古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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三十五話「学園祭の後!」

 

 

 

召喚大会が終わったあとの喫茶店は大忙しだったよ。

ひたすら注文とって、飲茶と胡麻団子を運んで、勘定やテーブル拭きをして。

私だけじゃなくて、全員が一生懸命働いた。

そして、文化祭終了の放送が流れてくる。

 

「文化祭も、まだ片付けあるけど、とりあえずはこれで終わりなのか・・・。」

 

召喚大会では負けちゃったけど、楽しかったもんね。

せっかくだし、もう少しチャイナドレスは着たままでいようかな。

あと、準優勝でも貰えるものがあったみたいで、私とお姉ちゃんは3000円分の図書カードと、黒い腕輪を貰った。

黒い腕輪は、学園長先生によると、新しい武器みたい。

これをつけて召喚すると、あらかじめ設定した武器を持って召喚出来るんだって。

一度決めたら変えられないみたいだから、阿求ちゃんの腕輪みたいにコロコロ変えるのは不可能だけど、戦略の幅は広がるよね。

私は遠距離に対処出来るように弓を、お姉ちゃんは近接戦をしやすくするために2本のナイフを選んだよ。

ちなみに、私もお姉ちゃんも、武器にハートがある。

だってハート可愛いんだもん。

 

「ところでこいし、あいつらはどうしたんだぜ?」

 

黒い腕輪のことを考えながら片付けしてたら、魔理沙が私に質問してくる。

あいつら?

 

「あいつらって?」

 

「吉井と坂本だぜ。特に吉井だな。」

 

あー、あの2人ね。

確か・・・。

 

「あの2人なら、学園長室行ったはずだよ?」

 

勝利の報告と、改修の交渉のためにね。

私も誘われたけど、片付けの方をしたかったから断ったんだよね。

 

「霊夢が心配だな・・・。吉井のことだし何か問題犯して追われそうだ。霊夢に金渡せなければ、明日の霊夢は修羅になりかねないぜ・・・。」

 

「ずっと気になっていたんだけど、吉井君と霊夢さんの間になにがあったの?」

 

吉井君も、「博麗さんに殺されないために」とか言ってたし、気になっていたんだよね。

 

「ん?ああ、あの2人は霊夢を買収して2回戦に勝利したんだぜ。」

 

察したよ。

霊夢さん、お金のことになると両津○吉以上の執着を見せるからね。

払うと言ったものを払わなかった場合、そんじょそこらのヤミ金が天使に見えるレベルで恐ろしいし。

そんなことを話しながら片付けをしてると、火薬が爆発する音、それと壁かなにかが崩壊するような音が本校舎の方から聞こえてきた。

よくわからないけど、何故か吉井君と坂本君が原因だと確信できちゃったよ。

鉄人先生の声も聞こえてきたし。

見てみると、校舎の一部が崩落し、そこと屋上から煙があがっていた。

確か、あのへんって教頭の部屋だよね。

昨日のこと考えると同情はしないけど・・・・・・。

 

「・・・ま、まあいいや。ところで魔理沙、このテーブルってどこから持ってきたか知ってる?」

 

爆発に関しては見なかったことにし、このテーブルに話をシフトさせる。

3回戦行ったあと返ってきたら、いつのまにかテーブルがきれいになってたんだよね。

ミカン箱だったのが、ごく普通のテーブルに。

木下君の演劇部にはテーブル2つくらいしかないみたいなのに。

 

「ん?ああ、それは吉井と坂本と私が色々な場所から調達してきたんだぜ。」

 

・・・色々な場所?

 

「えっと魔理沙、色々な場所って『霧雨、説教の時間だ・・・!』ん?」

 

私が聞こうとしたところ、怒った様子の易者先生が、Fクラスに入ってくる。

慌てる魔理沙。

 

「げっ・・・!」

 

「俺は殴ったりはせん。だが、テーブルを盗んだ件はきっちりと説教させてもらおう!あの二人もだが、まずは霧雨、お前からだ!」

 

「に、逃げるんだぜっ!」

 

「待てっ!」

 

逃げる魔理沙と、追いかける易者先生。

・・・えっと、大体わかっちゃったな。

どっから持ってきたかわからないから、テーブルは外に出しておくだけにしとく。

ほんとは返したいんだけどね。

そのままみんなで片付けをして、喫茶店は完全に片付いた。

このあと、公園で打ち上げをやるみたい。

お姉ちゃんも帰りが遅いらしいから、私も行くつもりだよ。

・・・・・・あ、チャイナは着替えたからね?

