古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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四十五話「摩擦!」

 

 

「雄二、演技はどうなったの?」

 

「大失敗もいいところだバカ野郎。」

 

姫路ちゃんと一緒に帰ってきた吉井君が坂本君に聞くけど・・・、当然大失敗。

あれを見て、美波ちゃんと吉井君が恋人だと思う人はいないんじゃないかな。

私だったら、美波ちゃんは吉井君に好意があるけど、吉井君は姫路ちゃんに好意を持っているっていう三角関係だと思う。

 

「このバカが最後に逃げ出してくれたおかげで、今までやってきたこと全てが台無しだ。唯一の救いは島田が明久に好意があると示したことだが、それだけでは開戦には踏み切らないだろう。」

 

「うむ。しかももう一度やろうにも、明久は姫路と一緒に帰ってくるし、島田があの調子じゃからの。」

 

吉井君と姫路ちゃんが戻ってくる前に美波ちゃんが戻ってきたけど、自分の席に着くなり、窓の方を向き、完全に怒ってる態勢になってる。

今もちらりとこっちを見たけど、すぐにそっぽ向いたし。

 

「とりあえず、明久は島田に詫びの一つでも入れた方がいいな。」

 

「うん、そうするよ。」

 

吉井君が美波ちゃんの卓袱台の方に向かう。

でも美波ちゃんは一瞬見たけど、顔を合わせようとしない。

 

「・・・あのさ美波。」

 

「もうアンタなんか知らない。瑞季とよろしくやってればいいじゃない。」 

 

「い、いや、姫路さんとはたまたま会っただけで・・・『言い訳なんか聞きたくない。』あぅ・・・。」

 

取りつく島もない美波ちゃん。

 

「で、でもこのままだと姫路さんが・・・。」

 

「アンタはいつも瑞季ばっかりお姫様扱いして!魔理沙にも正邪にもお空にも阿求にもこいしちゃんにも普通に優しい態度とってるくせに、ウチは何なの!?男とでも思ってるの!?どうしていつもウチにはそんな態度なのよ!?」

 

「い、いや、そんなつもりは・・・。」

 

「瑞季が転校させられそうになったら、ウチが直接家に行って直談判するわ!だからもう話しかけて来ないで。アンタの顔なんて見たくもない。」

 

姫路ちゃんの転校を引き合いに出したのが逆鱗に触れたのか、今までにない剣幕でまくしたてるように感情を叩きつける美波ちゃん。

言い捨ててそっぽを向いた美波ちゃんは多分、今はもうどんなに話しかけても吉井君の方を向かないよね。

でも吉井君、やっちゃったね・・・。

 

「完全に怒らせちゃったよ・・・。」

 

「そのようじゃな。」

 

木下君にも会話は聞こえてたみたい。

まあ、かなり大声だったし、教室中に聞こえてたもんね・・・。

 

「やれやれ・・・。明久、ほとぼりが冷めたら、後できっちりフォローしておけよ?」

 

「うん、そうするよ。」

 

「それならその話は置いといて、だ。まずはDクラスに作戦を仕掛ける前に時間を稼ぐ必要があるな。ムッツリーニ、悪いが須川達と協力してBクラスに偽情報を流してくれ。」

 

「・・・内容は?」

 

「Dクラスが戦争の準備をしているというもので頼む。その相手はBクラスだともな。」

 

「・・・了解。」

 

なるほど、確かにそれなら、私達に宣戦布告したらBクラスは確実に連戦になっちゃうもんね。

少しは躊躇うかも。

 

「それと秀吉。秀吉にはDクラスの清水を交渉のテーブルに引っ張り出して欲しいんだが、頼めるか?」

 

「うむ。じゃが・・・交渉といっても、どうするつもりじゃ?」

 

「決まってる。清水を挑発して敵意を煽るだけだ。その際、島田も同席しているのが理想だが・・・そっちの交渉は俺に任せろ。」

 

確かに、今の吉井君や姫路ちゃんが近づいたら機嫌は悪くなる一方だよね。

さっき私の名前もあがってたから、私だってあまり向いてないし。

 

「古明地は・・・とりあえず、霧雨の捜索を頼む。霧雨に清涼祭の時の胡麻団子(毒)のようなゼリーを作って欲しいからな。」

 

「うん、わかったよ。」

 

でも毒って・・・。

 

「明久はとりあえず俺と一緒に来い。Bクラスへのアピールをするからな。」

 

「アピール?」

 

「新校舎の3階を、いかにも暇そうにうろつくんだ。うまくいけばBクラスには気づいてないと思わせ、Dクラスには開戦に踏み切らせることができるかもしれない。」

 

「わ、わかったよ。」

 

「なら私も、魔理沙を探すのは何気なくした方がいいの?」

 

「出来ればそうしてくれ。呑気に散歩しているように見せられればなお良い。」

 

「うん、じゃあ行ってくるね~。」

 

呑気に散歩か~。

・・・あれ?

