古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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5巻と6巻の境目は曖昧。


第五十五話「本番!」

 

 

 

 

お風呂も入った後。

吉井君、坂本君、ムッツリーニ君が死地をさ迷いつつも、木下君が問題の奪取に成功したみたいでテストは中止に。

食事前と同じようにみんなで勉強をすること数時間。

日付が変わったあたりで、もうそろそろ寝ようってことになって、部屋に戻ってた。

ちなみに、部屋割りは私達女子部屋と男子部屋の2つだよ。

最初は木下君だけ別に個室になるはずだったけど、木下君本人の強い希望でその割り当てに。

強化合宿でも何も起きなかった事実も考慮されて成立したけど、美波ちゃんと霧島さんは彼に防犯ブザーを渡してた。

 

「・・・あれ?私の髪留め、どこにいったんでしょう?ここに置いておいたはずなのに。」

 

「もしかして無くしたのぜ?」

 

「・・・探すの、手伝う。」

 

「あ、いえ、大丈夫です。明日の朝、お布団を片付ける時にまた探してみますから。」

 

そういえば姫路ちゃんって、いつもあの髪留めをしてるような気がするね。

それだけ大事なのかな?

よし、ちょっと聞いてみよっと。

 

「そういえば姫路ちゃんはいつもあの髪留めつけてるけど、なにか深い思い入れがあるの?」

 

「んっふっふ~。ボクの予想だと、好きな人からの贈り物って感じなんだケド?」

 

「いえ。あれ自体は自分で買ってきた普通の髪留めです。」

 

「ありゃ、予想が外れちゃった。」

 

「確かに、思い入れはありますけどね。」

 

「それは面白そうだな。気になるんだぜ。」

 

「残念ながら、それはヒミツ、です。それより、私は工藤さんのお話が気になります。」

 

「え?ボク?」

 

「そうね、ウチも気になるわ。」

 

「あ、確かに私も気になる!」

 

「3人とも、そんなにボクのHな話が聞きたいのかな?」

 

「違うわ。土屋との関係の方よ。」

 

「ふえっ!?」

 

「・・・それは私も気になる。」

 

「な、何を言ってるのさ4人とも。ボクとムッツリーニ君がどうこうなんて、そんなことあるわけないじゃないか!」

 

ん~、これは黒かな。

普段私達が見てるのと明らかに態度が違うし、そうムキになって否定するところがますます・・・ね。

 

「・・・普段の愛子なら、笑って受け流す。」

 

「へぇ、愛子、アレが好きなんだ~。(ニヤニヤ)」

 

「まあ、私にもそんな風に見えていましたからね~。お似合いのカップルになると思いますよ?(ニヤニヤ)」

 

「霊夢と早ちゃんまで!ち、違うってば!ボクもムッツリーニ君もそんな気は全然ないよっ!」

 

「それはどうかしらね?意外と男子部屋でも、土屋が同じようなことを言ってるかもしれないわよ?」

 

「・・・お泊まり会の定番。」

 

「ほらほら、言っちゃえば楽になるよ~?」

 

「だ、だからあんな頭でっかち、ボクは全く興味ないんだってば!」

 

むー、これは言う気は無さそう。

まあ、態度で全員がわかったけどね。

その後はなんかみんなで好きな人を言ってく恋バナの流れになったけど、特に新しいことはわかんなかったな。

私はお姉ちゃんしかそういう意味では興味ないから、聞かれても問題なかったしね。

既に寝てた阿求ちゃんを除いて、誰もいないって答えたのは魔理沙、正邪ちゃん、小鈴さんだったけど、魔理沙はそう答えた時、少し違和感があったような・・・。

長いつきあいな私くらいしか気づかなかったみたいだし、気のせいなのかな?

そして他愛もない話をしながら、1人、また1人と寝てった。

私もいつのまにか寝てたみたい。

朝になって起きた後は、翔子ちゃんによる豪華な食事に舌鼓をうったり、昨日のように勉強を夕方くらいまでしたりして、みんな解散。

なんというか、かなり充実した2日間だったね。

・・・あ、そういえば、霧島さん、工藤さん、小鈴さんに言われて、これからは翔子ちゃん、愛子ちゃん、小鈴ちゃんって呼ぶことにしたよ。

 

 

 

 

 

 

