「坂本君?どうして設備をもらわないの?」
坂本君の発言に対して私が質問する。
この場のみんなが頭にクエスチョンを浮かべてたんじゃないかな?
「忘れたのか?Dクラスはあくまで中間点。目的はAクラスだろう?」
「でもそれなら、なんで直接Aクラスに戦いを挑まないのさ?」
「ちょっとは自分で考えろ。そんなんだから近所の小学生にバカなお兄ちゃんと呼ばれんだよ。」
「・・・・・・人違いです。」
「冗談のつもりだったんだが、お前・・・。」
えー。
なにしたのか、すごく気になるよ・・・。
「とにかく、条件次第では設備交換をやめてもいい。」
「条件?一応聞かせてくれ。」
「なに、簡単なものさ。俺が指示したらBクラスのところにある室外器を破壊してくれ。」
「・・・ほう?それだけなのか?」
「ああ。設備を壊すから教師に睨まれるだろうが、そう悪い取引じゃないだろう?」
なるほどね。
私にはよくわからないけど、これが大事なんだろうね。
「だが、何故そんなことを?」
「次のBクラス戦に必要なことだからな。」
坂本君がそんなことを・・・・・・ん?Bクラス?
お姉ちゃんがいるBクラス?
「ねえ坂本君。私、お姉ちゃんがいるBクラスにはやらないでって言ったよね?お姉ちゃんをあんな設備にさせるわけにはいかないんだけど、さっきのはどういうことなのかな?もしお姉ちゃんにあんな教室を押しつけようとするなら、さっきの吉井君みたいな方法使ってでも止めるよ?ねえ坂本君、そこのところ答えてよ?」
「ま、待て古明地!あとで詳しく話すからそんな詰め寄ってくるな!明久と違ってお前が本気で隠れると全然見つからないから怖いんだよ!」
坂本君がなんか言ってるけど、さっき吉井君が落とした包丁はどこに行ったのかな?
家庭科室かな?
「待て古明地!とりあえず落ち着け!」
「そうだよ古明地さん!クラスメイトを殺すなんてダメだ!」
左右から魔理沙と吉井君が抑えてくるせいで動けなくなっちゃった。
「とりあえず、後で納得できる説明をするから落ち着け!」
・・・はっ!?
あれ?私はなんで抑えられてるんだっけ?
「まあともかく、その取引、のませてもらう。お前らがAクラスに勝てることを祈ってるよ。」
「ははっ、無理するなよ。どうせ勝てないと思ってるだろ?」
「まあそうだが、100%負けるとは思ってないからな。10%くらいはあると思ってるよ。まあ頑張ってくれ。」
そう言いつつ平賀君は去っていく。
「・・・さて古明地、ちょっと来い。さっきのこと、納得いく説明をしてやる。」
「わかったけど、内容によっては《ピー》で《ズッキューン》で《ザッパーン》だよ?」
「怖いからやめてくれ!」
翌日。
私達は補充試験を受けるため、学校に来てた。
ん?私と坂本君のあの後?
一応納得したからチクチクするのは勘弁してあげたよ。
「おっはよ~!・・・あれ?姫路ちゃんどうしたの?」
「おはようございます・・・。実は、いけないものを食べてしまって・・・ぐすん。」
泣くほど痛いのかな?
なんかものすごく心配だな。
「無理だけはするなよ?健康は大事にしろよ。」
「あ、ありがとうございます・・・。でも、私は大丈夫です、多分・・・。」
「おっはよ~!って姫路さん、大丈夫!?もしかしてブサイクな雄二に話しかけられたせいで気持ち悪くなったの!?」
「おいこら明久、お前には言われたくねえよ。」
あ、坂本君と吉井君だ。
「よう吉井!坂本と睨みあってどうしたんだ?」
魔理沙も来たね。
「聞いてよ霧雨さん!雄二が姫路さんをいじめてたんだよ!」
「嘘をつくんじゃねえ!」
「あ、魔理沙、姫路ちゃんが具合悪いのは変なもの食べたかららしいからね?」
「なるほどな。とりあえず吉井、私の呼び方は魔理沙でいいぜ。」
「ほぇ?そうなの?ごめんね雄二、あまりにブサイクだから勘違いしちゃった。」
「テメェ表出やがれっ!」
「それより、吉井はここにいていいのか?1限のテストは生ぶ・・・・・・」
バギャドガァッ!