教室出るときにちらりと美波ちゃんの方を見てみたけど、いなくなってる。

どこいったのかな?

まあでも、まずは魔理沙を探すことにして、言われた通りぶらぶらと散歩してると・・・あ、魔理沙の声がした気がする。

この教室かな?

何してるかわからないから、そっと扉を開けてみよう。

 

「・・・から、いい加減にしろって言ってるんだぜ!」

 

・・・あれ、なんか良くない雰囲気・・・・・・。

普段声を荒らげることが少ない魔理沙が珍しいな。

 

「何よ!アイツがウチの扱いだけああなのが悪いんじゃない!」

 

「吉井にいつも間接技仕掛けてるのは誰なんだ!?でも吉井はいくら間接技極められても、いつもお前に普通に接してたんだぜ!」

 

「ウチが間接技かけるのは、アキがペッタンコとか言うのが悪いのよ!」

 

どうやら、魔理沙が言い争ってる相手は美波ちゃんみたい。

止めた方がいいかもだけど、どう止めたらいいかわからないな。

 

「だとしても、お前は吉井がこんなになってるのを見て何も思わないのか!?見ろ、お前の間接技が原因で、吉井の右手が死にかけたんだぞ!」

 

「・・・っ!」

 

「そんなことをされても吉井はお前に何か怒るようなことを言ったのか?言ってないだろ?多分だがむしろお前に謝ったんじゃないのか?」

 

「それは・・・謝られたわよ。でもアキは演技でも恋人だったウチじゃなくて瑞季の方に行って、一緒に帰ってきたのよ!ウチもアキに(演技としてだけど)好きって言ったのに!」

 

・・・・・・どうしよう。

今更だけど、私が聞いててもいいのかな。

美波ちゃんが吉井君のこと好きなのは今更って感じするけど、喧嘩を見られてるって知ったら気まずくなりそう・・・。

 

「吉井に女の子扱いされたいって言うなら、自分の行動を見直すべきだ!あんなことしておいて、それが出来ないなら、吉井と恋人どころか、友人である資格もないぜ!」

 

「うるさいうるさいうるさいっ!ウチとアキの関係に、魔理沙が口出しする権利なんてないのに!」

 

わっ、怒鳴り散らすように美波ちゃんが言葉を発して、教室を出てく。

慌てて隠れたけど、美波ちゃんはこっちを見てなかったから多分バレてない。

・・・バレてないよね?

 

「・・・ふぅ。私らしくなかったぜ。悪いのは美波とはいえ、私も言葉がキツかったな。・・・で、いるんだろこいし?覗き見は良くないぜ。」

 

魔理沙にはバレてたみたいだけどね・・・。

気配は殺してたんだけどな。

 

「ごめんね、魔理沙に用があったんだけど割り込めなくてね。いつから気づいてたの?」

 

「美波が出ていった時にチラッと見えたんだぜ。恥ずかしいとこ見られちまったな。んで、何の用なんだぜ?」

 

「えーっとねー・・・。」

 

坂本君に言われたことを魔理沙に話す。

自分の料理()が暗殺の道具にされるのは複雑だと思うけど、魔理沙は了承してくれた。

 

「ところで、なんで魔理沙はさっき喧嘩してたの?」

 

「美波のせいで右腕が動かなくなりそうだった吉井を見たら、友人としてちょっと我慢の限界だっただけだぜ。こんな色になっててな。」

 

そう言いつつ、魔理沙はデジタルカメラをポケットから取りだし、写真を見せる。

確かに酷い感じになってるけど・・・。

 

「その前に、魔理沙デジカメなんて持ってたの?」

 

「ちょいと土屋に借りただけだ。使い終わったし、返しておいてくれるとありがたいんだぜ。」

 

「まあいいけど・・・ムッツリーニ君そのカメラ探してたよ?」

 

もしかして、勝手に持ってきちゃったのかな?

