古明地こいしとFクラス   作:こいし金二

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坊主先輩はよくこの役割をひきうけたものですよね。
生物兵器となるなんて。


第六十話「惨劇!」

 

 

「おい、坂本や戻ってきた奴の話によると、ここでは何だかよくわからん物を当ててくるらしいぞ。」

 

「そうなのか。それだとさっきのBクラスよりはやりづらいな。」

 

第二陣として入っていったうちの一組が警戒しつつ会話をしてる。

流血沙汰に慣れてるFクラスでも、やっぱちょっとやりにくいみたい。

まあ、他よりは大丈夫そうではあるんだけど。

 

「そこで、俺はちょっとした対策を考えてきたんだ。」

 

「対策?なにかいい方法があるのか?」

 

「ああ。悲鳴をあげるのは、それがなんだかわからないものだからだ。だから、その物を『俺のことが好きで手を繋ぎたいけど、恥ずかしいからそこらのものを使ってしまう美少女』に脳内変換してやればいい。そうすればむしろ嬉しい接触に早変わりだ。」

 

「な、なんだと・・・!?それはあまりに妙案過ぎる・・・!武藤、俺はお前の頭脳が恐ろしいぜ・・・!」

 

・・・・・・。

これ、会話もモニターに流れてるんだけど・・・。

2人は理解してるのかな?

とにかくそうして進むこと数分。

たまたま方向転換したカメラになにかが横切る。

あれは・・・コンニャク?

ピタッと音をたて、2人に接触するそのなにか。

 

「「ふおぉぉおーっ!!たまんねぇーっ!!」」

 

2人は脳内で変換してトリップしてた。

・・・・・・アホなの?

 

「・・・・・・明久。後であの2人を始末しておいてくれ。」

 

「了解。」

 

・・・まあ、止めなくていっか。

あの2人は置いといて、残りの3ペアは順調に進んでる。

突然の接触に小さな声を出すくらいで、失格にはならないような大きさだし。

でもまあ、こっちが順調ならなんかしらの手を打ってくるよね。

 

「さて、そろそろ向こうも何かをしてくる頃合いだとは思いますが・・・。」

 

お姉ちゃんもそう思ってたようで、モニターを注視してる。

私も見てると・・・・・・あれ、なんか広いところに出た?

 

「なんか不気味だな。」

 

「ああ。よくわからねえがなんかヤバそうな雰囲気を感じるな。」

 

モニターの向こうでも、2人が固唾を呑む様子が伝わってくる。

ここはきっと、勝負の行く末を左右する場面のひとつになるはず・・・!

全員がモニターに注視し、なにが起きるか見守ってる。

画面には暗闇の空間の中央に誰かが佇む感じが見てとれる。

でもその人影は実は囮で、背後からの奇襲も充分に考えられそう・・・。

 

「突っ立ってても仕方ねえ。先に進むぞ。」

 

「わかった。」

 

2人が歩みを進め、カメラも移動していく。

そして、2人が中央に近づいたところで、バンと照明が点灯。

暗闇から一転して光が溢れだした舞台には、常夏コンビの片割れである坊主が佇んでいた。

・・・・・・全身フリルだらけの、ゴスロリ姿で。

 

「「「ぎゃぁあああーっ!!」」」

 

とんでもないグロ画像を前に、画面の内外関係なくそこらじゅうで悲鳴があがる。

こ、これはものすごく辛い・・・!

SAN値が・・・!

 

「坊主野郎めっ!やってくれやがったな!」

 

「汚いっ!手段も汚ければ絵面も汚いよっ!」

 

「これは最悪です・・・!」

 

「気持ち悪い・・・。」

 

「あれはワシも耐えられん・・・!」

 

「お姉ちゃんにあんなもの見せるなんて、ころす・・・。」

 

翔子ちゃんみたいにお化けに耐性があっても悲鳴は避けられない。

 

「なんだ?今、こっちの方から何か聞こえなかったか?」

 

「ああ、間違いない。そこで悲鳴が・・・ぎゃぁあああーっ!!」

 

まずい、悲鳴が呼び水になって二次被害が!