そして時間は過ぎて、翌日の朝。

テスト当日だよ。

初日の最初の時間にいきなり私の最大の関門の現代文があるから、遅くまで勉強しててあんまり寝られてないし、おなかもすかなかったんだよね・・・。

一応パンは持ってきたけど、食べるかはわかんないな。

直前に見直すためにも、普段より速めに登校してるよ。

ちなみにお姉ちゃんは現代文はいつも勉強してないみたいだけど、英語と世界史の復習のため、いつも通り家でギリギリまで覚えてるみたい。

・・・って、あれ。

振り分け試験の時と同じくらいの時間に来たのに、先客がいる。

振り分け試験の時は一番乗りだったのに、意外。

しかもそれが吉井君だからさらにびっくり。

 

「おはよ~、吉井君。速いね~。」

 

「ああ、古明地さん、おはよう・・・。」

 

「フラフラしてるけど大丈夫・・・?まだ1日目なのに。もし徹夜で飲まず食わずでやってておなか空いてるなら、私のパンいる?」

 

「大丈夫、大丈夫・・・。パンも大丈夫・・・。ただ、気遣いはありがたいんだけど、あまり話しかけないでもらえるかな?昨晩必死で詰め込んだものが出ていっちゃうから・・・。」

 

「あ、そうなの?わかったよ。頑張ってね~。」

 

私が吉井君から離れ、自分の席でパン食べながら現代文の復習をしつつ、吉井君の方を振り返ってみると、まさに鬼気迫るというのが相応しい様子でひたすら詰め込んでる。

昨日のお泊まりから何があったのかはしらないけど、あれだけ頑張ってるんだから、いい結果になってほしいな。

他のクラスメイトもやってきて、朝のHRが始まっても、吉井君はひたすら詰め込んでる。

さて、私にとっての関門である現代文、頑張ろうかな。

 

 

 

 

 

(・・・うん、普段よりはいい点取れそう!)

 

今は現代文のテスト終了5分前。

阿求ちゃんに教えて貰った通りに印をつけながら読み、先に設問も読んでから文を読んだおかげで、うまく解けたよ。

今から新しい文章を読んで問題を解く時間はないから、今は見直し中。

 

(それに、今回の問題の文章のひとつのScarlet Ammo Online、たまたま最近読んでたのも大きかったかな。)

 

おかげで時間を節約出来たしね。

武偵と呼ばれる人達が、VRMMOに閉じ込められる話だけど、出たのはラッキーだったかな。

文章の流れがわかってたから、解きやすかったよ。

・・・あ、名前のところに最初の回答書いちゃってる。

幸い、7問目が飛ばした問題で、ズレはそこまでだから直すのは簡単だけど、気づいてよかったよ。

このままだったら私、エ組の羅生門になるとこだったからね。

修正修正っと。

 

(・・・でも、我ながら凄いミスだよね。)

 

多分こんなミスするの、私くらいだと思うな・・・。

もし気づかなかったら、すごい恥だったよ・・・。

他にも2つほど間違いを発見して直し、わからなかった記号問題を勘で埋めたら、テスト終了を告げる鐘がなる。

うーん、わかんないけど多分3桁行くか行かないかってところかな?

 

 

 

 

 

 

その後は特に何事もなく普通に進んでいき、3日間のテストも無事に終了。

いつも通り、地学は多分腕輪ライン行ったはずだし、全体的に点数も向上してる。

私の武器は特殊だからどう変わるかはわかんないけど、装備も期待出来るかな?

まあそもそも組分けは0点だったけどね。

・・・ちなみに吉井君は、基準点を満たせなかったみたい。

どうやら、テスト開始直後に忘れないように書いた年代と出来事が名前のとこにかかれてるのに終了後気づいたみたいで。

そのせいで彼は334クラスのアレキサンドロス大王になりました、と。

・・・私以外にも同じミスして、しかも気づかなかった人がいるとは思わなかったよ。

それでテストも終わり、テスト勉強からも解放された私達は・・・

 

「この問題は微分を使って解を出すことになる。sinθを微分すると、cosθになるため・・・」

 

・・・クラス全員、鉄人先生の補習を受けてた。

・・・まあ、戦争なり停学騒動(私関係ないけど)なりで授業時間が不足していたし、しょうがないっちゃしょうがないけど、すっごくあつい。

私達女子(と木下君)、特にそのなかでも身体が弱い阿求ちゃんと姫路ちゃんは比較的風通しがいい席を与えられてるけど、それでも溶けちゃいそうだよ・・・。

かき氷アイスプールエアコン扇風機・・・。

 

(・・・なあ、あいつら脱走を企んでるみたいだぜ。私達はどうする?)

