なお、これはこいしちゃん主人公の物語なので明久の中のは全カット。
「よくやった明久。作戦は大成功だ。」
「え?僕はただ行って戻ってきただけだし、美波は気絶しちゃったけどなんで?」
「お前はそれでいいんだ。モニターにお前の結果がでてるぞ。」
突入して途中で戻ってきた吉井君に、坂本君がねぎらいの言葉をかける。
現在モニターには吉井君と美波ちゃんが突入してすぐに、追いかけるため突入した久保君と美春ちゃんだったモノがチェックポイントに映ってる。
「ヒぃー・・・フぅー・・・!オネェサマ・・・。オネェサマ ヲ イケニエ ニ ササゲナサイ・・・!」
「ね、ねぇ・・・。これ、あなたの召喚獣・・・?」
「いえ、一応これでも人間なのですが。」
チェックポイントの先輩が言う通り、美波ちゃんを追ううちに美春ちゃんははダークサイドに堕ちてしまい、視認できそうなくらいどす黒いオーラをまとってる。
もはや悪魔と呼ぶにふさわしい存在だし、小さな子なら夏休みいっぱい悪夢でうなされてもおかしくはないレベルだよ。
「それにしても意外ね、葵のところを男子が突破できるなんて。」
「確かにそうね。葵の魅力にほだされないなんてあなた、ブス専?」
「いえ、あの先輩が魅力的な人だというのはわかりますよ。前に好きになった人は女性でしたから。」
現在は・・・ね。
吉井君はわかってないけど。
「コロ・・・す・・・ウバ・・・う・・・オネェサ・・・マ・・・。」
「それでは先輩方。これ以上彼女が人の言葉を失う前に始めましょうか。」
「もうその子、人として大切なものをいくつも失っているように見えるけどね・・・。」
だよね、今の美春ちゃん、いつ魔女化してもおかしくないような見た目してるもん。
グリー○シード探さなきゃ。
「「「サモン。」」」
4人が召喚獣を呼び出す。
相手は雪女とハーピーで、点数は2人とも300点弱。
対するこっちは二人とも迷ひ神で、久保君が400点弱、美春ちゃんだったモノが140点ほど。
合計点数では負けてるんだけど・・・。
「アナタがそっちの娘をやりなさいよ!」
「イヤよ!アナタの方が点数低いんだから、アナタがそっちの娘で私が男の子をやるべきでしょ!」
「私だってイヤよ!だってあの娘、目がイッちゃってるもの!」
なんとか勝てそうではあるよね。
相手は完全に美春ちゃんだったモノの邪悪な気に怯えてるし。
というか久保君が、3匹の悪霊を操る死霊使いにしか見えない・・・。
「オネェサマ・・・オネェサマ・・・ ミハル ハ オネェサマ ヲ コンナニモ Iシテル ノニ ドウシテ オネェサマ ハ コタエテ クレナイノ・・・?」
・・・てかあれ戻るのかな?