 

「・・・(ダラダラダラ)」

 

冷や汗かいてる・・・。

 

「ま、まああとで詫びはするつもりだぜ。一応借りたことを書いた紙は入れといたんだがな・・・。それより、暗殺ゼリーは出来たら坂本に渡すのか?」

 

「うん。これが調理室の鍵だって。・・・それと一応言っておくけど、清涼祭の時みたいに、誤って食べる人が出ないようにしてよ?」

 

容器はごく普通のスポーツゼリーの形だから、何らかの理由で紛れこんじゃったら誤飲の可能性あるし・・・。

特に事情をあまり知らないお空が普通に飲んじゃいそうで怖いんだよね・・・。

 

「さすがにもうあんなことはないと思うんだぜ。じゃあ、私は作ってくるからよろしくだぜ。」

 

「うん、またね~。」

 

魔理沙に別れを告げて、私は教室に戻ろっと。

ここからなら、Bクラスの前を通るのが一番近いかな。

 

「なら、英単語クイズでもやるか。英単語を言うから、その意味を答えるんだ。5問のうち、1問でも答えられなかったら負けというルールでどうだ?」

 

「オッケー、どんと来い!」

 

あ、坂本君と吉井君だ。

そういえば、この辺をフラフラしてるんだっけ。

報告しておこうかな。

 

「ねえ坂本君、魔理沙には頼んだよ~。」

 

「うぉっ、古明地か。霧雨は引き受けてくれたんだな。」

 

「うん、出来たら卓袱台に置いといてくれるって。それより今何してたの?」

 

「暇潰しに英単語クイズをな。古明地もやるか?」

 

「うん、じゃあそうしようかな?」

 

折角だしね。

あと、なんか面白いこと起こりそうな予感がするからね。

 

「よし、それじゃ罰ゲームは『敗者は勝者の言うことを聞く』だ。じゃあ行くぞ。」

 

「えっ、ちょっ・・・!」

 

「『astronaut』」

 

いきなり追加された罰ゲームに慌てる吉井君だけど、問答無用で問題を出す坂本君。

えーと、アストロノートは確か宇宙飛行士だったよね。

 

「どうした?わからないのか?」

 

「私はわかってるけど、吉井君に先を譲るよ。答えられないかもだけどね。」

 

「ふふん、僕をいつまでもバカだと思ってもらったら困るよ。道路に使われているアレだよね?」

 

「俺の勝ちだな。」

 

・・・・・・???

吉井君の考えていることが、私にはさっぱりわからない。

道路に宇宙飛行士が使われていたら、それはもう事件だよ。

 

「ちょっと!どうして答えを言い切ってないのに間違いと決めつけるのさ!」

 

「じゃあ古明地の答えを聞こう。」

 

「宇宙飛行士、でしょ?」

 

「正解だ。で、明久は宇宙飛行士を道路のどこに使うつもりなんだ?」

 

「・・・・・・ケアレスミス、か・・・。」

 

「待って吉井君。どこに注意を損なう要素があった?」

 

私にはさっぱりわからない。(2回目)

 

「まあ、しょうがない。負けを認めるよ。」

 

「今ので認めなかったら、人としてどうかと思うが・・・。」

 

かすってすらいないと思うけどね・・・。

 

「さて、次は霧島さんの番だね。」

 

・・・いつのまに。

いつからかはわからないけど、私と坂本君の横にいた霧島さん。

もしかして、言うことを聞くと聞こえたから来たのかな?

 

「・・・頑張る。」

 

コクリと小さく頷き、手をグッと握る霧島さん。

なんというか、絵になってるよね。

 

「し、翔子!?何時の間にいた!?」

 

「・・・雄二が『何でも言うことを聞く』って言ったのが聞こえたから、来た。」

 

まさかほんとにそうだとは。

耳いいんだね・・・。

 

「それじゃ、出題者が霧島さんで、回答者が雄二ね。それでいい?」

 

「うん、私はいいよ~。」

 

「・・・わかった。」 

 

「待て!翔子が参加するなんて聞いてないぞ!」

 

「あれ?雄二、もしかして逃げるの?男のくせに?」

 

「ぐっ・・・!いいだろう、やってやらぁ!」

 

こういう時の坂本君って単純なところあるよね。

 

「では霧島さん、一問目をどうぞ!」

 

「・・・わかった。えっと・・・『betrothed』。」

 

ダッ(坂本君が身を翻して逃げる音)

 

ガガッ(私と吉井君が坂本君の肩を掴む音)

 

「雄二、どこに行くのかな?」

 

「坂本君、どこへ行こうと言うのかね?」

 

「明久、古明地、テメェら・・・!」

 

問題を聞いた瞬間、わからないと踏んで逃走しようとした坂本君だけど、面白そうだし逃がさないよ。

ム○カ大佐じゃないけど、ちょっとあのセリフ言ってみたかったのもあるし。

 

「まあ霧島さん、一問目からトドメじゃ可哀想だし、問題を変えてあげてよ。見てる方も面白くないしね。」

 

「・・・わかった。なら・・・『prize』。」

 

「えっと・・・賞品か?」

 

今度は正解した坂本君。

 

「・・・『as』。」

 

「~として。」

 

「・・・『engage ring』。」

 

「婚約指輪。」

 

「・・・『get』。」

 

「手に入れる。」

 

「・・・『betrothed』。」

 

ダッ(坂本君が身を翻して逃げる音)

 

ガガッ(私と吉井君が坂本君の肩を掴む音)

 

「だから雄二、どこに行こうとしてるのかな?」

 

「頼む!お願いだから見逃してくれ!今のを聞いたら、俺の恐怖がわかるだろ!」

 

えーと、『賞品』『として』『婚約指輪』を『手に入れる』ってことかな?