 

「雄二!早く手を打たないと全滅だよ!」

 

「く・・・っ!だが、既に突入した奴等は助けようがない・・・っ!」

 

「そんなっ!彼らを見捨てるしかないっていうの!?」

 

吉井君の言葉に唇を噛み、悔しそうに黙ってうつむく坂本君。

そんな・・・。

 

「ぎゃぁあああーっ!!誰か、誰か助け」

 

「嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!頼むからここから出してくれ!」

 

「助けてくれ!それが出来ないならせめて殺してくれ!」

 

「       」

 

「突入部隊・・・全滅・・・ッ!」

 

「くそぉっ!皆ぁっ!」

 

注ぎ込んだ戦力は全滅。

モニターで見てた私達ですらこのダメージ。

これは直接見てしまった彼らは、もう・・・。

 

「坂本!仇を・・・!あいつらの仇を討ってくれ!」

 

「このまま負けたら、散っていったあいつらに申し訳がたたねぇよ・・・!」

 

涙ながらに訴えるクラスのみんな。

私も同じ気持ちだよ。

いくらなんでもあんな惨い死に様は酷すぎるよ・・・!

酷いよ、こんなのあんまりだよ・・・!

 

「わかっている!向こうがそう来るのならこっちだって全力だ!突入準備をしている連中を全員下げろ!ムッツリーニ・工藤愛子ペア、そして博麗・霧雨ペアを投入するぞ!」

 

「「「おおーーっ!!」」」

 

その名前を聞き、教室から雄叫びが響きわたった。

きっとやってくれるはず!

教室中から、彼女達の名前のコール。

 

「はぁ、仕方ないわね・・・。まあ、私もあんなもん見せられた怒りがあるし、やってくるとするわ。」

 

「だな。散っていったあいつらの敵討ちをしてくるぜ。」

 

「だってさ。よろしくねムッツリーニ君。」

 

「・・・(コクリ)」

 

あれを見せられても、緊張した様子がない4人は凄い。

 

「・・・あ、霊夢さん、施設への手出しはルール違反になるからね?」

 

「わかってるわよ。さとり、ちょっと聞きたいことがあるのだけど、来てもらっていいかしら?」

 

「ええ、構いませんけど・・・。」

 

注意した私に答えた霊夢さんは、何故かお姉ちゃんになにかを聞いてる。

何を聞いてるのかな?

お姉ちゃんに聞いても教えてくれなかったけど、まあわかるよね。

そしてカメラを構えつつ進んでいく4人。

魔理沙と愛子ちゃんがカメラを持って、ムッツリーニ君は何か大きなものを持って進んでる。

 

「皆!もうすぐあの衝撃映像が来るよ!女子は全員目を閉じるんだ!」

 

吉井君がみんなに呼びかける。

でも私も、霊夢さん達が仇を討つのを見届ける!

さっきの場所はふたたび照明が消されており、真っ暗になってる。

暗闇からいきなり出てくるほうがインパクトも大きいし、予想通りではあるけど・・・。

来る・・・!

 

バンッ!(照明がつく音)

 

ドンッ!(ムッツリーニ君が大きな鏡を置く音)

 

ケポケポケポッ(坊主が嘔吐する音)

 

「て、てめぇっ!なんてもの見せやがるっ!思わず吐いてしまったじゃねえかっ!」

 

「・・・吐いたのは人として当然のこと。恥じることはない。」

 

「くそう、想像以上の気持ち悪さに自分で引いたぜ・・・!どうりで着付けをやった連中が頑なに鏡を見せてくれねぇ訳だ・・・!」

 

「・・・しかし改めて見ると本当に気持ち悪いな。こんなに気持ち悪い姿でよく生きてこられたなと感心しそうになるぜ。(ボソッ)」

 

「そうね、自尊心とかないのかしら。(ボソッ)」

 

「ちょっと待てお前ら!聞こえないよう言ったつもりかもしれねえが、はっきり聞こえてんぞ!」

 

「ムッツリーニ君、この先輩面白いね。来世でなら知り合いになってあげてもいいかも。」

 

「お前はお前で俺の現世全否定してないか!?しかも生まれ変わっても知り合い止まりかよ!」

 

「あ、ごめんなさい。悪気はなかったんですゲロ野郎。」

 

「純粋な悪意しか見られねぇよ!」

 

「愛子、それは失礼よ。3年なんだから先輩つけて、ゲロオカマ先輩とでも呼んであげる方がいいわ。」

 

「それ罵倒がランクアップしてるだけだからな!先輩つければいいってもんじゃねえ!って残りの2人は何カメラ向けてやがるんだ!」

 

「・・・海外のホンモノサイトにアップする。」

 

「こんな気持ち悪いものはそうそう見られないからな、Twit○erにでもあげようと思っただけだぜ。」

 

「じょ、冗談じゃねえっ!覚えてろぉおっ!」

 

涙目になってダッシュで逃げていくゴスロリ坊主。

4人のおかげで最大の危機は去ったね。

でも、さっきの感じ、霊夢さんや魔理沙らしくないキツい感じだったような・・・。

 

