常夏コンビ初登場。
「じゃあこいし、またあとでね。クラスのほうも頑張りなさいよ。」
「うん、頑張ってくるよ!お姉ちゃんも、来てくれるならサービスしちゃうよ!」
お姉ちゃんとわかれて、クラスに戻る。
クラスのほうも頑張らないとね!
「あ、こいしちゃん!Aクラス戦以来ですね!」
「あ、早苗ちゃん!ひさしぶり~!」
「あんはは・・・たひかこへいひよね?」
その途中、たまたま早苗ちゃんと出会う。
隣にいるのは確か天子さんだっけ?
色々な食べ物持って、今も食べてるみたい。
「こいしちゃんはどうしたんですか?」
「ん、私?私は召喚大会の帰りだよ!」
「あ、私もですよ!そのついでに、天子さんと出店を回っているんですが・・・、天子さん、さっきからずっとはしゃいでまして・・・。」
「あによ、あはひはへふにははいへはいわよ。」
天子さん、もの食べながらしゃべってるから、何言ってるか全然わかんないや。
「天子さん、ものを食べながらしゃべるのは、行儀が悪いですよ。」
「・・・(ゴクン)そういやFクラスは確か中華喫茶だったわよね?」
「うん、そうだよ!早苗ちゃんも、比那名居さんも、よかったら来てね!」
「私は天子でいいわよ。それで、Fクラスはどこ?」
「あ、私が案内するよ!あと、私もこいしでいいよ!」
「それはありがとね。ほら早苗、次はFクラスに行くわよ!」
「はいはい、天子さんやっぱりはしゃいでますよね。」
早苗ちゃんと天子さんを連れて、私はFクラスに戻る。
「ちなみに、どんな感じなの?」
「えーとね、店名は『ヨーロビアン』で、主に胡麻団子と飲茶を売りにしてるよ。」
「「中華喫茶なのに、ヨーロビアン・・・?」」
うん、普通おかしいと思うよね。
私もそう思うよ。
でも、魔理沙のアレ以外のは美味しいし、気に入ってくれるといいな。
歩いてると、Fクラスがちかづいてくる。
「おいおい何だよこのきったねえ机はよ!」
・・・ん?
今のはFクラスからだよね?
「こんなきったねえ箱使って食品扱うなんて、衛生管理がなってねえだろ!」
また別の声が聞こえてくる。
Fクラスに普通の机なんてないから、みかん箱にテーブルクロスをかけて机にしていたけど、その下を見た客が騒ぎ立ててるというところだよね多分。
一応、みかん箱もテーブルクロスも、アルコール消毒で殺菌してるし、クラスもしっかり清掃はしたから、衛生面の問題はないんだけどね。
ちょっと、様子を見てこようかな。
「ちょっと待っててくれる?私は中の様子見てくるから。」
二人に声をかけて、一度厨房に行ってから、私はクラスの中に入る。
中ではやっぱり、文月学園の制服を着た、二人の男がテーブルクロスをひっぱがして騒いでた。
一人はモヒカン、もう一人は坊主だけど、見たことないから3年の人かな。
「とっとと責任者を出せ!」
うーん、今坂本君召喚大会の真っ最中なはずだから、来ることが出来ないんだよね・・・。
一応、私も代表補佐的な立場だし、ここは私が対応しようかな。
とりあえず、はじめは礼儀正しく、何が不満なのかを聞かないとね。
「お待たせしました。私が代表補佐の古明地と申します。何かご不満がおありでしょうか?」
「おう、このきったねえ箱だよ不満は!なんなんだよこれは!」
「そうだそうだ!こんなんで体を壊したらどう責任とりやがる!」
なんというか、声を荒らげて因縁をつけてくるこの二人、チンピラみたいだよね。
もちろん態度には出さないけど。
「その件についてはご安心ください。テーブルも、テーブルクロスも、アルコール消毒をきちんとしております。ですので、お客様の健康に害を与えることはありません。」
「そういうことじゃねえんだよ問題は!」
でも、これで納得してくれないみたい。
「では、どういうことなのでしょうか。」
あくまでも丁寧に聞く。
でもやっぱ、こういう態度は慣れないな。
自分で言ってて違和感感じるもん。
「見た目が汚ねえんだよ!こんな場所で食わされるこっちの身にもなりやがれ!」
「こんなところで喫茶店やるなんて、客の気分を害するだろうが!」
「教室はきちんと清掃し、見た目も綺麗にしております。それに、そのテーブルもテーブルクロスで、お客様が不快な思いをされないためにつけております。」