霧島さんらしいかな。

 

「あはは、霧島さんの冗談に決まってるじゃないか。僕らはまだ学生だよ?婚約指輪なんて買えるわけが」

 

「・・・あっ。」

 

吉井君のセリフの途中、霧島さんが取り落としたのは、宝石店の案内。

 

「・・・冗談。」

 

そう呟いて、霧島さんは恥ずかしそうにしまう。

うん、冗談冗談。

冗談ってことにしておくよ。

 

「・・・・・・。」

 

「あはは。雄二ってば。そんな僕にしか聞こえないような小さな声で『ヤバい。マジヤバい。』なんて連呼されても困っちゃうよ。」

 

私にはその声は聞こえないけど、目が虚ろなのが印象的かな。

 

「さあ雄二、回答をどうぞっ。」

 

「えーと・・・『betray』が裏切るだから・・・謀反とかか?」

 

確かにありそうかも。

ちなみに私もわからないよ。

 

「・・・雄二のこと。」

 

「死刑囚か!」

 

「・・・婚約者。」

 

へー、知らなかったよ。

私には使う機会ない単語だしね。

 

「さて、答えられなかった雄二の負けだよね。約束通り、霧島さんの言うことを何でも聞いてあげて。」

 

坂本君の顔がどんどん曇ってく。

それを見て満足そうにしてる吉井君が対照的だ。

 

「翔子、さっき冗談って言ったよな?」

 

「・・・うん。婚約指輪は冗談。」

 

「じゃあ、本気の方はなんだ?」

 

「・・・それは・・・人前じゃ、恥ずかしくて言えない・・・。」

 

「なんだ!?俺は何をさせられるんだ!?」

 

人前だと恥ずかしくて言えないことって何かな?

私や吉井君が邪魔なら、どいた方がいいよね。

 

「・・・こんなところで言わせるなんて、雄二はいやらしい。」

 

「死ね雄二ぃぃーっ!」

 

霧島さんの言葉を聞いてから、吉井君が飛び蹴りを坂本君に放つまで、約1秒。

攻撃に入るまでが短すぎないかな?

 

「なぜ俺が狙われるんだ!?俺は何も言ってないだろ!?」

 

「黙れ!今朝聞いた『寝ている霧島さんに無理矢理キスをした』って話を含めて、納得の行く説明をしてもらおう!」

 

吉井君、本当は逆だって。

・・・聞く耳持ってなさそうだけど。

 

「待て!話の内容が変わっているぞ!本当は『・・・キスだけじゃ終わらなかった。』」

 

なんだろ、今の言葉で、吉井君の内部でなにかが解除された音が聞こえたような・・・?

 

「嫉妬と怒りが可能にした、殺戮行為の極致を思い知れっ・・・!」

 

「うぉっ、明久の動きがマジで見えねえ!」

 

坂本君の言葉は誇張でもなんでもなく、吉井君の動きがムッツリーニ君を上回る程、ものすごい速くなってる。

 

「・・・キスの後、一緒に寝た。」

 

また、吉井君のなにかが解除されたと思う。

 

「ごふっ!?明久に力で負けるとは・・・!」

 

その証拠にパワーが膨れ上がってる。

坂本君にパワーで上回るなんて今までみたこと無いもん。

 

「・・・とても気持ちよかった。」

 

「さらに分身・・・いや、残像か!?お前もう人間じゃないだろ!」

 

凄い。

『超人「吉井明久」』なんて言えそうな感じになってる。

でもこんな残像が見えるくらいの動き、魔理沙とやった格闘ゲーム位でしか見たことないんだけど、吉井君はどんな能力してるの?

 

「殺したいほど憎たらしいという気持ちは、不可能を可能にする・・・!」

 

「上等だ!こっちも本気で相手してやらあ!」

 

そんな動きをしてる吉井君に対し、逃げずに立ち向かう坂本君も凄いと思うけどね。

でもそんな騒がしくしてると、鉄人先生とかが来そうだし、私は先に教室戻ってよっと!

靴底が摩擦で焦げてるのか、嫌な匂いもするもんね。

ちなみに、私の読みは当たっていたみたいで、2人は鉄人先生に追いかけられたみたいだよ。

 




いかがでしたか?
魔理沙と美波が喧嘩。
珍しいですね。

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