戻ったとしても、あんな姿を見たクラスメイト達がどう接するのか気になるけど・・・。
美春ちゃんだったモノが放つオーラに怯えてる先輩達を僅差で撃破した2人(人?)はそのままAクラスに突入していく。
AクラスはDクラスの6倍程もあるためか、広さを生かした迷路で召喚獣が突然出てくるだけのシンプルな仕掛けになってる。
とはいっても、随時迷路の道を作り替えているようで、今までみたいにカメラで予習・・・というのが通用しない。
そのせいで、久保君と美春ちゃんだったモノが突入した後に入った人達はどんどん失格になってる。
作り替えられてるからルートを覚えることも出来ないからね。
「ぅおわっ!」
「きゃあぁぁあっ!」
暗がりの通路の中、いきなり出てきたお化けに驚いて悲鳴をあげる。
それは一般的なお化け屋敷の楽しみかたで、さっきまでの仕掛けで怯えてた人達も気を取り直して楽しんでいた。
「くっ、いないな・・・!こうしている間にも2人が親交を深めてるかもしれないというのに・・・!」
「ドコ・・・? オネェサマ ドコ・・・?」
曲がり角に着くたび焦ったように左右を見回し、また走る2人。
「やれやれ、清水はともかく久保まで正常な判断ができなくなってるとはな。チェックポイントを通過したんだから、前に誰もいないと気づいてもいいだろうに。」
「・・・恋は盲目。」
「よほど姿を見失ったことに焦ってるのじゃな。」
「まあ、今気づいたところで・・・って感じではあるよね。」
当の吉井君は理解してないみたいだけどね。
「くっ、どこだ・・・?あれ、明かり・・・?」
「オネェサマ ドコ・・・?」
そんな話を私達がしてるうちに、チェックポイントにたどり着いた2人。
坂本君が煽ったからか、そこには常夏コンビの2人がいる。
「よぅ、待ちくたびれたぜ。」
「散々待たせてくれたんだ、ちっとは楽しませてくれんだよなぁ?」
「失礼。先輩方。ここに吉井君と島田さんは来ませんでしたか?」
「アぁ?ここに来たのはお前らが最初だぜ。」
「え?そんなはずは・・・。彼らは僕達より先に行っていたはずでは・・・。」
「吉井たちなら確か、途中で引き返していくのが映ってた気がするな。」
「そんな・・・。じゃあ僕達は無駄な時間を・・・。」
「よくわかんねぇが、会いたいならさっさと俺達に負けて教室に戻るんだな。サモン。」
「そういうことだ。さっさと始めようぜ。サモン。」
「そうですか・・・。サモン・・・。」
「・・・サモン・・・。」
やる気を失った様子の2人と、常夏コンビが召喚をする。
科目は物理みたい。
ここともうひとつ、場所がわかってないチェックポイントをクリアすれば私達2年生の勝ちだね。
「久保君たちは勝てるかな?」
「どうだろうな。久保も清水も、確かガチガチの文系だったはずだ。正直分が悪いだろうな。」
戦争の時に優位にたつためか調べていた坂本君がそんなことを言う。
3年生はセンターや二次試験で使う科目を選択してやるから、多分常夏コンビは物理が得意なはずだよね。
表示された点数によると、久保君が200点くらい、かつて美春ちゃんだったモノが70点くらい。
これで300点とか取られてたら厳しいとこだけど、常夏コンビだし・・・
『Aクラス 常村勇作 物理 412点 and Aクラス 夏川俊平 物理 408点』
「「「なにぃっ!?」」」
思わずハモっちゃうくらいに驚いた。
ええっ、常夏コンビって腕輪レベルだったんだ・・・・・・。
「んじゃ、せいぜい頑張ってみせろよ後輩ども。」
「散々待たされたんだ。ちょっとは粘ってくれよ。」
ニヤニヤと笑いながら言う常夏コンビ。
さっきの会話で心ここにあらずな状態だった2人は一撃で敗北。
でもまあ物理なら一応お空や早苗ちゃんが同じくらい点数あったはずだし、さいわいこの2人はまだ失格になってない・・・というか突入してない。
腕輪2人VS腕輪1人だからさすがに1回では勝てないと思うけど、大きく削ってくれるはずだよね。
「やはりここはお燐とお空が一番でしょうね。」
「ああ、そういえば霊路地の得意科目は物理だったな。ならその2人に行って貰うか。」
お姉ちゃんもすぐそれに思い至ったみたいで、坂本君に進言する。
お空もお燐もあんまり怖がるタイプじゃないし、多分たどり着けるよね。
そして、お空とお燐が突入してから5分くらい経った後。
お燐がちょっと驚いた声を出したくらいで、失格ラインにひっかかることもなく、前方にチェックポイントらしき光が見えてくる。
「チェックポイントに着いたみたいだねお空。行こっか。」
「チェックポイントの人を削ってくればいいんだっけ?」
2人が光のもとに進んでいく。
常夏コンビともいい勝負を・・・
「Ravi de vous rencontrer,une connasse.私、月乃瀬夢月と申しますわ。」
いい勝負を・・・
「Ravi de vous rencontrer,une connasse.私は月乃瀬幻月よ。」
・・・どうやら、2人は別のチェックポイントにたどり着いてしまったみたい。
待っていたのは、金髪のそっくりな2人。
はじめて見るはずなんだけど・・・なんか嫌な感じがするような・・・?