「もしかしてお姉ちゃん、さっき霊夢さんに口撃のやり方聞かれた?」

 

「その通りよこいし。」

 

やっぱりね。

清涼祭でも言ったと思うけど、お姉ちゃんは口喧嘩がとても強いし、相手の心にトラウマを植えつけるのが上手いんだよね。

まあお姉ちゃん優しいから普段はそんなことしないんだけど。

ちなみに愛子ちゃんの罵倒は美春ちゃん由来だって。

 

「・・・と、やはりチェックポイントはすぐそこだったみたいだな。」

 

坂本君が言う通り、さっきの照明がスペースをとりすぎていたせいか、すぐにチェックポイントが見えてくる。

保健体育ということで、先に着いていた霊夢さん達はあえて入らず、先にムッツリーニ君と愛子ちゃんが行くことに。

 

「あら?ここのチェックポイントは先程の気持ち悪い坊主ではないのですね。」

 

「まあ、そんなルールはつけてないからな。AかCにでもいるんだろ。」

 

「そうですね、あなた達は個人勝負の約束をしたようですし、出てこないことはないのでしょう。」

 

お姉ちゃんと坂本君が会話をしてる。

確かにお姉ちゃんの言う通り、どこかにはいるとは思うけどどうなんだろ?

 

「「「サモン!」」」

 

そうこうしてる間に、4人が召喚獣を呼び出す。

ムッツリーニ君は前見た通り吸血鬼で、愛子ちゃんはのっぺらぼう。

3年の2人はミイラ男とフランケンシュタイン。

でも、本当の顔がないのっぺらぼうが愛子ちゃんの本質ってことは、今私達に見せてる、明るいセクハラ発言愛子ちゃんは本当の素顔を隠すものってことなのかな?

過去、もしくは現在進行形で何か辛いことが・・・。

吉井君も同じようなことに思い当たったみたいで、考えてる表情してる。

 

「そういえば、ワシが前に演劇の候補として怪談話を探しておったのじゃが、その中にのっぺらぼうの尻目というものがあっての。そののっぺらぼうはなんでも、人に出会うと全裸になったそうじゃ。」

 

((僕(私)の心配を返してほしい。))

 

吉井君と心の声が一致した気がした瞬間だった。

そんなことを思ってる間に、相手の点数が表示される。

その点数はどちらも300点超え。

 

「ムッツリーニ君。先輩達の召喚獣、なんだか強そうだね。召喚獣の操作もボク達より1年長いし、結構危ないかな?」

 

「・・・確かに強い。」

 

『Aクラス 工藤愛子 保健体育 479点 and Fクラス 土屋康太 保健体育 557点』

 

「・・・が、俺と工藤の敵じゃない。」

 

「確かに、ね。」

 

瞬きすら許されない刹那の後、相手の召喚獣は攻撃どころか反応すら出来ず地に倒れ伏す。

あまりに圧倒的な戦力差。

・・・というか、何があったか見えなかったんだけど私・・・。

 

「ねえ雄二、今何があったか見えた?」

 

「ああ、はっきりと見えたわけじゃないが・・・。吸血鬼の方は一瞬で無数の蝙蝠になってフランケンを切り裂いて、また人型に戻っていた。」

 

恐ろしい攻撃速度だね・・・。

凄い・・・。

 

「それで、のっぺらぼうの方は?」

 

「ああ、はっきりと見えたわけじゃないが・・・。一瞬で全裸になってミイラ男をボコボコにして、また服を着ていた。」

 

なんで全裸に・・・?

わかんない・・・。

 

「あと、ムッツリーニはその一瞬で出血・止血・輸血を終わらせてた。」

 

さすがムッツリーニ君・・・。

 

「・・・雄二。浮気の現行犯。」

 

「待て!工藤のは見ようとした訳じゃないから不可抗ぎゃぁあああっ!!」

 

翔子ちゃんによって行われるリアル肝試し。

こんな光景美波ちゃんや姫路ちゃん見慣れてるだろうし、自分でも作り出すのになんでここまで怖がるのかな?

というか翔子ちゃんって、例えば坂本君の前に痴女がいて、見せつけてきたとしても坂本君にアイアンクローや間接技かましそうだよね。

その横では記録用ハードディスクを姫路ちゃんに抜き取られ懇願してる吉井君の姿。

まあそれはとにかく、次はCクラスだよ!




いかがでしたか?
フーパの映画を見てて思ったんですが、多分ラティ兄妹は水の都のやつなのでしょう。
だがあのレックウザは何者なのだろう。
烈空の訪問者は通常色ですけど気になる。
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