着替えようとしたらムッツリーニ君が必死にひきとめてきたけど、さすがにこれ着て外を歩くのは恥ずかしいかな。

 

 

 

 

と、行こうとしたことで、大事なことを思い出した。

そういえば、お姉ちゃんの絵をまだ見てない!

美術部でもあるお姉ちゃんは、清涼祭で、絵を展示してるんだよね。

今から美術部に行けばまだなんとか見られたりしないかな?

淡い期待を持ちつつ、美術部へダッシュで向かう。

扉からこっそり中の様子を覗いてみると、女子生徒一人だけみたい。

横顔しか見えないけど、お姉ちゃんより薄いピンクの髪の毛で綺麗な人だ。

文化祭の装飾もなくなり、普段の様子を取り戻した美術部の部室で、一人真剣に集中した状態で絵を描いているその人は、なんというかとても絵になっている。

何を描いているのかはここからじゃ見えないけど、中に入るのは止めておこうかな。

邪魔しちゃ悪いもんね。

 

「・・・・・・誰?」

 

そう思っていたら、私の気配に気づいたのか、その女性は振り返り、聞いてくる。

その顔に表情はないけど、やっぱりきれいな人だね。

う~ん、同学年で見たことはないけど、先輩なのかな?

 

「私は古明地こいし、古明地さとりの妹です。」

 

先輩だったら失礼だし、丁寧に答えておこうかな。

 

「・・・へえ。あの子が言っていた子なの。」

 

同じ美術部というだけあって、お姉ちゃんのことは知ってるみたい。

でもお姉ちゃん、私のことを話してたのかな?

だったらなんか嬉しいな。

 

「・・・少し、時間はある?」

 

「ええと、まああるかな?」

 

「・・・なら、良かったら私の絵、見てくれない?」

 

そう言うと、その人は今書いていた絵ではなく、恐らくは学祭で展示してあった作品だと思う作品の山から、1枚の絵を取り出す。

えっと、どれどれ・・・

 

「わぁ・・・。」

 

思わずそんな言葉が出てくるくらいには、凄い絵だったよ!

草原に咲くたんぽぽの絵だけど、まるで花の香りやそよ風が伝わってきそうだもん!

 

「・・・風景画は、得意なの。でも。」

 

そう言って、彼女は今書いている絵を私に見せる。

やっぱり、この絵も・・・

 

「・・・ん?」

 

あれ、予想と違う。

学祭の絵なんだけど、確かに背景はものすごく綺麗。

でも、そこに書いてある人達の表情が・・・・・・ものすごく無表情なんだよね。

楽しい学祭の雰囲気みたいなのが全く伝わってこないというか・・・。

 

「・・・私には表情が書けないの。私自身、感情がわからないから。」

 

私の微妙な表情を悟ったのか、彼女が言う。

確かに彼女、最初からほとんど表情変えてないもんね。

 

「・・・あの子から、あなたは感情が豊かな子って聞いている。少し、あなたを描かせてもらってもいい?」

 

「あ、うん、全然いいよ。」

 

「・・・ありがとう。なら、そこに座って普通にしてて。」

 

言われた通りに、私は座ってじっとしてる。

20分くらいそのままだったかな?

 

「・・・できた。けどやっぱり、うまくいかない。」

 

彼女がそう言ったから、絵を見せてもらう。

確かにさっきのみたいだけど・・・少し違うかな?

わずかだけど、表情があるというか・・・。

 

「でも、さっきのより表情があるように見えるかな?」

 

「そう?」

 

「うん。」

 

とはいっても、ほんとに少しだから、さっきのを見てない場合はわかんないと思うけどね。

 

「・・・そう。・・・あなたを書いている時、わずかだけど不思議な感じがした。・・・よかったら、また描かせて貰っても、いい?」

 

「うん、私はいいよ。」

 

別に不都合なこともないしね。

 

「・・・ありがとう。あなたを描いていれば、私はなにか掴めそうな気がする。・・・私は秦こころ。これからよろしく。」

 

「うん!」

 

こころさんっていうんだね。

そんなことがあって、私は時々モデルをすることになったよ。

まあ、今は打ち上げ会場の公園に行かないと!

 

 

 

 

 

「へー、吉井君達の方ではそんなことがあったんだ~。」

 

「うむ。あやつらが盗聴器を仕掛けておっての。その内容を屋上の放送機器で流そうとしたようなのじゃ。」

 

「それで花火を爆弾として投擲したんだな・・・。」

 

打ち上げ会場の公園で、私は正邪ちゃんと、木下君に学園長室であったことを聞いていた。

確かに、自身の失態を隠すために学園長先生と大会出場者が密約をしていたなんて、公にされたら姫路ちゃんの転校どころかこの学校が潰れかねないよね。

でも、そんなことをして常夏コンビに得になるのかな?

