古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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第三話「試召戦争!」

 

 

 

坂本君が試召戦争を仕掛ける意思を言葉にした瞬間、みんながざわざわしだす。

試召戦争というのは、この学園の学園長先生が科学とオカルトの力で作った「試験召喚システム」というので、テストの点数に応じた強さの召喚獣を呼び出して戦うクラス間の戦争のことなんだけど、この戦争で、クラスの設備が変わるんだよね。

上位クラスに下位クラスが負けた場合、クラスの設備が入れ換えられちゃうから、もし私達がAクラスに勝てたとしたら、Aクラスの人達がこのぼろっちい教室に、Fクラスがシステムデスクになるということだね。

まあ、下位クラスが負けた場合、設備が1クラス分ランクダウンし、その後3ヶ月はふたたび戦争を挑めなくなっちゃうんだけど。

 

「勝てっこない・・・、あいつらは伝説のAクラスなんだぞ・・・。」

 

「これ以上設備を下げられるなんて嫌だ。」

 

「姫路さんと稗田さんがいてくれたらなにもいらない。」

 

「こいしちゃんマジ天使!」

 

坂本君が放った言葉に、否定の言葉が飛び交う。

ドラゴンボールが好きな人がいるのかな?

私へのコメントはスルーでいいか。

 

「勝つプランはある。いや、絶対に勝たせてみせる。」

 

坂本君のそんな言葉。

それでも、懐疑的なコメントは消えない。

まあ、Fクラスは最下位クラスだし、そう言われても信じるのは厳しいよね。

 

「根拠ならあるさ。このクラスには勝つために必要な要素は充分すぎるほどにある。おい康太、畳に顔をつけて古明地のスカート覗いてないで早く前に来い。」

 

「・・・・・・!!(ブンブン)」

 

あ、ほんとだ。

 

「まずはこの土屋康太。こいつがあの有名なムッツリーニだ。」

 

「・・・・・・!!(ブンブン)」

 

ムッツリーニ君は、畳のあとがついた額を押さえながら否定のポーズをしてるけど、なかなかすごいよね。

ちなみに、ムッツリーニというのは、要はムッツリスケベのことなんだけどね。

いつものことといえばいつものことだし私は怒らないけど。

 

「姫路と稗田のことは言うまでもないだろう。姫路は学年トップクラスだし、稗田は途中退出してなかったら文句なしに首席だっただろうな。」

 

「えっ、わっ、私ですか!?えーと、が、頑張ります!」

 

「私も頑張りますね。」

 

坂本君に名指しされた二人がやる気をみせる。

二人がやっぱりキーパーソンだよね!

 

「それに、霧雨魔理沙、霊路地空、古明地こいしと、科目を絞ればAクラスと対等に戦える人材も3人いる。」

 

「うにゅ?私?」

 

「お?私を買ってくれるのか?」

 

「私も、期待されてるなら頑張らないとね~。」

 

ちなみに、私の得意科目の地学は平均300点位で、お空もだいたいそれくらいなんだよね。

坂本君があげた名前でみんなの士気が上がっていってるけど、それでもまだ直接のぶつかりあいは厳しいんじゃないかな?

 

「そして、吉井明久もいる。」

 

・・・・・・・・・うわぁ、一気に士気が落ちた。

 

「ちょっと雄二!なんでそこで僕の名前を呼ぶのさ!せっかく上がった士気が台無しじゃないか!」

 

「まあ落ち着け明久。知らない人もいるだろうから言うが、こいつは《観察処分者》だ。」

 

「あの、すみません・・・。観察処分者って何ですか?」

 

姫路さんは知らないみたいで、坂本君に尋ねている。

 

「僕みたいにちょっと人と違う凄い『バカの』才能を持ち・・・ってちょっと雄二!僕の説明に口を挟まないでよっ!」

 

「いや、事実じゃねえか。」

 

「なるほど、吉井君って凄いんですね!」

 

「ああっ!穴があったら入りたいっ!」

 

吉井君が悶えてる。

 