 

マッチ売りの少女みたいに涼しいものを考えて気をまぎらわせてたら、そんな事を隣の魔理沙がほとんど唇を動かさず、前を向いたまま私だけに聞こえるくらいの声で話しかけてきた。

ちなみにこの技、鉄人先生に目をつけられてる、クラスの大半の人ができるよ。

そして私もね。

 

(・・・うーん、私はやめておこうかな。なんか嫌な予感するし・・・。)

 

(わかった。私はそれでも行くぜ。)

 

多分、発案者は坂本君なんじゃないかな。

そして恐らく彼らが仕掛けるタイミングは、次に鉄人先生が番書のために黒板に向かったタイミング。

 

「そしてここで今求めたx=cosθ+3sinθを与式に代入し・・・」

 

こちらを向いたまま説明するのも限界か、黒板に向かい、番書を始める。

そのタイミングで、皆が一斉に気配を極限まで殺し、扉へ向かうために立ち上がろうとする。

その瞬間。

 

「全員動くなァッ!」

 

鉄人先生がこちらを向くことなく言い、機先を制する。

どうやら、読んでたみたいだね。

 

「貴様ら、俺の授業から脱走を企むとはいい度胸だな・・・!」

 

鬼の形相でこちらを向く鉄人先生。

これは・・・鉄拳コースかな?

私はやってないから無罪だとは思うけど。

 

「そんなに俺の授業はつまらなかったか、これは俺の落ち度だな。すまなかったな。わびといってはなんだが面白い話をしてやろう。霧雨以外の女子と木下は耳を塞げ。」

 

と思ったら、そんなことを言い出した。

でも面白い話をすると言ってるのになんで私達女子は塞ぐように言われたのかな?

まあ、一応塞いどくけどね。

なんか嫌な予感するし。

 

「・・・・・・・・・・。」

 

「「「・・・・・・・・・・!!!」」」

 

音声が聞こえないけど、鉄人先生が何か言った瞬間、何人かの男子が悲鳴をあげ、力尽きる。

・・・え、なにが起きてるの?

 

「・・・・・・・・・。」

 

「・・・!・・・!」

 

「・・・・・・・・・!!」

 

その後も鉄人先生が何かを話すたび、クラスメイトの精神が崩壊していく阿鼻叫喚の地獄絵図が。

声は聞こえないけど、必死に助けを求めてるのが伝わってくる。

・・・とりあえず、これが罰だったってことはわかったかな。

ふと横を向くと、机に突っ伏したまま動かない魔理沙が視界に入った。

 

「・・・・・・・(バタリ)」

 

ちょっ、魔理沙!?

魔理沙がいつのまにか死んじゃってるよ!

手に持ってた赤ボールベンのインクで死に際に書いたのか、左指の先には『てつじ』って文字が。

助けてあげたいけど、今耳から手を離したら、ほぼ間違いなく私も殺られる。

だから今は、この地獄が終わるまでひたすら耳を塞いで待つしかないね。

脱走を企てたクラスメイト全員の精神が崩壊し、力尽きたあたりで鉄人先生が話を止め、耳を塞ぐのを止めていいとジェスチャーで伝えられる。

 

「10分休憩を取る。その間に、脱走を企てたことを反省するんだな。」

 

あ、休憩を取るのね。

一度脱走を企てた魔理沙達を警戒してるのか、休憩を取ると言っても教室からは出ず、扉の前に椅子を置き、そこに腰をおろす鉄人先生。

 

「・・・えっと魔理沙、生きてる?」

 

「・・・ああ、こいしか。死にかけたぜ・・・。」

 

よかった、魔理沙が生き返った。

 

「えっと、鉄人先生に何されたの?」

 

「・・・ブラジルでの鉄人のガチムチレスリングの話だぜ。」

 

うわぁ、それは確かにキツいね・・・。

ただでさえこの教室は暑いのに、さらにそんな暑苦しそうな話を聞かされたら、精神が崩壊してもおかしくない。

鉄人先生はトライアスロンやってるだけあって筋肉が凄いし、ブラジルってことは多分、身長も高くて筋肉が凄い黒人だと思うから、聞かなくてほんとよかった。

というか阿求ちゃんが聞いてたら、その瞬間記憶能力で脳内フォルダに永久保存されることと、持ち前の身体の弱さで命を落としてたか、酷い後遺症残ってたんじゃないかな・・・?