というか最初、なんて言ったんだろ?
「え、えっとはじめまして、私は火焔猫燐です・・・。」
「私、霊路地空!」
「って私達の行く場所はここじゃないよお空!戻るよ!」
「そんなこと、させると思いますか?」
「・・・浅はかね。」
お燐とお空が戻ろうとするも、入ってきた入り口が閉まり、迷路に戻れなく。
これは・・・やるしかないのかな。
「仕方ない、やるしかないみたい・・・。サモン!」
「サモン!」
「行きましょう、お姉様。サモン。」
「すぐ倒してあげるわ、サモン。」
ここの先生は地学だから、科目は地学。
先にお燐とお空の召喚獣が出てくる。
『Bクラス 火焔猫燐 地学 176点 and Fクラス 霊路地空 地学 86点』
お燐の召喚獣は木下君のと同じで、尻尾が2つに割れた猫又。
お空は・・・3本足のカラス?
どっちの点数もそこまで高くないし、相手はチェックポイントにいるくらいだし300はあると思うし、多分勝てないとは思うけど・・・。
3年の2人は悪魔かな?
それで、点数は・・・
『Aクラス 月乃瀬夢月 地学 613点 and Aクラス 月乃瀬幻月 地学 428点』
「「「こっちも腕輪レベルだと!?」」」
しかも600点って!
というかこれ、すっごくまずくない・・・?
当然のように一撃で決着がついちゃう。
「雄二、勝てそう?」
「良くて3:7くらいだな。」
五分五分ですらのね・・・。
「翔子はともかく、俺の点数はせいぜい150点くらいだな。うまく常夏コンビに勝てたとしてももう一方は俺じゃ無理だ。」
「じゃ、じゃあそれまでに点数を削って貰えば・・・!」
「・・・それは厳しい。残りは突入済のを含めても6組12名しかいない。」
え、そんなしかいなかったの?
坂本君と翔子ちゃん、私とお姉ちゃん、早苗ちゃんと天子さん、阿求ちゃんと小鈴ちゃん、あと今中にいる名前を知らない男女ペアとあと誰だろ?
「・・・ちなみに、その中の1組は明久達。」
「え?僕?あ、そっか。でも美波はあんな状態だし、僕らはもう戦力にはならないよ。」
「・・・(フルフル)」
「吉井君、彼が言っているのは姫路さんのことですよ。」
あ、そっか。
怖がってるから忘れてたけど、姫路ちゃんもまだ突入してないんだったね。
姫路ちゃん自身も怖がりながらも参加を表明する。
まあ、美波ちゃんが気絶する直前に告白の未遂してたし、ここで行かなきゃ勝敗はもはや決定したようなものだから・・・ね。
物理が得意な早苗ちゃんと地学が得意な天子さんのペアなら、どっちに入っても仕事出来るから、まず最初に2人が突入。
そのあと私達、吉井君ペア、坂本君ペアと行き、今中にいる誰かが失格になったら阿求ちゃんペアが突入するという流れに。
よーし、やっとお姉ちゃんとやれるから頑張るよ!
いかがでしたか?
ここで夢幻姉妹が登場。
ちなみにRavi de vous rencontrerはフランス語で「はじめまして」という意味です。
その後の言葉の意味はあえて載せないので、知りたいなら調べてみてください。