突然の大きな音に魔理沙の言葉が遮られる。
音がした方を見ると、破壊されたドア。
そして、恐ろしいオーラを放つ四季のフラワーマスター。
「あなたが吉井君ね。私に花のことを聞いておいてすっぽかすとはいい度胸してるじゃない?」
ひいっ!?
怖い、怖いよ。
私に向けられてないのにものすごく怖いよ!
こんだけ怒りのオーラ出してるのに表情が笑顔なのがなおさら怖いよ!
「あ、あ、あ、あ、あのですね風見先生、あの放送は雄二がでっち上げで・・・」
「へえ、そうなの。ならば・・・その雄二君とやらもまとめて教育してあげようかしら。」
「「ひいいいいーーーっ!」」
「花を水やり忘れで枯らすなんて、一番私が怒るものよ?花だって生きているのに、責任をすっぽかして殺すなんて、人として最悪な行為。それを嘘とはいえ私に言った二人は許されないわ。どっちも三途の川を渡る覚悟しときなさい。とても綺麗な花を見せてあげるわよ。」
「「い、い、イヤアアアアーッ!!」」
すごい勢いで走ってく吉井君と坂本君。
そして、あくまで笑顔でそれを追う先生。
・・・えっと、テストはどうするのかな?
まあ、とりあえず二人が生き残れることを祈っておこう!
「・・・あれ?アキがいない。昨日助けてくれたお礼をしようとしたんだけど・・・。」
後から来た美波ちゃんが吉井君を探してるけど、しばらくは無理だと思うよ・・・。
昼休み。
「大丈夫?」
「「ああ、綺麗な花畑と川だなぁ・・・。あ、鎌を持った女の人が杓をもった幼女に叱られてる。」」
「ちょっと!?それ多分三途の川だよね!?起きて!!」
「「はっ!?」」
良かった、目覚めたみたいだね。
命をかけた鬼ごっこでは二人とも捕まっちゃったみたいだけど、生きて帰れて一安心だよ。
「二人とも、風見先生は許してくれたのかの?」
「うん。捕まって花についてひたすら語られた後、花を枯らした嘘をついた罰として文庫本1冊程度の反省文提出したらひたすら傘でボコられた後、ようやく許してくれたよ。多分。意識が朦朧としてたからはっきりとはわからないんだけどね。」
「あ、あはは・・・」
阿求ちゃんが苦笑いしてる・・・。
私も過剰じゃないかなと思うけど、今日一日じゃなかっただけよかったのかな?
「とりあえず、今は昼飯を食べに屋上へ行くぞ・・・。」
「坂本君、屋上じゃなくて保健室に行こうよ・・・。」
「いや、鬼ごっこの前のこいつとの決着をつけないといけねえからな・・・。か、覚悟しやがれ、明久・・・。」
「の、望むところだよ・・・!」
「あの、これ以上やったら本当に死にますよ・・・?」
さっきも三途の川っぽいの見てたのに・・・。
「そういえば、姫路が弁当作ってきてくれるんだったよな?」
魔理沙の言葉で思い出したけど、そういえばそうだったね!
姫路ちゃんがビクンと反応してるけど、どうしたのかな?
「あ、あのですね、実は、持ってくるのを忘れ『お、これだな!』ま、魔理沙ちゃん!?」
魔理沙、人の鞄を勝手にのぞくのはやめようよ・・・。
「みたところ、弁当みたいだな!これは楽しみだぜ!」
「あ、あの、待って『やったあ!姫路さん、ありがとう!』あぅ・・・。」
「これはなかなか旨そうだな・・・。」
「・・・・・・・きっと美味。」
楽しみだな~!