「ちなみに、観察処分者の召喚獣には、ものに触れられるのと、召喚獣の食らったダメージが本人にフィードバックするという特別な仕様があったりする。よく教師の雑用に駆り出されてたりするな。」

 

「でも、それならおいそれと召喚できない奴が一人いるってことじゃないのか?」

 

「まあそうだな。だが、いてもいなくても変わらないようなザコだから問題はない。」

 

「雄二、そこは普通僕をフォローする場面だよね?」

 

ただバカにしたかっただけみたいだね。

この二人を見てると、友達なのかと疑わしくなる場面が1日3回くらいあるんだよね・・・。

 

「なんにせよ、まずは力の証明としてDクラスを倒そうと思う。」

 

ん?

Dクラス?

まあ、坂本君には坂本君の考えがあるんだよね!

 

「境遇に不満があるだろ?ならば全員ペンを取れ!俺達は決してダメ人間のあつまりなんかじゃねえ!最低クラスの実力、見せつけてやろうじゃねえか!」

 

「「「おおーーーっ!!」」」

 

またまたみんなの気持ちがひとつになったね。

私も頑張ろ~っと。

 

「よしじゃあ明久。お前にはDクラスへ宣戦布告に行ってもらいたい。」

 

あ、坂本君が吉井君を陥れようとしてる。

下位クラスの使者って、大抵酷い目にあわされるからね。

 

「それって僕に死ねっていいたいの!?」

 

「大丈夫だ。やつらはお前に加えない。騙されたと思っていってこい。俺を誰だと思ってる。俺を信じろ。」

 

「雄二・・・。そこまで言うならわかったよ。行ってくるね。」

 

「ああ、頼んだぞ。」

 

やっぱり信じちゃうのね。

吉井君純粋だからしょうがないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「騙されたぁっ!」

 

やっぱり吉井君はボロボロになって帰ってきた。

 

「やっぱりな。」

 

「少しは悪びれろよっ!」

 

「これくらい予想できずに代表がつとまるか。」

 

ほんとに、坂本君と吉井君が友人か信じられなくなることは多いなあ。

 

「あの、吉井君、大丈夫ですか・・・?」

 

「あ、うん、大丈夫。ほとんど軽い傷だから。」

 

「吉井、ほんとに大丈夫?」

 

「平気だよ。心配してくれてありがとう。」

 

「よかった・・・。ウチが殴る余裕はまだあるのね・・・。」

 

「ああっ!もうダメ!死にそう!」

 

吉井君、美波ちゃんは冗談で言ってるんだから、そんなに体を押さえて転げ回らなくても・・・。

 

「明久の傷のことはどうでもいいから屋上へ行くぞ。」

 

「ほら吉井、行くわよ。さっきのは冗談だから、ほんとに殴ったりしないわよ。」

 

「ほぇ?そうなの?」

 

「・・・っとそうだ。おい正邪、話を聞きたいんだろ?よかったらついてくるか?あと稗田と姫路も来てくれないか?」

 

坂本君、覚えてたんだ。

その声に反応してこっちに歩いてくる正邪ちゃんと阿求ちゃん。

それで、みんなで屋上に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、今からDクラス戦の会議をはじめる。明久、宣戦布告はしてきたんだよな?」

 

「うん。今日の午後から開戦だと伝えてきたよ。」

 

「ならお昼御飯食べない?私、おなかすいちゃった。」

 

「確かにもうそんな時間だな。よしこいし、弁当を貸してくれ。」

 

「嫌だよ魔理沙・・・。返さないよね絶対・・・。」

 

「失礼な、ちゃんと返すぜ。まあ、いつ帰すかが未定なだけなんだぜ。」

 

「それは借りるって言わないんだけどな・・・。」

 

「とりあえず明久、今日くらいはまともなものを食べとけよ。」

 

「そう言うならパンくらいおごってくれればいいのに。」

 

まあ、吉井君の主食はアレだからね・・・。

 

「ん?吉井は昼食食べない派なのか?」

 

「いや、一応食べてるよ。」

 