さいわい、しっかりと耳を塞いでたみたいだけどね。

 

「はぁ、ひどい目にあったぜホント・・・。こんなんなら脱走に参加しなければよかったぜ・・・。」

 

「私、あの時参加しなくてよかったな・・・。」

 

死屍累々の教室を見ながら水筒の中の飲み物を飲む。

水分補給は大事だからね。

普段はお茶なんだけど、今日はたくさん汗かきそうだったからスポーツドリンクにしてるよ。

 

「・・・そういえばこいし、テストが終わったということは召喚獣の装備も変わったってことだよな?確かめてみたくないか?」

 

「確かめるっていってもどうやって?」

 

「召喚許可を貰うか、坂本の腕輪を使えばいいぜ。休憩時間が終わる前に行こうぜ!」

 

そう言うと魔理沙は、さっきまでの死体状態が嘘のように、ドアの前にいる鉄人先生の方へ向かってく。

そこには吉井君達もいて、同じように召喚許可を求めてたね。

でも鉄人先生は普段の堂々とした態度じゃなくて、なんか歯切れの悪い感じで断ってる。

問題児認定されてる吉井君や坂本君じゃなくても、姫路ちゃんや美波ちゃんが言っても無視して、誤魔化すように授業を始めようとしてるね。

 

「ちょっと待った。こうなりゃ召喚許可をよこせとは言わねぇ。だが、何が起きたのかは説明はしてもらうぜ。アウェイクンっ!」

 

「それじゃ、早速。サモンっ!」

 

その腕を坂本君がつかみ、腕輪の力でフィールドを作成し、吉井君が召喚獣を呼び出す。

おなじみ幾何学模様から吉井君の召喚獣が出てきてるね。

特に変わりがなければ学ランに木刀だけど・・・。

 

「あれ?なんだか僕の召喚獣が・・・?」

 

「おいおい・・・。明久のクセになんだか妙に贅沢な装備になったな。これは甲冑か?」

 

「なかなかかっこいい感じだな。しかも剣も普通の大剣に見えるぜ。」

 

「というか、身長がやけに高いね。」

 

出てきたのは、西洋騎士って感じの甲冑と大剣を装備した吉井君。

しかも、いままでのデフォルメされた感じじゃなくて、身長も本人とあんま変わってない。

なんというか、吉井君がもう一人いるみたいな?

 

「顔も明久君そっくりですね。今までの可愛い感じと違って、今度のは凛々しいです。」

 

「え?そ、そう?」

 

吉井君が照れてる。

 

「姫路も酔狂なヤツだな。こんなブサイクのどこがいいんだか。」

 

「あ痛っ。」

 

パコン、と坂本君が吉井君の召喚獣の頭を小突く。

すると、その叩かれた頭は首から離れて、ゆっくりと重力に従い、畳の上に落下した。

・・・・・・え?

 

「「「・・・・・・・・・」」」

 

私達が絶句するなか、胴体から離れた生首はてんてんと転がりながら私達の目の前を静かに横切り、やがて卓袱台の足にぶつかって、こちらを見つめた状態で静止した。

・・・・・・待って、脳の処理が追いつかない。

 

「「きゃぁぁあああーっ!?」」

 

「えぇぇっ!?な、何コレ!?僕の召喚獣がいきなりお茶の間にはお見せできない姿になっているんだけど!?」

 

身体はさっきのように仁王立ちしたまま、頭だけが地面に落ちてる。

なんというか、デフォルメじゃない分余計にアレだよ・・・。

・・・あれ?

首なんて取れたら監察処分者である吉井君は想像を絶する痛みに襲われそうなものなのに、何ともないのかな?

 

「ん?ああ、すまん。そんなに強く叩いたつもりはないんだが、まさか外れちまうとはな・・・。待ってろ、今ホチキスを持ってくる。」

 

「何的はずれなことを言ってるのさ!?くっつけるなら接着剤でしょ!?ホチキスだと穴が開いて痛いんだから!」

 

「そういう問題ではないと思うんじゃが。」

 

「というか吉井君、首取れたのにフィードバックの痛みはないの?」

 

「あ、確かにそういう痛みはないかも・・・。どういうことなんだろう?」

 

『Fクラス 吉井明久 総合科目 1083点』

 

首が取れてても戦闘不能になったわけじゃなくて、きちんと点数もある。

というか吉井君、強化合宿の時と比べて点数高いね。

吉井君が試しに腕を動かす操作をすると、首なしのまま動いてる。

つまり、首が取れるのが仕様ってこと?