みんなで屋上へいく。
坂本君と美波ちゃんは飲み物を買うため、あとから来るみたいだけど、無くなっちゃわないか心配だな。
「よーし、開けるぜ!」
魔理沙が弁当のふたをとる。
すると、中から唐揚げ、卵焼き、ベーコン巻き、おにぎりなどがこんにちはする。
とっても美味しそうだし、味に期待するしかないよね!
「「「おおーっ!」」」
「あぅ・・・。皆さん、いったん待って・・・」
「よしじゃあさっそくいただくぜ!」
「・・・いただき。」
「あっ、ずるーい!」
いきなり魔理沙とムッツリーニ君が唐揚げを口に運ぶ。
二人が食べた瞬間、ガシャン、ガタガタガタガタと顔から倒れて痙攣しはじめた。
・・・・・・・えっ?
「ああ・・・、二人とも大丈夫ですか!?意識ありますか!?」
私達が何が起こったかわからない状況のなか、姫路ちゃんだけは半泣きで二人に声をかけてるね。
「・・・(ムクリ)」
「・・・ふっ。(ムクリ)」
あ、二人が起き上がった。
「・・・・・・(グッ)」
「我が人生に、一片の悔いなしだぜ・・・。(グッ)」
だけど、そんなことを言ってまた倒れちゃった。
もしかして、美味しすぎて倒れちゃったということかな?
でも顔が青白いのが・・・。
「な、なんというか、二人とも突然倒れたが、確かこの時期は貧血を起こしやすいと言う噂を聞いたことがあるぞ!」
正邪ちゃんが半泣き・・・というか今にも泣き出しそうな姫路ちゃんを見てられなかったのか必死で理由をでっちあげる。
「そ、そういえばわしも聞いたことがあるぞい!今くらいの時期、貧血は多いものじゃろうしな!」
「ま、まったくムッツリーニも魔理沙ももっと鍛えないといけないよね!」
「ま、まさか目の前でおこるなんて予想してなかったよね~。」
「そ、そうですね。私の記憶にもこういうことがあった気がします!」
「まったく、偶然って怖いよね!」
「「「アッハッハッハッハ!」」」
「・・・と、待たせたな!早速俺も食べさせてもらうとするか!」
「「「あ・・・・・・。」」」
全員で必死にごまかしていたら、坂本君が食べてしまう。
ガシャン、ガタガタガタガタと、ジュース缶をぶちまけて倒れる坂本君。
「あ、ああ・・・」
「ちょっと!?坂本、どうしたの!?」
後ろからは美波ちゃんの声。
並ぶ3人の死体(生きてるけど)。
・・・・・・うん、これは詰みだね。
「ごめんね姫路ちゃん、お話、聞かせてくれないかな?」
「うう・・・っ、ごめんなさい!」
とうとう泣き出しながら謝る姫路ちゃん。
心苦しいけど、ごめん!
「じ、実は私の弁当が原因なんです・・・。昨日、頑張って作ってみたんですが、試食してみたら気絶しちゃって・・・。でも、意地をはってしまって持ってきちゃったんです・・・。本当にごめんなさいっ!」
泣きながら謝る姫路ちゃん。
悪気がないのはわかってるし、反省してるわけだし、誰も責めたりはしないけどね。
「・・・・・・大丈夫だよ姫路さん。姫路さんが作ってくれたんだから、どんなものだって嬉しいよ。だからいただきますっ!」
えっ吉井君!?
一口食べたら人の意識を刈り取る弁当をかっこみ始めちゃったよ!
大丈夫なの!?
「・・・・・・(ゴクン)、ふう。姫路さん、美味しかったよ・・・・・・・(バタリ)」
「よ、吉井君・・・!死なないでくださいっ!」
た、食べきった・・・・・・!
すごいよ吉井君・・・!
今、最高に輝いてるよ!
まあ、その輝きが命の焔を燃やしつくしかけてるのが問題なんだけど・・・。
「よ、吉井・・・、お前すごい男だな・・・。」
「吉井君の勇姿は、私の頭にずっと記憶しておきますよ・・・。」
死屍累々の状況だけど、吉井君は最高に輝いてた。
いかがでしたか?
自分の料理の味をしらないのは不自然ですよね。
明久かっこいい。