「ぐっ・・・!と、とにかくFクラスのような汚い教室で喫茶店をやるなんて気分が悪くなるだろうが!」
そんな坊主頭の主張。
・・・うん、さっきから気づいていたけど、この2人は敵だね。
だったら、こっちもそのつもりで対処しないと。
丁寧語は崩さないようにはするけどね。
「お客様はFクラスは汚いから嫌だと言われましたが、それなら何故、Fクラスに来られたのでしょうか?先程の発言から、お客様はFクラスが汚いところだと思っているみたいですが、それならわざわざここに来たのか不思議だと思われませんか?」
「ぐっ・・・!そ、それは・・・!」
そこまで考えてなかったのか、言葉につまった様子をみせる二人。
「ともかく、他のお客様のご迷惑になりますので、店内ではお静かに願います。」
「んなっ!?もとはといえばお前らが原因だろうが!責任をなすりつけてんじゃねえっ!」
モヒカンと坊主がさわぎたてるけど、まわりの人達は私達じゃなくてその二人の方に不快感をしめしてくれてる。
もし、私が当事者じゃなかったとしても、あれは言い過ぎと感じるもんね。
それと、モヒカンが常村、坊主が夏川っていうみたい。
「・・・チッ!もういい!行くぞ夏川!」
クレーマー二人は退散していく。
・・・というストーリーでもよかったかもしれないけどね。
クラスのためにも、私は鬼になるよ。
「お待ちください。では、お詫の品を渡したいと思います。」
「おっ?やっと自分達の非を認めやがったか!」
「で、何をくれるってんだ?」
うわー、この二人、なんかすごく嬉しそうにしてるよ。
何想像したんだろう。
「こちらの特製胡麻団子でございます。味は保証しますよ。本来はかなり高いものですが、お詫びの品なので、お代は結構です。」
「ほうほう、じゃあいただくとするか。」
二人がそれを口に運ぶ。
「「ふむふむ、表面はゴリゴリ、中はベタベタ、甘すぎず、酸っぱすぎる味わいがとっても・・・んゴパッ(バタン)」」
うん、計画通り。
さっきの魔理沙が作った胡麻団子、このクレーマー達と話す前にふたつだけ回収しといたんだよね。
殺傷能力は充分にあるから、これでこの二人も改心してくれればいいんだけど・・・。
教室に死体を放置しとくわけにもいかないから、ずるずるとひきずって移動させる。
でもこの死体、どうしようかな?
かなり重いし、近場の人目のつかない場所に捨てておければいいんだけど・・・。
「早苗ちゃん、天子さん、待たせてごめんね?もう大丈夫だよ!」
とりあえず、待たせてた二人に声をかけることにする。
「ん?こいし、その二人がクレーマー?」
「うん、そうだよ。」
「あはは・・・また派手にやりましたね・・・。」
「そう?私だったらこんなもので済ますつもりはないし、こいしは優しいと思うわよ。」
天子さん、恐ろしいよ。
「まあそれはいいとして、案内してくれない?あと、そのクズ共はそっから投げ捨てとけばいいんじゃない?」
「天子さん、それはダメですって!死んじゃいますから!」
窓をあけて捨てようとした天子さんを早苗ちゃんが慌ててとめる。
・・・ちなみに、ここ2階だよ。
「(ガラッ)古明地、そいつらの処理は私がやっとくから、その二人を案内してやってくれ。」
処理について考えていると、出てきた正邪ちゃんがかわりに処理してくれるって言ってくれた。
「ありがとね!正邪ちゃん!」
「・・・ま、まあ私には多分そのクレーマーの対処をうまく出来なかったと思うしな。だから気にしないでくれ。」
正邪ちゃんが引きずっていく。
私は首根っこつかんでたけど、正邪ちゃんはわざわざうつぶせにしてから足をひっぱってるから、顔が地面にゴリゴリあたってる。
痛そー。
「じゃあ、二名様、ご案内~!」
正邪ちゃんに任せ、私は案内する。
早苗ちゃんも天子さんも、胡麻団子と飲茶に大満足してくれたみたいだし、よかったよ!
そして、接客したり、さっきのことを坂本君に話したりしてたら、いつのまにか第二回戦の時間だね。
よーし、次も勝つよ~!
いかがでしたか?
こいしちゃんと天子さんが友人になりました。