「いや、あれは食べてると言えるのか・・・?」

 

「ん?少量しか食べないのか?」

 

「いや、コイツは量とかじゃなくて・・・・・・」

 

「吉井君の主食は水と塩だもんね~。」

 

「・・・・・・は?」

 

「失礼な!ちゃんと砂糖もとってるさ!」

 

「・・・すまない、意味がわからんのだが。」

 

「私の記憶にもいままで主食が水、塩、砂糖だった人はいないですが・・・。私の知り合いで悟りを開こうと修行している聖さんも、それ以上のものを食べてるのに・・・。」

 

「あの、吉井君、砂糖や塩は食べるとは言わないと思いますが・・・。」

 

正邪ちゃんと姫路ちゃんと阿求ちゃんがものすごく困ってる。

私もはじめて見た時はものすごく驚いたんだよね・・・。

あ、ちなみに阿求ちゃんはいわゆる瞬間記憶能力ってやつを持ってるんだよね。

覚えたことを決して忘れないから、吉井君以外に塩を主食にしてる人間はいないってこと。

どんだけおかしいかわかるよね・・・。

 

「まあ、吉井は飯代まで仕送りに使うから同情の余地ないんだけどな。」

 

「あの、吉井君。それなら明日から私がお弁当を作ってきましょうか?」

 

「ゑ?」

 

姫路ちゃんなかなかやるね~!

 

「本当にいいの?僕、塩と砂糖以外のものを食べるのは久しぶりだよ!どんなものだってありがたいさ!」

 

「はい。明日のお昼で良ければ。」

 

「姫路さん、本当にありがとう!実は僕、はじめてあった時からあなたのこと好き・・・」

 

「おい明久、今振られると弁当の話はなくなるぞ。」

 

「好きにしたいと思ってました。」

 

・・・・・・うん、ドン引きするしかないかな。

吉井君がバカなの知ってるけど、軽く引いちゃうのはしょうがないよね。

 

「明久よ、それはただ欲望をカミングアウトした変態じゃぞ。」

 

「だって・・・お弁当が・・・!」

 

「さて、話がそれたが試召戦争に戻ろう。」

 

坂本君が話を戻す。

 

「ひとつ気になっておったのじゃが、どうしてDクラスなんじゃ?段階をふむならEクラスじゃろうし、勝負に出るならAクラスじゃろう?」

 

「とりあえずEクラスを攻めない理由は簡単だ。攻めるまでもないないからな。お前のまわりの面子を見てみろ。」

 

「えーと、美少女7人とバカが2人とムッツリが1人いるね。」

 

「誰が美少女だと!?」

 

「・・・・・・(ポッ)」

 

「ええっ!?雄二とムッツリーニが美少女に反応するの!?」

 

「おいおい、おだてても何も出ないぜ吉井?」

 

「正しい反応だけどなんか納得できない!」

 

「私はどっちなのかな?」

 

「古明地さんは当然美少女に決まってるじゃないか!」

 

「まあ要するにだ。姫路や稗田に問題がない今、Eクラスには100%勝てるだろうな。」

 

「Dクラスだとダメなの?」

 

「まあ、まともに戦ったら負けかねないだろうな。それに、打倒Aクラスのプロセスに必要だからだ。」

 

「??どんな流れなの?」

 

「まあそれはDクラス戦後に話す。とりあえず、今から作戦を話すぞ。特に明久と霊路地、お前はしっかり覚えとけよ。」

 

「ええっ!?なんで僕と霊路地さんだけ!?」

 

「俺にわざわざ言わせる気か?」

 

「・・・ああ、なるほど!僕や霊路地さんが作戦の要で期待され『バカと鳥頭だからだ。』酷いよ雄二!」

 

「私は鳥頭じゃないよ?」

 

「とりあえず今から話すから黙って聞いとけ。でないとチョキでしばくぞ。」

 

そうして、みんなで坂本君の作戦を聞いた。

さあ、いよいよ午後から開戦だね!




いかがでしたか?
明久ってどうやって生きてるんでしょうね。
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