 

「2人とも、そんなに怖がらなくても大丈夫だよ。これは死体じゃないみたいだから。」

 

「はぅ、そうじゃなくても、やっぱり怖いです・・・。」

 

いまだ怖がって目を手で覆って見ないようにしてた姫路ちゃんと美波ちゃんに、吉井君がやさしく声をかける。

死体じゃなくても怖いとは思うけどね。

 

「何か知ってるんだろ、鉄人。」

 

坂本君がわざとらしく聞くと、鉄人先生は諦めたように答えてくれる。

 

「あー、学園長の話では、今呼び出される召喚獣は、化け物の類になっているらしい。」

 

化け物?

妖怪ってことかな?

だとしたら吉井君のは・・・デュラハンかな?

 

「なるほど、調整に失敗したんだな。」

 

「・・・身も蓋もない言い方をするな。」

 

「でも、なんで西洋の妖怪のデュラハンなんだろ?日本にも妖怪はいっぱいいるのに。」

 

確かに、ドイツからの帰国子女の美波ちゃんはともかく、私達は日本人だから関係ないよね。

 

「学園長の話を聞いた限りでは、本人の本質や特徴によって決められたらしい。」

 

となると・・・デュラハンの特徴は頭が取れることだから・・・あっ。

 

「特徴や本質ですか?そうなるとデュラハンが選ばれたっていうのは、僕の騎士道精神が召喚獣に影響を与えたからってことですね。」

 

「明久。現実から目を背けるな。」

 

「え?違うの?そうなると他に考えられるのは、甲冑の似合う男らしさとか、大剣を振る力強さとか『恐らく、頭がない=バカだからじゃな。』言ったぁー!僕が必死に目を逸らしていた事実を秀吉が包み隠さず言ったぁー!」

 

やっぱりそうだよね。

見た目は格好いいけどさ。

というか頭が取れるということは、戦闘時もどっちかの腕で抱えないとダメってことだよね。

坂本君もそれに思い当たったらしく、吉井君に言ってる。

甲冑と大剣で強くなったと思ってた吉井君は、やっぱりへこんでた。

 

「面白そうだから、私も召喚してみるぜ。何が出るんだろうな。サモン!」

 

すると、ここまで黙って見てた魔理沙が召喚する。

何が出るんだろ?

 

ポンッ←魔女登場

 

「お、私のは魔女みたいだぜ。なかなかいいじゃないか。」

 

魔理沙が出した召喚獣は、魔女だったよ。

これがどういう本質なのかはわかんないけどね。

 

「じゃあ、私も!サモン!」

 

面白そうだし、私も召喚獣を呼び出してみる。

私のは何が出るのかな・・・って思ってたら、前のとほとんど変わってないような気が。

強いて言うなら、私の召喚獣の胸の前に、青色の閉じた眼みたいなのがコードみたいなもので繋がれてるくらいかな?

・・・あ、試しに黒の腕輪を装着してみたら、装備が普段の弓じゃなくて固定電話の受話器とナイフになった。

でも、さっきの眼は残ってるね。

・・・あ、ムッツリーニ君が写真撮ってる。

せっかくだしポーズ取らせちゃお。

 

「古明地のは・・・なんだ?」

 

「私もわからないが・・・なんの妖怪なんだぜ?」

 

みんなもわかんないみたい。

・・・あ、そうだ!

 

「阿求ちゃんならわかるかも!ちょっと聞いてみるね~。」

 

阿求ちゃんは日本古来のこととかも詳しいからね。

この召喚獣のこともわかるかも!

事情を説明して連れてくる。

 

「・・・ふむ、なるほど。これは恐らくさとり妖怪でしょうか。胸の第三の眼で人の心を読み取り、考えていることを言い当てるという妖怪です。ですが眼が閉じてるのはわかないですね・・・。それと、手に持っている受話器は、メリーさんでしょうか。」

 

阿求ちゃんのおかげで正体はわかったけど、なんで目を閉じてるのかはわかんないな。

というか受話器はメリーさんなんだ。

メリーさんっていうと、電話をかけて、『今、あなたの後ろにいるよ』って言うやつだよね。

せっかくだから、吉井君のデュラハンの後ろに移動して、メリーさんぽくやってみる。

 