 

「やっぱりあの爆発、吉井君達だったんだね・・・。2人はまだ学校?」

 

「・・・まあ、校舎の破壊をしたわけだし、良くて厳重注意、悪ければ停学や退学もあり得るだろうがな。」

 

そんな話をしていると、当の2人と魔理沙がやってくる。

・・・2人は顔が腫れ上がってるね。

鉄人先生に殴られたのかな?

魔理沙の方は易者先生にこってり説教さるたのか、ものすごく疲弊した顔してる。

 

「いやー、ひどい目にあったよ。」

 

「まあ厳重注意で済んでよかったと言えるがな。明久が壊しちまった場所には花もなかったし。」

 

「それもこれも、学園長先生が手を回してくれたからなんだろうね。」

 

確かに、修理の名目で部屋をガサ入れして証拠をつかむことが出来るもんね。

 

「ところで、収益はどれくらいなの?」

 

私は気になってたことを坂本君に尋ねる。

施設がどれだけ良くなるか気になってたんだよね!

 

「どれどれ・・・。えーと、これだとちゃぶ台と座布団が限界だな・・・。」

 

「まあ、戻ったと思えばいいんじゃないのぜ?」

 

やっぱり最初の妨害が効いたんだろうね。

思い出したら腹がたってきたよ。

 

「まあでも、姫路ちゃんの転校は阻止できたみたいだし、いっか!」

 

「姫路さんの転校、阻止できたの?」

 

「うん、本人がさっき言ってたよ!」

 

よかったよね。

 

「あ、坂本もアキも来てたのね。はい、ジュースとお菓子。」

 

「吉井君!転校しなくていいとお父さんも言ってくれました!」

 

美波ちゃんと姫路ちゃんが、こっちに来てジュースとお菓子を渡してくれる。

オレンジジュースみたいだね。

喉乾いていたからありがたく一気に飲む。

・・・・・・ん?なんだかオレンジジュースにしてはちょっと苦いような・・・?

それに、なんだかからだとあたまがぽかぽかする・・・。

 

「・・・あれ?古明地さん、顔赤いけどどうしたの?」

 

「ん~?どうもしてらいよ~?」

 

よしいくんがおかしいな~、いっぱいいるよ~?

わらし、どうもしてらいのに~?

 

「いや、明らかにおかしいぜ。まさか・・・・・・やっぱり、これお酒なのぜ!」

 

まりしゃがなんかいってりゅけど、どおしたんだろ?

おしゃけ?

 

「あははははは~、そんなわけないれしょ~。わらしはよってにゃいし~!」

 

「そうれすよね~、おかしなことないれすよね~!」

 

「「ね~!」」

 

ひめじひゃんのゆうとおりよ~!

 

「いや、二人ともどう考えても酔ってるよね!?」

 

「そうですよね、吉井さん。2人ともあきらかにおかしいではありませんか。私のように、落ち着いた行動を心がけるべきですよ。さあ、自然の声に耳を傾けましょう。」

 

「そういう正邪もキャラが全然違うじゃないか!絶対君も酔ってるよねえ!?」

 

「あははははは、よしいくんおもしろ~い!」

 

「この状況、僕だけじゃ突っ込みきれない!」

 

よしいくんもたのしそう~。

 

「あきひさくん、わたしはおこってるんれすよ?」

 

わー、ひめじひゃんがよしいくんにつめよってる~!

 

「それよりまりしゃ、おもしろいいっぱつげーみせて~!」

 

「うわこっちに来た!いきなり無茶ぶりすぎるぜ!」

 

「やらにゃいの?なりゃ・・・こうしちゃう!」

 

「いひゃいいひゃい、ほっへた引っ張るのはやめてふへなんはへ!」

 

まりしゃのほっぺたやわらかーい!

・・・あれ、なんかねむくなってきた・・・。

 

「じゃあ、おやふみ・・・。zzz・・・。」

 

「暴れた末にやっと寝て大人しくなってくれたのぜ・・・。姫路とこいしには酒を絶対飲ませてはいけないな・・・。」

 

まりしゃのこえをさいごに、わひゃしのいひきはうすれて・・・。

 

 

 

 

 

 

次に私が目覚めた時、私は自宅の布団で寝てた。

記憶は残ってたから、恥ずかしいな・・・。

あと、その日から姫路ちゃんの吉井君に対する呼び方が明久君になってた。

私が魔理沙に絡んでた時になにかあったのかな?

ま、いっか!




いかがでしたか?
こいしちゃんは美術部に寄り、こころと知り合いました。
酔っ払ったこいしちゃんはもはや別人格です。
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