいことを見逃すなんてもったいないじゃないか。古明地もそうは思わないか?」

 

あら、私にふられた。

 

「まあ、私も楽しそうだとは思うけど、やるならお姉ちゃんがいるBクラス以外がいいかな。」

 

「「古明地(さん)!?いつからいた(の)!?」」

 

「吉井君が力説してたあたりだよ?」

 

「「まったく気づかなかった・・・。」」

 

実は、私は存在感消すことにはちょっとした自信があるんだよね。

こっそり行動するのは得意だよ、えへん。

 

「・・・まあ、俺も学力だけが全てではないと証明してみたかったからな。俺達が最終的に狙うのはAクラスだ。そして、勝算はある。」

 

坂本君はそう言ってるけど、どうやって勝つつもりなんだろう?

 

「・・・と、先生が戻ってきたみたいだな。続きはあとでだ。」

 

教室に戻って、残りの人の自己紹介を聞くことになる。

おっと、聞いてたらもう最後か。

 

「では坂本君、最後に代表としてお願いします。」

 

先生に呼ばれた坂本君が、教卓に向かって歩いていく。

代表だからかな?

 

「俺がFクラス代表の坂本雄二だ。代表でも坂本でも好きに呼んでもらって構わない。」

 

「じゃあ私はド○キーコングと呼ばせてもらうぜ!」

 

「・・・坂本か代表と呼ぶようにしてくれ。」

 

坂本君が額に青筋をたてて魔理沙をにらむ。

あ、結構おこだね。

 

「とにかく、俺はみんなに一つ問いたい。Aクラスは冷暖房完備でリクライニングシート、さらに個人用のパソコンや冷蔵庫もあるらしい。だが、俺達はこの始末だ。不満はないか?」

 

「「「おおありじゃあっ!」」」

 

クラスの皆の心がひとつになったね。

私も、不満があるかな~。

 

「だろう?この設備には、俺も代表として問題意識を抱いている。だから、代表としての提案だが・・・・・・、我々FクラスはAクラスに試召戦争を仕掛けようと思う!」

 




いかがでしたか?
原作の流れがあると書きやすいですよね。

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