「さっきから面白そうなことやってるみたいだな。」

 

「なんか本質がどうたらとか言ってたな。」

 

「だから吉井のには頭がなくて、魔理沙ちゃんとこいしちゃんは可愛いのか。」

 

そうやって騒いでると、悪夢から目覚めたクラスメイトがやってきた。

吉井君が『この連中だけには言われたくない。』みたいな顔してる。

 

「そこまで言うなら、君達も召喚してみなよ。きっと酷いのが出てくるからさ。」

 

吉井君がそう言うと、3人とも口の端を歪めて、嫌な笑みを顔に浮かべ、召喚する。

 

・・・ズズズズズ←ゾンビ登場

・・・ズズズズズ←ゾンビ登場

・・・ズズズズズ←ゾンビ登場

 

あぁ、根性が腐ってるのね・・・。

 

「こ、怖いです明久君・・・っ!」

 

「あ、アンタたち!その汚いものを早くしまいなさいよっ!」

 

自分の本質を美波ちゃんに汚いって言われた3人は、お互いの肩を抱き合って泣いてたよ。

その後もみんなで召喚獣を出していって、吉井君の本体も召喚獣のように首が取れかけたり、吉井君の身体に美波ちゃんが拳を叩き込んだり、吉井君の頭がサッカーボールとしてゴミ箱にシュートされたりと色々ありながらも、みんなが召喚してく。

木下君が猫又、姫路ちゃんがサキュバス、美波ちゃんがぬり壁(可哀想)、ムッツリーニ君がバンパイア、坂本君が狼男みたい。

途中でやってきた正邪ちゃんは天邪鬼、お空はやたがらすだったよ。

正邪ちゃんは時にあまのじゃくなところあるからわかるけど、お空のやたがらすはなんだろ?

阿求ちゃんいわく、やたがらすは太陽の力を持つ三本足の鴉みたい。

 

「さて、最後は私ですね。サモン。」

 

阿求ちゃんが召喚獣を呼び出す。

はたして何が出るのかな?

 

ポンッ←百鬼夜行絵巻登場

 

・・・・・・ん?

絵巻?

 

「・・・・・・これ、私どう戦えばいいのでしょうか・・・?」

 

阿求ちゃんが困ったように呟く。

なんせ、阿求ちゃんの召喚獣は、絵巻物に手と足が生えたような見た目してるからね。

武器もナシ。

坂本君の狼男も素手だったけど、あっちはがっしりした肉体があったし・・・。

 

「ちょっと試してみましょうか。えいっ。」

 

阿求ちゃんが念じると、百鬼夜行絵巻が展開され、中から徳利とか茶碗に手足が生えたようなものが弾丸みたいに高速で出てくる。

これなら私知ってるよ、付憑神ってやつだよね。

 

「・・・これはまた、面白い攻撃ですね。」

 

「それはそうと、この召喚獣はきちんと次の召喚戦争には直るのか?こんなんで勝負やったら妖怪大戦争になっちまうだろ。」

 

阿求ちゃんが試してたら、坂本君が鉄人先生に言う。

確かに、私の召喚獣はいいけど姫路ちゃんは恥ずかしいもんね。

 

「召喚システムの調整については俺もよくわからん。学園長なら何か知っているかもしれんがな。」

 

鉄人先生が眉根を寄せる。

これは教師サイドにも好ましい事態じゃないみたい。

 

「確かにその辺は鉄人よりもババァに聞いた方が良さそうだな。なんたって召喚システムの開発者様だからな。」

 

「そうだね。学園長に聞いてみよっか。」

 

「うんうん、それがいいよ。」

 

学園長先生なら何か知っているかもしれないしね。

これは確認しないと。

 

「キサマらっ!ドサクサに紛れて脱走か!」

 

あ、気づかれた。

 

「しまった雄二!気づかれたよ!」

 

「走れ明久、古明地!ババァの部屋に逃げ込めばこっちのもんだ!」

 

「うん、わかったよ!」

 

さっきは参加しなかったけど、私だって出来るなら脱走したかったからね。

学園長室に入れれば行けるけど、まあ私の場合は適当なタイミングで2人とわかれて逃げれば、多分鉄人先生は2人を優先するから逃げられそうだけど、ついていくよ




いかがでしたか?
やっと肝試しに入って、妖怪の召喚獣だせて満足。
腕輪も変化しており、神秘録の怪ラストワードが近くなりました。
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